魔法株式会社 (ハヤカワ文庫 SF 498 ハインライン傑作集 3)
- 早川書房 (1982年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150104986
感想・レビュー・書評
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ハインライン強化月間。戦前に一旦断筆する直前の中編2作。
生まれつき筋力が弱かったウォルドゥは、自分が便利になるようにと数々の発明をする。ある日、会社の危機と訪ねてきたのは、その特許を横取りした会社の技術者だった。突然動かなくなり、航空機の墜落の原因となったアンテナは、異界のエネルギーを得ることで永久に動くことに気づいたウォルドゥは…。
2作とも、魔術(異界)と現代の社会や技術の融合というキーワードで書かれている。魔術と科学(ウォルドゥ)、魔術と政治(魔法株式会社)。いずれも非常に身近な現象や身近な政治のゴタゴタに、当たり前のように魔術を組み合わせており、未だに斬新な着眼点と言える。
ウォルドゥは、まあ人気のある作品のようだが、もう一作の表題作も非常に新鮮で面白い。もしも今ある社会が、実は魔法抜きでは何も成り立たないとしたら、そこの元締めを悪魔が牛耳ろうとしていたら。
しかしながら、星を1つ減らしたくなるのは、1作目の「異界」2作目の「魔界」の描写がいすれもフワッとわかりにくいのだな。書いている人も、訳している人も、なんか解ってはいないけど、そこは勢いなので許してほしいというような描写になっており、どうしても失速する。そこから永久のエネルギーを得たり、悪魔を退治したとして、メカニズムとその後のことが納得行かないままである。
とはいえ訳も素晴らしく、自然に理解のできる内容であろう。電子書籍も出ているようなので、ハインラインの中でもおすすめの作品ではないだろうか。若干読みにくいけどね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ウォルドウは気にいった
表紙 5点佐藤 弘之
展開 5点1950年著作
文章 6点
内容 640点
合計 656点 -
「ウォルドウ」と「魔法株式会社」の2編とも
面白かったです。
「ウォルドウ」はバリバリのSF路線かと思いきや、
魔法使いのジイサン登場!というのが気に入りました(笑)
「魔法株式会社」はファンタジィやビジネスや
政治やらが軽いタッチで描かれていて楽しかったです。