幼年期の終り (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (1979年4月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784150103415

作品紹介・あらすじ

異星人の宇宙船が地球の主要都市上空に停滞してから五十年。その間、異星人は人類にその姿を見せることなく、見事に地球管理を行なった。だが、多くの謎があった。宇宙人の真の目的は? 人類の未来は?――巨匠が異星人とのファースト・コンタクトによって新たな道を歩みはじめる人類の姿を描きあげた傑作!

みんなの感想まとめ

人類の未来と異星人との関わりを描いたこの作品は、読者に深い思索を促す内容が魅力です。異星人の出現によって人類はどのように変わるのか、またその目的は何なのかという謎が、物語を通じて緊張感を持って展開され...

感想・レビュー・書評

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  • マイオールタイムベストSF
    『オーバーロードのカレルレンの下、人類は管理され世界はより良く生まれ変わるのだが... はたして異星人の目的は?幼年期の人類はどこに向かうのか?』
    「本当に人類は終わってしまった」と錯覚して読後3日間、虚脱状態を味わえましたw
    それぐらい尾を引く本でした。
    SFが科学的なものだけでなく、霊的なものも範疇になると実感したのもこの本からでした。

  • それは突然やって来た。世界の大都市の上空に無数の飛行物体が現れた。
    それは人類にとって敵なのか、それとも味方なのか。何を目的としているのか。どんな姿形をしているのか。謎は深まっていくばかり。
    1952年に書かれた本作は、古典的SFの名著だと思います。

  • ◯読み終わって改めて考えると、いかにこの本が後世のSFやマンガなどに影響を与えたのかがよく分からる。当日書かれたということは革新的であり、今にしてみれば、まぁありそうな話し…と感じて、何が凄いのか分からないこと自体がすごいのかもしれない。
    ◯現在のグローバル社会を維持するために必要なのが多様性の尊重だと思うが、その先ににあるものを飛躍させるとおそらくこの本に出てくる人類なのではないかと感じさせる。共感を発達させることによって、個人の境界が無くなり、溶け合っていくのかもしれない。

  • アーサー・C・クラークは『2001年宇宙の旅』、『宇宙のランデヴー』に続き3作目。3作ともファーストコンタクトを主題としているけれども全く異なる展開と結末になっていて凄い。
    人類が初めて宇宙へ飛び立とうとした日、地球上の都市の上を巨大な宇宙船群が覆う。以来、オーバーロードと呼ばれることになる異星人は人類の前に姿を見せることなく地球を平和裡に統治し始める。かれらは何故姿をあらわさないのか、そしてその目的は何なのか、という話。
    あれこれごたごたがあって、タイトル通り「地球の幼年期」が終わるのだけど、これがなんだかまったくもってありがたくない話。人類の行く末も、ある役目を遂行するオーバーロードたちも、お先真っ暗な状況としか言いようがない。まさにこの世の終わりともいえるラストシーンは胸に迫る悲壮感があります。
    21世紀現在、人類は世界の中心みたいな気で好き勝手やっているけれど、そんなわれわれの驕りを一蹴し、宇宙という舞台全体では端っこも端っこの、小さな一微粒子のうえに群がる細菌以下の存在であるという謙虚な気付きをもたらしてくれる物語だと思いました。

  • フルダイブVR的な話しが書かれていたり、1979年発行の小説とはおえない内容。
    前半はオーバーロードの気長な時間軸で人間が管理され、彼らの目的を徐々に暴く展開であったが、最終的には予想以上に壮大なことになった。
    オーバーマインドはカルダシェフスケールの上位の存在なのは間違いない。

  • SFに抱くアクション映画的なイメージとは裏腹に、哲学や宗教、政治について考えさせられる一冊です。

    人が何に対して関心を抱き、何を恐れるのか。オーバーロードの統治を通じて人の本質を感じられました。

  • SF好きを明言しながら未読なのもどうかと思い、意を決して読んでみましたが、これまで読んでいなかったことを大後悔…!ベストSFに上げる方が多いのも納得の大傑作でした。

    オーバーロードという人類を超越する存在との接触を描く前半は、いわゆるファーストコンタクトものとして展開していきますが、後半、オーバーロードの目的が明かされてからは、物語の様相が一気に様変わりします。さらなる上位種の存在、個を消失し進化する人類、道を閉ざされながらも個としての未来を諦めないオーバーロード。これは悲劇なのか喜劇なのか。一言では言い表せない展開と結末に、読後、しばらく呆然としてしまいました。



  • Childhood's End(1953年、米)。
    見送る者の虚脱と悲哀。見守る者の憐憫と羨望。この悲劇性にもかかわらず、これほどの喪失感にもかかわらず、これは挫折ではなく成就なのだ――。読む前にはSFらしくないと感じたタイトルが、読み終えた後にはこれ以外にないと思えてくる。この悲しみと諦めと達観のないまざった、複雑な情感を表現するためには。

    異星人との遭遇、そして人類の行く末が、壮大なスケールで描かれている。それでいて、個々の謎はジグソーパズルのピースのように、きっちりとおさまるべき所におさまっていく。理知的なスタンスを崩すことなく、同時に圧倒的な抒情性も兼ね備えているという、稀有な作品である。完成度の高い、金字塔の名に相応しい傑作だと思う。

    部分的には、ジェフが見る夢の描写がとても印象的だった。超重力の惑星や、6つの恒星をもつ惑星など、想像すると少し背筋が寒くなるのだが、畏怖に近い感覚で非常に心惹かれる。作者のイマジネーションの豊かさに脱帽。

  • ・あらすじ
    人類が宇宙への第一歩を踏み出そうとしたその日、空に無数の巨大な飛行物体が現れた。
    上位存在であるオーバーロードたちの管理下のもと人類史上で初めて苦しみや争いのない平和な社会が実現する。
    オーバーロードたちの目的、そして管理された人類の行く末はどうなるのか?

    ・感想
    超超超有名古典SFをやっと読めた。
    夏への扉や渚にての描写が合わなくて、この作品に対しても少し構えてたところがあるんだけど杞憂だった!

    面白かったなーー。
    読後はカレルレン…カレルレン…がんばれ!ってなった。
    終盤まではゆっくりペースで読み進めてたので時間がかかったんだけど、ジャンが飛び立った辺りから続きが気になってあっという間に読み終わった。
    (というかジャンやらジョンやら似たような名前が多くってちょっと混乱した)

    「室内飼いの犬や猫のように自分の上位存在に全てを管理してもらって何でも手に入って快しかない環境で自分の好きなように生きられるの羨ましいわ」とたまーに思うけど、もしいま私が生きてる世界もすでに上位存在により管理された社会であるならもっと上手くやれよ!!って文句言いたくなるw
    いやでもこれも彼らの計算のうちなのかもしれない…とか想像したりするのも楽しかった。
    でも個が無くなって全体に統一されるのは嫌だな。

    三体もそうだけど上位存在が登場するSFというのは最後はやっぱり観念的というか哲学的な思想、精神的な描写に進んでいく傾向にある。
    全てを想像するしかないしね、抽象的になっていくのも仕方ない。

  • SFマガジンの「オールタイム・ベストSF」特集等で常に上位にランキングする不朽の名作。そして、積読10年という中々食指が伸びなかった作品でもある。結論から言えば、私にはこの面白さを十分理解出来なかった。
    例えるなら、理路整然とした哲学書の読後感に似ている。作者は(きっと)すごい事書いているなぁと感心するも、再読したいなとは決して思わないような。
    私にとっては、再読したいかどうかの目安が評価の肝となる。ハード・コアなSFファンからは評価が低すぎる、との怒りの声が聞こえて来そうだが、申し訳無いが仕方がない。
    ちなみに、私のイチオシ本は、JPホーガンの三部作「ガニメデの優しい巨人」「星を継ぐもの」「巨人たちの星」です。これは今でも、老若男女が楽しめる最高のエンタメSFだと確信しています。

  • WASPがエラかった時代のアメリカ様感はありつつも、そんなに古めかしくない古典SF。まあ細かいところはもっさりしているけれど、骨格ががっしりしているから気にならない。ちゃくちゃく読んでいったら300ページあたりからぐっと面白くなった。

    よかったところを挙げると即ネタバレになってしまうので控えるけれど、まとめ方がかなり好みだった。スケールが大きくて空想を広げる余地がたっぷりあって、SFを読んだ!という満足感を味わえる。

    • だいさん
      ハヤカワ>創元推理文庫
      ハヤカワの訳のほうがワクワクします。
      ハヤカワ>創元推理文庫
      ハヤカワの訳のほうがワクワクします。
      2013/03/08
    • なつめさん
      だいさんは二種類読まれているのですね。わたしはたまたま家人所有のハヤカワを手に取ったのですが、ラッキーだったみたいです
      だいさんは二種類読まれているのですね。わたしはたまたま家人所有のハヤカワを手に取ったのですが、ラッキーだったみたいです
      2013/03/10
  • おもしろい

  • フロム・ソフトウェアのゲーム『Bloodborne』を友人に勧められたところ、どハマりしてしまい、同じく友人の紹介で、当ゲームの元ネタとなった本作を知った。

    読み始めに想像していたよりも、ずっとファンタジックな展開となった。

    科学を一種の宗教であると認めながらも、進んだ科学が全ての宗教を淘汰した世界を展開する前半に対して、後半では、霊的な方向性で人類が進化していく世界を展開していた。

    後半の、あまりに超能力じみている展開をファンタジックと捉え、少々げんなりした気持ちになってしまった私は、すでに科学という名の宗教の虜になってしまっているのかもしれない。

    オーバーロードと人類の違いの一つとして感情のあるなしが挙げられる。これは、感情が摩耗した種はオーバーロードのように進化が頭打ちになってしまうことを暗に示す筆者からの警句ではないかと思った。

    話は変わるが、1974年に想定されていた進んだ技術や文化体系が、どういったものであったのかという視点で楽しむことができた。

    昔の(特に半世紀ほど前の)SFで描かれた未来の様子と現在の様子がどれくらい乖離しているかを楽しむことができるのはSFの面白いところだと思う。



    以下、Bloodborneとの関連で気づいたところ

    カレル文字のモデルはカレルレンではないだろうか。

    赤子を失い、求めているという上位者たちは、進化の道を絶たれ、進化した人類の保護を目的としているオーバーロードたちを表現しているように思える。

    オーバーロード≒上位者とすると、自然災害からジェフを救けたオーバーロードの構図は、赤子を守っていた(?)メルゴーの乳母の構図にそのまま当てはめることができる。

    上位者に赤子を取られたトゥメルの女王ヤーナムは、オーバーロードにジェフを取られたジーンと同じ構図をしている。

    ヤーナムの夜明けエンドで目を覚ました主人公は、地球に帰還してカレルレンから説明を受けたジャンが一人で地球上を生きる様子と似ている。

    遺志を継ぐ者エンドでゲールマンに代わった主人公は、地球に残って星の終わりを見届けたジャンの様子と似ている。

    幼年期のはじまりエンドで上位者となった主人公は、ジャンが地球を捨ててオーバーロードに着いていくことを選んだ可能性を示唆していると思う。

    ↑の説が正しいとすれば『幼年期の”終り”』という作品に対して「幼年期の”はじまり”」というタイトルを付けることで、〖ジャン«Bloodborneの主人公»がこれから別の星«悪夢»で発生する種の進化«獣狩りの夜»をオーバーロード«上位者»として見届ける〗という構図を示唆しているのではないかと思う。

    赤子を倒して入手する「3本目のへそのお」を使用して月の魔物(上位者)と戦闘することになるのは、ジェフをはじめとした子供を死なせてしまうとオーバーロードと対立することになっていたかもしれない可能性を示唆しているのではないかと思う。

  • 息子に勧められ、初SF。

    この作品とんでもない昔に書かれたはずなのに、、この発想、設定が凄すぎる。

    私の世界観、価値観、少し変わったかも。
    良い意味で。

    読後感想書かずいた所、、MARVEL映画にハマりマイティ・ソーを見ていたら登場人物の女性が、アーサー・C・クラークが、、、て言うてた。
    ので、改めて覚え書き程度の感想(˙꒳˙ก̀)

  • 面白かった。

    何がすごいって、地球でない星々の描写がすごい。
    彼の眼には何が見えていたのだろう。その星たちの上にどんな空が広がり、どんな大気がたちこめ、どんな海が、山が、大地がひろがっているのか、まるで彼自身の目でつぶさに眺めてきたかのようだ。

    もちろんストーリーも面白かったよーていうか光文社古典新約文庫で出てるなんて知らなかったよー
    「古典」って言いすぎじゃないかwww確かに不朽の名作だとは思うけど。

  • 地球人類の行く末を扱った壮大な物語。オーバーロードの目的は何か。50年もの長きにわたり、目の前にいながら姿を現さなかったのは何故か?その姿を見たとき、そして新たな進化のビジョンが現れたとき、震えにちかい感動があった。SFにして哲学的な問題に取り組んでいる。私たちは何処へ向かっているのか?そして今の原子力問題をオーバーロードが見たらなんと言うのか?きっと、地球人は進歩を故意にやめていのか?と嘆くのではないのか。そして本来なら好まない強制介入に踏み込むのではないだろか?SFの古典ではなく、小説界の古典的名作。

  • 純粋にストーリーと、登場キャラクターのドラマが面白く切なく、一気に読めちゃいました

    これは普段SFに触れてない人も、ぜひ読んでもらいたい作品です

  • もしも突然、人類より上位の存在が地球に到来したら。。。
    オーバーロードは敵なのか、味方なのかとヤキモキしながら読んでいたが、結局はそのどちらとも言い難い存在だった。
    超科学的な結末で全く予想できなかった。

    SFの古典を読めてよかった。
    いろんな作品に影響を与えてそうだなと思った。

  • SFらしいとてつもなく面白い設定と、エンタメらしい次々に状況や場面が変わる面白さ
    さすが名作と語り継がれるだけある

    人類が思っていたオーバーロードと実際のオーバーロードにはギャップがあったが、カレルレンは人類を裏切らなかった、と私は思う
    ジャンが宇宙船に乗り込んだときどんな世界が見えるのかワクワクしていたが、その後地球に起こった変化が激しすぎて銀河系の外とかどうでもよくなってジャンが帰ってきた地球がどうなってるのかが気になって気になってページを捲る手が止まらなかった

  • 以下の問を、人類よりも発展した種族≒宇宙人の出現というストーリーの中で描きたかった本である。と読んで思った。
    ・人間というものは、何を希求して生きているのか?
    ・人類とはどんな世界を目指し、どんな道を選んできたのか?
    ・人類はどのような発展ないし進化、変化をとげていくのか?


    目的意識、論理的発展、科学の発展という現代が希求していることの限界を感じた。
    サイエンスフィクションでサイエンスの限界を描くというのはSF名著で共通して見られると思った。

    「議論をやめて事実を集めるべきだ。それには行動が必要だ」
    「これが人類のメタモルフォーゼの結果なのか。」
    この言葉が心に残った

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