スローターハウス5 (ハヤカワ文庫SF ウ 4-3) (ハヤカワ文庫 SF 302)

制作 : 和田 誠  伊藤典夫 
  • 早川書房
3.92
  • (209)
  • (188)
  • (217)
  • (20)
  • (2)
本棚登録 : 1809
レビュー : 196
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150103026

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • SFというジャンルに弱い人間なのだが、読み終わった後の率直な感想…「SFだけど、SFじゃなかった!」
    ドレスデン爆撃という出来事があったことを初めて知った。現在はきれいな街だけど、白黒の焼け野原の写真を見て愕然とした。味方に空爆されるって、どんな気持ちだろう。体験した者にとってはやはり「そういうもの」なのだろうか。変えることのできない、ただそこにある現実。
    生死を含めた人生の一瞬一瞬を客観視するなんて地球人には不可能だけど、だからといってトラルファマドール星人やビリーのようになりたいとは思わない。ただ、絶望的な一瞬やそれにまつわる考えだけに支配されるのではなく、生きていることの喜び、ハッピーな瞬間がそこに「ある」ことはいつも頭に置いておきたい。
    ところどころに顔を出す筆者の痛烈な皮肉がパンチが効いていてよかった。
    「貧者への義務を公的にも私的にもほとんど果たすことなくすましてきたという意味では、彼らはナポレオン時代以降もっとも恵まれた支配階級といえるであろう。」(p156)
    「いずれにせよ戦争とは、人びとから人間としての性格を奪うことなのだ。」(p194)

    • アテナイエさん
      こんばんは♪ ひさしぶりにお邪魔します。

      この作品、ほんとにSFなのにSFではないSF仕立ての感動作で、私の好きな作品の一つです。マヤ...
      こんばんは♪ ひさしぶりにお邪魔します。

      この作品、ほんとにSFなのにSFではないSF仕立ての感動作で、私の好きな作品の一つです。マヤさんの言われる、第二次大戦末期の米国のドレスデン無差別爆撃は衝撃ですね。体験者ヴォネガットの作品群やエッセイによれば、たしか2~30万人の一般市民があっという間に殺害され、美しい街並みもほぼ壊滅したようです。まるで長崎・広島のように悲惨です。ヴォネガット自身、心的外傷になっていてもまったくおかしくないなかで、そんな不安定な状況を逆手にとったような(?)本作品。時空を錯綜させたSF仕立てで面白く読ませます。こんな発想や創造は他の誰にもできないのではないでしょうか。決して易しい本ではありませんが、シニカルな笑いと気骨ある作品に仕上げたヴォネガットに感激しました(^^♪
      2017/09/29
    • マヤさん
      アテナイエさん、コメントありがとうございます♪
      オススメしていただいたヴォネガット、ようやく読むことができました。表紙にUFO描いてあるの...
      アテナイエさん、コメントありがとうございます♪
      オススメしていただいたヴォネガット、ようやく読むことができました。表紙にUFO描いてあるのでコテコテのSFかと思っていたんですが、なんと立派な戦争文学ではないですか!体験した人にしか書けない、稀な作品ですね。やはり戦争を経験したヘミングウェイの作品「キリマンジャロの雪」を思い出しました。彼も戦争中の記憶を作品として残そうとするのだけど、書きたいと思いながら書くことができない。とても正面から向き合って書き記すことのできる記憶ではないのだろうと思いました。ですからこういった文学はもちろん、戦争体験の語り手さんたちの記憶は本当に無駄にしてはいけないなと…。SFが苦手な人にも読んでほしいし、また戦争文学が苦手な人にも読んでほしい作品ですね。
      ちなみにこの本図書館で借りたのですが、普通の開架棚ではなく書庫にしまいこまれてまして…しかも区内の蔵書が超古い版の一冊だけ。なんでよ!もっと読まれるべき作品なのに!と思いました(ー ー;)
      2017/09/29
    • アテナイエさん
      え~この本が閉架ですか? しかも古い版が1冊……あらら、それはちと悲しすぎますね。ぜひ図書館の館内にあるアンケートや利用者の声の紙にガンガン...
      え~この本が閉架ですか? しかも古い版が1冊……あらら、それはちと悲しすぎますね。ぜひ図書館の館内にあるアンケートや利用者の声の紙にガンガン書いて投函しましょう!
       私は自分が借りたい本が結構ない確率が高くて(汗)、他から取り寄せになる場合が多いので(それはそれでありがたいのですが)、いい本なので買い入れのお願いをしたり、その他にも新版を要望したり、開架要望など、いろいろ書いてます。マヤさんの貴重な声をあげられてくださいね~笑
      2017/09/29
  • こんなふうにユーモアたっぷりに批判的な主張をかける人って、すごい頭がいいんだろうな。ドレスデンの爆撃がどれほどひどかったのか知らないので実感として受け止めることはできなかったけれど、戦争というもの、またそれも含めての人生、人の運命というものに対しての諦念混じりの憤りが描かれていたように思えた。
    実際に読む前はなんとなく不条理SFのイメージがあった本書だったが、読んでみたら不条理ではなくこの世の理がそのまま書いてあったので少し驚いた。命や時間というものについてトラルファマドール星人のような見方ができたら、確かに人類の考え方や行動は変わるのかもしれない。
    ところで、やたら出てくる「そういうものだ。」という言葉は、訳として上手な日本語なのだろうか?

  • 不思議なSF

  • カート・ヴォネガット 、学生時代何冊か読みました。独特のブラックなユーモアと風刺と、物語としての面白さ。
    当時からヴォネガットの最高傑作は「スローターハウス 5」と言われていたのですが、なぜか読む機会を逸していました。
    ただ、ちょっと期待しすぎたみたい。

  • ‪2017.02.13
    『スローターハウス5』何年もかかってようやく読了。なぜ「第5屠畜場」のような邦題にしなかったのか、が大きな疑問。この方が余程作者の意図が反映されるような。途中まで題名との関連性がわからなかったが、最後は納得。自身の経験したドレスデン爆撃が作家として表現されている‬

  • タイトルの意味は"屠殺場5号" SFというより実体験の戦争小説 いやぁ〜ぶっちゃけつかれた!でもこれが適切な表現かどうかわからないけれど、決して押し付けがましくなくて、ユーモアまじりで落ち着きのある文章だったから読み切れた

  • タイタンの妖女に似ているが、タイタンの方が好き。オチもしっかりしてるし。m

  • トラルファマドール星とWWII・ドレスデン無差別爆撃
    あらかじめわかっている星人の過ちにはびっくりした。そこまで諦めてもよかったか。

  • 人が過去を思い返す時、全てが順序立てて思い返されるわけではないよなと読んでいて思いました。自身の過去を振り返ることは、自分の物語を紡ぐようなことかなと感じます。

    自分がおじいちゃんになって、ロッキングチェアーに揺られながら孫を飽きさせずに人生を語れるようになれてたら最高です。

  • 20150304 ヴォネガット。すごく久しぶり。まだわからない。読んだだけではダメなのだろうか?かんがえすぎなのか。

スローターハウス5 (ハヤカワ文庫SF ウ 4-3) (ハヤカワ文庫 SF 302)のその他の作品

スローターハウス5 Kindle版 スローターハウス5 カート・ヴォネガット・ジュニア

カート・ヴォネガット・ジュニアの作品

ツイートする