- Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150104689
感想・レビュー・書評
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タマゴが発生した過程や毎秒5.0183495回転の自転、
670億Gや分子結合のかわりに核融合、強烈な磁場。
全く分からないし想像できません。
しかし、異世界の生物の進化、速度の違いを超えて
探究心や理性、異世界への尊厳について
スウィフト=キラーの行動はもちろん
たった1.2秒の直接的な接触にいたる
それぞれの世界の接触は鳥肌が立つほど刺激的である
ばかりでなく、感動的。
時間の流れの違い、進化の速度がいつの間にか教師と生徒を
逆転させていても、その与えられたものに対して
相手の力を信じて先に進むための鍵を残しておくことところが
相手を尊重した「心」の部分に触れているようで
よい、異文化コミュニケーションだと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
チーラ最高!可愛すぎか。難しいハードSFかと思ってたら、面白くてページを捲る手が止まらず。続編のスタークエイクもすぐに読みたい。
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中性子星人という途方もない設定が、違和感なく腑に落ちる描写。登場人物の感情をあまり表現しない文章であるのに、スッと感情移入できる。大好きな作品。何回読んだかわからない。
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設定がおもしろい。惑星「竜の卵」がどういう環境か、チーラという生物がどんなものか、わかってくると話の理解がぐぐっと進む。
一方で、チーラの世代交代がすさまじく早いため、キャラクターの入れ替わりも激しく、キャラクターに馴染んだり思い入れを抱く暇はない。物語としての面白さには欠けるかなぁと感じた。神の視点でふたつの知的生命体を見守るってこんな感じなのかな。 -
名作の誉れ高いと聞いたのだが、僕には合わなかった。正直言って退屈。読み進めるのが苦痛であるほどに。誰かこの小説の面白さを教えてほしい。
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遠い昔、地球からおよそ五十光年の彼方で、超新星爆発があり、ひとつの星が重力崩壊を起こした。星は収縮して途方も無い密度となり、一秒に五回もの自転をして、およそ五十万年に一度、太陽系を掠めて楕円軌道を周回する、ひとつの中性子星となった。直径およそ二十キロ、表面重力六百七十億G、鉄の蒸気からなる大気を持ち、強力な磁場がこの星の地表を覆っている。
この星の誕生から五十万年あまりのときを経て、2020年、再び太陽系の近くを通りかかったこの星、<竜の卵>の地表には、信じがたいことに、知的生命体が独自の文化を育みつつあった。
そんなこととは露知らず、地球の天文学者たちは、この中性子星の接近に喜び、一隻の宇宙船を出して、<竜の卵>地表の観測を開始する。
地球人の優秀な宇宙飛行士たち人間と、<竜の卵>の地表に棲む知的生命体<チーラ>の間には、体感時間に膨大な差があって、人間の一分が、チーラのおよそ二年にあたる。その中で、彼らがどのように接触し、どうやって交流を図っていくのか。<チーラ>側の視点と人間がわの視点とを、交互に追っていきます。
うわあ……SFって面白い! 読み終えてじたばたさせられました。
先に述べた、二種族の体感時間の差を利用した構成が秀逸です。
少し厚めで文字は詰まってるし、ハードSFで、ぱっと見にはとっつきにくそうな本ですし、実際、専門的な知識がいる部分が頻出するので、そういう意味ではけして読みやすくはないのだけれども、ドラマチックな展開があり、息を飲むような盛り上がりがありと、難しい部分をあるていど理解できる素地があるか、あるいはわたしのように、分からない部分はさらっと流してなんとなく読まれるか(おい)、どちらかできれば、すごく楽しい本だと思います。-
SFって、読むの本当に疲れるんですよね。読むと面白いんだけど……。設定を読むと面白そうだけど、読もうという気力がわいてこないという。
読め...SFって、読むの本当に疲れるんですよね。読むと面白いんだけど……。設定を読むと面白そうだけど、読もうという気力がわいてこないという。
読めば面白い、だけど読みにくい。そういう本はあまり読まれない。
ほんと、もったいないと思うんです。2010/02/18 -
そうなんですよねー。いかにもとっつきにくいジャンルですもんね。(そういえば、いまだに本格ミステリに苦手意識を持ち続けている私です……)
...そうなんですよねー。いかにもとっつきにくいジャンルですもんね。(そういえば、いまだに本格ミステリに苦手意識を持ち続けている私です……)
多分、ある程度読み慣れてきて、ばくぜんとでも科学的知識が身についたら、もうちょっとすいすい読めると思うんですけど。これからちょっとずつ手を広げていこうと思ってます。
SFを読み慣れない人の入り口になるような、読みやすいライトSF作品や、本格との間をつなぐ、比較的敷居の低い作品が当たって、たくさん出たらいいなあと思います。2010/02/19
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ハードSF長編。続編「スタークエイク」も出てるよ。
「重力670億Gの中性子星の文明のお話」ってだけでも面白そうなのに文明の発展の様子やその中の一つ一つのドラマがものすごい緻密さ精巧さで描かれててなにこれとんでもない!!
ハードSFとしてのいろんなギミックも隅々までしっかりしてるし専門的な話もあちこちに盛り込まれてるけど、そのわりに文章自体はさっぱりめに取っつきやすく読みやすめ。
物語としてもしっかりしてるので、特に科学好きって訳じゃなければ堅めなところは斜め読みで物語として読んじゃうのがいいです。特に堅めな人類パートは序盤抜けたら脇役だし(←
本格ハードSFだけど幅広い層におすすめできます。SF史に残る大傑作!Favorite! -
独自のアイデアと地に足の着いた科学考証で良質のSFになっている。ただメインテーマがチーラの種族発展の歴史書みたいな感じなので、SFとしての味が薄い気はする。
科学方面で気になったこと:
・中性子星の地殻原子の成分について。小説で書かれていたような多彩な物質が成立するだけの自由度が本当にあるのか?
・表面重力670億Gだと時間の遅れが20%ぐらい発生しているはずでは?なぜ言及がない?
・1/5秒周期パルサーの近くで観測したり船外活動するには、パルサーの放射する電磁波への防護が足りてない気がする
・モノポールを打ち込むとなぜ小惑星が収縮するのか、説明がいっさいない点。そもそもモノポール自体の質量はどこから調達したのかもよくわからない
・チーラの神経活動は何を媒介して成立しているの?人間のような神経電位を使った神経系は成立しないと思うのだが
・個人用に比較的小さい重力を携行すればチーラは中性子星の外でも生きていけるという描写が非現実的に感じる。重力を弱めていったとき、体内の器官は膨張していくはずだけど、その膨張率は組織ごとに一様ではないはず。強くも弱くもない重力のもと組織が破壊されて死ぬだけでは
・あとマイクロブラックホールは小さすぎるので潮汐力が大きいから、いかなチーラでもこれを携行したまま生きてるのは難しいよね
文化的な方向で気になったこと:
・蒙昧な時代を通してさえ、チーラは賢明すぎる。理想的な発展を遂げすぎ
・もっと暗黒の魔女裁判の時代とか、王朝が10年単位で変わって破壊される時代とか、宗教が科学の邪魔をする時期とか、他国を植民地下に置いてはあとの時代への禍根を残しまくる大英チーラ帝国とかが必要なのでは
・海洋も大陸も存在しない平坦な地理においてこんな多様な文化文明が育つものか?
・逆にチーラ側言語が最初から1つしかないのも変
・人類はその知識を無分別にチーラに与えすぎ。ふつう文明への影響を抑えるために積極的な干渉は控えるようにするはず
・人類知識がもたらされる以前からチーラが英語の名前を名乗っているのは不可解(例;グレート・クラック → 単位グレート → 人間側書物にもグレート巡の記載)
・帝国が星の全土を支配したらそれ以後は完全に平和っていうのは冷戦構造崩壊後の世界を知らないSF作家の想像しうる限界ということだろうか。内戦の時代に突入するだけだと思うのだが
・核エネルギー(中性子星の上では反応兵器とか?)の知識を入手したチーラはその知識を外部に秘匿しつつ核武装をすることで軍事的優位を維持するよね?え?しないの?いきなり全星に公開しちゃうの?なぜそんなに性善説に立てるの?
・人類の与えた科学知識、中性子星上でも適用可能なものがいったいどれほどあるのか不明
・終盤になるとチーラが人間側の単位を普通に(秒とかミリメートルとか)使ってるのがおかしい
まあ気になるところはいろいろあるけど、多分これはひとつの思考実験本なんだと思えば、良いのではという気もする。
人間のスキャン活動がチーラにとって神と誤認されたり性感を与えたりっていうのはけっこう面白かった(架神恭介あたりにパロディさせたらいいかんじのバカSFができそうだ)。 -
【要約】
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【ノート】
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