人間以上 (ハヤカワ文庫)

  • 早川書房 (1978年10月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150103170

みんなの感想まとめ

独特なリズムと美しい言葉遣いで描かれるこの作品は、読者を不思議な雰囲気に引き込む一方で、物語の構成には賛否が分かれるようです。ストーリーの脈絡が薄く、突然のシーン変更や不明瞭な背景が多いため、物語を追...

感想・レビュー・書評

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  • 著者、シオドア・スタージョンさんは、ウィキペディアによると、次のような方です。

    ---引用開始

    シオドア・スタージョン(Theodore Sturgeon, 1918年2月26日 - 1985年5月8日)は、アメリカ合衆国のSF作家。スタージョン(Sturgeon)とはチョウザメのことであるが、本名である。

    独特なリズムを持った文体を操り、散文を詩のように書いた作家。「SFの90%はクズである。ただし、あらゆるものの90%はクズである」という「スタージョンの法則」でも知られる。

    ---引用終了

  • SFの名作ということで読んでみた。1953年の作品。3部構成(第一章 とほうもない白痴、第二章 赤ん坊は三つ、第三章 道徳)。

    集合有機体(ゲシュタルト・オーガズム)あるいは集団人(ホモ・ゲシュタルト)なる人類の新しい形態の誕生を描いた作品。ジェラード(ジェリー)のセリフを借りれば、「ぼくはこの複雑な有機体の中枢神経なんだ。このような有機体の構造分子は、赤ん坊が計算機(コンピューター)で、ボニイとビーニイが遠隔移動(テレポーテーション)、ジェニイが物体遠隔移動(テレキネシス)、そして僕が精神感応(テレパシー)と中央制御装置(セントラル・コントロール)なんだ。」ということなんだが、要は異なる能力を持つ超能力者たちがチームを組んで、お互いに依存しあいながら超人的な活動しているってだけなんじゃないかな。人類の進化系っていうのがどうにもピンとこなかった。

    集合人の知恵袋の赤ん坊は、何故か三歳児のまま成長しない(サイボーグ009の001( イワン・ウイスキー)や天才バカボンのハジメちゃんの原型かな(笑))。

    第一章で有機集合体が形成され、第二章で活動が安定し、第三章で道徳(モラル)ないし品性(イーソス)が確立される、という流れになっている。

    反重力装置がチラッと出てくるが、物語の本筋じゃない。なので、SF作品といっても本格SFじゃなくてエスパーものといった方がしっくりくる。

    (翻訳のせいか)とても読み難かった。内容も分かりにくかった。なかなか世界観に入っていけなくて途中まで読むのが苦痛だった。自分的にはハズレだった。

  • う〜〜〜〜ん、良く判らない。
    どこかで「サイボーグ007」との関連を書いた文章を見かけたが、確かに登場人物の設定とその能力は似てますよね。でも似てるのはそれだけ、話の内容は全く違う。
    ストーリーに脈絡が無い。なんだか著者が思いつくままに書き綴ったという感じがする。その上に突然シーンが変わったり、背景が認知できずにオタオタしてしまう。
    雰囲気はあります。とても不思議な感じがします。言葉も綺麗そうです(翻訳なので推測ですが)。しかし、相当好みが分かれる作品だと思います。
    正直なところ、ついて行けませんでした。

  • 話なのか文章の所為なのか、何だか分かりにくい。
    物語を追う、という感じではなかった。

  • SFの中でも有名な作品を一通り読んでみうキャンペーンの8作品目。

    あらすじは
    悪戯好きの黒人の双生児、生意気な少女、発育不全の赤ん坊、そして言葉さえ知らない白痴の青年。
    彼らは人々から無能力者、厄介者として扱われていた。しかし、世間からつまはじき者にされる彼らこそ、来るべき人類の鍵を握る存在ーコンピュータ顔負けの頭脳、テレパシー、テレキネシス、テレポーテーションなどの能力を持つ超人だったのだ!
    一人一人では半端者として無駄に使用されてきた超能力も、5人が結集して手となり足となる時、人類を破滅に導き得るほどの恐ろしき力と化すのであった。
    幻想派SFの旗手が描き上げたミュータント・テーマの金字塔!

    それぞれ、自我を持ち、自由に立ち回りながらも、手足の役割、頭脳の役割、意思の役割を担い、集団でも一つの「個」を形成するホモ・ゲシュタルト(集団人間)と言う概念はちょっと面白い。

    アーサー・C・クラークの幼年期の終わりと似たところもある。
    スケール感などでクラークの勝ちかな。

  • X-メンのコミックが始まる10年前に発表されたシオドア・スタージョン御大によるミュータントSFの金字塔。
    初めて手に取ったのだが、2021年製作されたミュータントSF映画の傑作『イノセンツ』への影響も大きいことがわかる。
    『イノセンツ』の元ネタでもある『童夢』にも恐らく影響を与えているだろう。

    社会から孤立した弱者たちが、実は超能力の持ち主であり、集まることで人間以上の存在となることが出来る。
    その後のミュータントものにも繋がるテーマ、要素でもあると思う。

    残念なのは若干読みにくいことだろうか。
    SFの名著なのは間違いないので、そろそろ新訳出してくれないだろうか。

  • SF?ファンタジー?
    ハードなSFという作品ではないのに、やたら難しい。
    超能力と集団意識に関する物語なのだとは思う。
    第一章は分かりやすく、比較的に楽しめたが、二章、三章と、ストーリーが進むにつれて分からなくなっていく変わった読後感。
    解説の「この本を読む前に、あなたは静かに発狂するがよろしい。それがこの本を楽しむ唯一の方法である」という表現が的確すぎるのでは?

  • ミュータント・SFの金字塔と評される本書は、シオドア・スタージョンの代表作。
    以前読んだ著者の「夢みる宝石」がとてもおもしろかったので、古本屋を覗いて旧装丁版をゲット。期待に胸を膨らませて読み進めたのですが…

    うーん、これは読みづらい。
    国際幻想文学大賞受賞なだけあって詩的な表現が多用されているためなのか、はたまた訳文がよろしくないのか、とにかく物語がどこに進むのか予測ができず、要領を得ない展開に眠気が襲う始末。なんとか最後まで読みきりましたが、理解はあやふやです。

    個々の生物(本書ではミュータント)が集まってひとつの生命体を形成する「ホモ・ゲシュタルト」という概念は、人間を超えた存在(あるいは人間と異なる存在)として述べられています。そのホモ・ゲシュタルトが人間らしい道徳性を身に着けたとき、それが本書のラストで描かれるシーンに繋がります。あらためて振り返ると、なんだかクラークの「幼年期の終り」に類するところもありますが、「夢みる宝石」を読んだ読者としては、スタージョンが描く孤独や愛の側面を気にしてしまうようで、新たな進化を遂げる鍵として「道徳性」を掲げるところが、スタージョンらしいのかもしれません。

  • もう十年以上前に読んだのに、強烈に印象が残ってる。
    何か切なくて、胸が苦しくなった。
    読んだそばから忘れてしまう本も多いのに……恐るべきスタージョン。
    又、読み直そうかと思ってる。

    私は読み辛くは無かったです。

  • なにか途方も無いものを読んでいる。読中、幾度も波のようにそんな思いが寄せては引いていった。
    途方も無いのに引くんかい。というのは、原文がそうなのか訳が悪いのか、ところどころ読解不可能な箇所があるからで、それでも寄せてくる波は絶えることなく、もろもろの祖であろうという印象は強まっていった。

    本作品から見えた幻覚は『バオー来訪者』、『ファイブスター物語』の嬰児時代のアマテラスとズーム。『冥王計画ゼオライマー』。『エンゼル・ハート』。『超革命的中学生集団』。『ゲッターロボ』というか石川賢。『MONSTER』。『AKIRA』。
    『サイボーグ009』の元ネタであると聞いてはいたが、イワンと、せいぜいフランソワーズくらいか。

    『バオー来訪者』には座りの悪いエピソード「六助じいさん」がある。本作品に触発されて描かれたのであれば、プロットとして構想の当初から存在したのであろう。育郎の覚醒に必要だったはずが、スミレやゲストヒロインに役目を奪われた。引用元で強い印象を抱いたエピソードなので削除できなかった。そんなふうに思えなくもない。妄想だけど。

  • 1度では物語の大枠を理解するのみに留まったので、今後2度3度読み返す事で人物の思いや背景の理解をより深く出来るようになればと思いました。
    当時の翻訳によるものか原文によるものかは分かりませんが、後半は特に直接的な表現が避けられている様に感じ、場面を映像として想像することが私にはとても難しくなって行きました。
    改めて翻訳された本が出版されることを望みます。

  • 小説という毒を浴びるで紹介されていたのでよんでみた。
    名著になるのかな、超能力ものというよりは…文学的な話。
    少年少女たちが最後の章では大人になっていて、それまで野生的だったのに、洗練されていて違和感。
    最後の数ページは、そんなこともあるかといった展開だけど、いきなり感あり。

  • 桜庭一樹の個人的な文庫オールタイムベストテン

  • バーナード嬢曰く見てたら、スタージョンの法則やってて、職場の人に話したら、人間以上おすすめってことだったので登録してみた。そのうち読む。
    途中で訳分からなくなって断念。。

  • 押し潰され虐げられし者たち。 言語や感覚を持たず閉ざされし如き日常。だが、彼らには、特殊な能力と、言語を必要としない思念の意思疎通の能力がある。
    そして、彼らの凝集と、覚醒らしきものが描かれる。
    彼らの存在は、「ホモ・ゲシュタルト(集団有機体)」。

    しかし、主観的な叙述が多いためか、筋立て・出来事の輪郭がはっきりせず、
    モヤモヤ感を抱きつつ読み進み、そのまま読了した。

    余談だが、フォークナー文学のようである。 特に前半部。
    白痴のローンは、自らの言葉を持たず、自覚的な思考も持たない男。
    それでも、本書では、彼の心の動きをたどり、叙述するのだが、その表現手法がフォークナーを連想させた。
    フォークナー独特の、独白と、さらに独白とは別に心理の流れを叙述する手法を想起したためか。また、アメリカの貧しい農夫の生活の匂いも、共通する部分がある。

  • 僕の師匠夫妻がけっこうなSF者で、おふたりにオールタイムベストというか好きなSF10選を教えてもらった際、ふたりともが挙げていたのがこのスタージョン『人間以上』。
    現行の表紙イラストはラノベみたいなやつ(いや、ラノベ以下)になってますが、昔の表紙はすげー怖い。てかスタージョン全部怖いけど。コスミック・レイプ。

    読んだところ、ふたりがなぜこれを選んだのかはさっぱりわからない……。『サイボーグ009』の赤ちゃん、イワンの元ネタだろうねーって話は聴いてたんですが。
    よかった点、ミュータントテーマなので一応のちのX-MEN的に超能力者が主人公たちですが、話は全く違う。X-MENはミュータントである故に差別されるって話がテーマなのですが、この作品は元々差別や虐待をされてたり、黒人や孤児、知的障がい者やダウン症など、社会的弱者たちがメインキャラクターになってる。

    ストーリーは概ね面白いものの、ローンは後継者を狙って仕立て上げたのか?とか、結局ローンの子どもじゃないよね?とか、ラストどうなったのかがイマイチわからん……。
    ということでササッと再読中ですが、何回か読むと面白い作品かもしれません。あと、師匠夫妻の解説(解釈)を聴きたいところです。語り合うのが面白い作品でもあるかなと。

  • なかなか難解であった、文体もなかなか読むのにパワーが要る
    集団として人間を超える"存在"が誕生と経過が描かれていたのだろうけど、もともとの超人が上手いこと集まった感じで、それはまぁ脆いってのも頷けるから、長く言い回しも上長な物語展開が結構億劫にも感じてしまった
    ラストはもっと上手いこと結びつき合えば次の次元へと向かうかもって事なんやろうかなぁ、集合知

  • #1952〜53『人間以上』→1953「孤独の円盤」→1955「輝く断片」→1958「不思議のひと触れ」。たとえば同じ53年に発表された『幼年期の終わり』とくらべると、スタージョンにとってのSFって、ファースト・コンタクト──ボーイ・ミーツ・ガールでも、ア・タッチ・オブ・ストレンジでもいいですが、スタージョンはまさにその瞬間のWonderこそを、いちばんのSFだってつかまえた人だったんだなあ。「恋とはもっとちがうものよ。何ものかに流れこませるほど熱く、混じりあい、冷やして鍛え、スタートしたときよりも強くなるものなのよ」

    (2009/05/03)

  • 夢見る宝石と雰囲気がよく似ている。弱者への視線、物語の終わり近くでの精神的なやりとり、さらに全体的な暗い印象など。

    第一章の超能力者が自然と集まり、反重力装置を開発するなどのはじまり方からは、その後の展開は意外なものに思われた。スタージョン以外が書いたらこうはならないだろうと感じさせる。

  • 現代社会をぶっ壊して新しい社会を作る系の反社会的なオチを望む読者が多いSFでこういうオチは珍しい気がするね。
    アリシア・キューは結局子供出来なかったの?
    それにしても酷い表紙だ…。何時の時代のセンスだろうこれ…

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著者プロフィール

シオドア・スタージョン(Theodore Sturgeon):1918年ニューヨーク生まれ。1950年に、第一長篇である本書を刊行。『人間以上』(1953年)で国際幻想文学大賞受賞。短篇「時間のかかる彫刻」(1970年)はヒューゴー、ネビュラ両賞に輝いた。1985年没。

「2023年 『夢みる宝石』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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