ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを (ハヤカワ文庫 SF 464)
- 早川書房 (1982年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150104641
感想・レビュー・書評
-
これはSFでなないが、ヴォネガットらしい秀作
表紙 7点和田 誠
展開 7点1965年著作
文章 7点
内容 740点
合計 761点詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
んー…ちょっと読みにくかった!ヴォネガットは私には少々ハイレベルだ…だが懲りずにまだ読むけどね!2011/055
-
お金が支配する近代アメリカにおいて、ユートピアを作ろうとした男の物語。
人生で最高の一冊のひとつとなった。 -
周りからキ○ガイ扱いされている,富豪のエリオット・ローズウォーターさんがとある街で貧民相手にお金を上げたり相談に乗ったりするお話。
とにかくエリオットさんの人情熱い描写がお見事。海外文学で人情ものってあまり翻訳されてない気がしますね。
周囲からの評判を絶大なものとしていくエリオットさんを見ることは自己啓発本さながらな感じがします。
なかなかの長編ですが,ラストは小気味よく終わります。ライトな作品ではないですが,途中で積むのはもったいない。 -
億万長者にして浮浪者の男が貧困者の為に訳の分からない慈善事業を始めた。はたして彼は狂人なのか。
カート・ヴォネガットが現代アメリカを途方もないストーリーで風刺する。
サブプライムローンのずっと前から、資本主義は格差を生み、金持ち達はそれを隠していた。主人公エリオット・ローズウォーターはそこから目をそらさず酒に溺れながらとんでもない行動を取る。だが、彼の怒りは全くもって正当であると思う。彼を狂気とするなら、アメリカはどうなのだ?
面白いのはローズウォーターは貧民達をいい人とはとらえていないところだ。彼自身もメチャクチャで、その慈善事業たるや意味があるのかと疑問に思う。でも、その深い隣人愛の使い方がメチャクチャであればあるほど、この本のテーマが強く浮かび上がってくる様に思える。
ローズウォーターが辿りついた答えのオチもなかなか。
社会はどうあるべきか、強烈な皮肉で問いかける。グローバリズムが浸透してきている今こそ読むべき一冊。 -
限りない隣人愛。
と書かれている。 -
平安時代の美人は今ならちっとも美人じゃないだろう。
人間は実は努力なんかじゃどうにもならないくらい、ちょっとした現実のランダム関数で恵まれて生まれたり、恵まれなかったりする。
これは金持ちに生まれてしまったばかりに世の不条理に気づいてしまい思い悩む男の物語。
誰かを愛することは同時にその人以外を視界から外すことでもある。
自分たちだけ幸せになるのはおかしいと主人公は考える。
万人の幸せを望む。
じゃあ、万人を愛すればいいのか。
そうかもしれない、でもそれは彼を幸せに導いてくれたのだろうか。 -
大富豪でありながら慈善事業に大金を注ぎ込み財産をすり減らす男の物語。ヴォガネットらしい愛と皮肉とユーモアに満ちた独特の語り口が、読後に小さな引っ掛かりを残す
これなんか、すごいいろいろ考えさせられた気がするんだけど…
詳細に思い出せない(‐‐;
もう一度読みたいと思います! -
2007/05/28 読了 ★★
2012/08/27 読了 -
いい。
次はスローターハウスかな。