- Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150103965
感想・レビュー・書評
-
久しぶりに読んでみたが、感動が薄れた。 初読5だったが3 程度。
あまりに古すぎて設定が古さが気になる。字が細かい。昔の本はこの細かさだったことを改めて実感詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙が違うけどなー。
読んでるうちに頭が混乱して、こっちが分裂しそうだったので「火星」はともかく「タイムスリップ」は追求しないことにしました。
でも、もしかして新しい土地への開拓団みたいな感じで送り込まれた人たちは(自分の意思で参加したとしても)こんな環境にはあったんじゃないかな?と思うし、護符とか言い伝えとか、馬鹿にできない部分があるのも事実。
なんか背筋が少し寒くなります。 -
火星に住んでいるという以外は、普通の人間ドラマでSF星の少ない作品。自閉症の子供が、なぜか未来が見えてしまうという設定で、それを取り巻く大人たちのあれこれ。「設定で」と書いたのは、SF要素はそこくらいなんだけど、結構わかりにくいんだよね、
ディックの作品らしく、キャラクターの立った登場人物に、順々に視点を移していき、誰にフォーカスが合っているのか最初はわかりにくいが、それほど登場人物は多くないので読みやすいだろう。
途中から、マンフレッドとジャックという、自閉症と分裂症の登場人物が、未来を見ているのか、それとも架空の時間軸を行っているのかわからないような展開が出始めた辺りで、まともな読者だと面食らうだろうけど、不思議とそれまでよりも掴みやすくなるのだな。
しかし、ハードなSF要素も少なく、展開は問題なく読めたものの、個人的にのめり込むほどの作品ではなく、「これが好きだ、最高傑作だ」と内容関係なくダラダラ褒めまくる解説にもちょっと面食らった。
ハヤカワの水色版で読んだけど、最近のは新訳だったりするのかしらん。 -
火星が舞台なこととか時間移動できる少年とか、道具立てはSFのはずなのに、描かれているのは夫婦の危機と再構築だった。PKDのとにかく憂鬱で疲れている感じを期待して読んでそういう部分も堪能しつつ、ふらふらしていた人たちが我に返る結末に、楽観的過ぎるかもしれないけれどほっとした。
-
ひととおりディックらしさは味わえるけれど、後期作品の完成度に比べるとちょっと物足りない。
-
何でこのタイトルにしたんだろう?
確かに火星だし、目的はタイムスリップなのだが、あくまでも副次的な要素でしかないように思う。
まず第一に、全然火星らしくないw
火星的な火星ではなく、完全にもう一つのアメリカ(西部開拓時代の)。
地球からの移民だから当たり前と言えば当たり前かもしれないが、
彼らの関心・心配事はごく普通の(地球上と何ら変わらない)ことばかり。
原住民である火星人も、完全にネイティブアメリカンである。
とにかく、SF小説的な火星では全く無い世界観が描かれている。
そしてメインテーマは自閉症の子の内世界と他者の現実の混濁。
現実の現実性を否定するディックの世界観はやはり秀逸である。
クライマックスの捉え方を色々考えてみるのもまた一興だと思う。 -
02年再版版。
本作はPKDの長編では初期作品であるにもかかわらず、
そのドープさ加減は手加減を知らない。
至って面白みもないタイトルから安易に内容を予想するのは間違いで、
やはり一筋縄ではいかないストーリー。現実世界を歪んでいき、
最後のほうではやはり混沌に突入していきます。
PKDの著作の中でも、ベストに挙げる人が少なくない名作。
-ハヤカワオンライン「書籍詳細」より-
火星植民地の大立者アーニイ・コットは、宇宙飛行の影響で生じた分裂病の少年をおのれの野心のために利用しようとした。その少年の時間に対する特殊能力を使って、過去を変えようというのだ。だがコットが試みたタイム・トリップには怖るべき陥穽が隠されていた……P・K・ディックが描く悪夢と現実の混沌世界 -
過去を改変しようとしたがそこには大きな落とし穴が・・・。
久しぶりのディック節だ。うれしい。最近古本屋からSFが消えていってる。ほとんど在庫がない。これは大問題だ。
かろうじて、天牛堺書店(天下茶屋店)における定例の100円セールで見つけるのみだ。天牛は南大阪が中心だから -
ディックの中ではこの小説が一番好き。時間軸がぐちゃぐちゃに表現されてておもしろいです。