魔法株式会社 (ハヤカワ文庫 SF 498 ハインライン傑作集 3)

  • 早川書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150104986

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  • ハインライン強化月間。戦前に一旦断筆する直前の中編2作。

    生まれつき筋力が弱かったウォルドゥは、自分が便利になるようにと数々の発明をする。ある日、会社の危機と訪ねてきたのは、その特許を横取りした会社の技術者だった。突然動かなくなり、航空機の墜落の原因となったアンテナは、異界のエネルギーを得ることで永久に動くことに気づいたウォルドゥは…。

    2作とも、魔術(異界)と現代の社会や技術の融合というキーワードで書かれている。魔術と科学(ウォルドゥ)、魔術と政治(魔法株式会社)。いずれも非常に身近な現象や身近な政治のゴタゴタに、当たり前のように魔術を組み合わせており、未だに斬新な着眼点と言える。

    ウォルドゥは、まあ人気のある作品のようだが、もう一作の表題作も非常に新鮮で面白い。もしも今ある社会が、実は魔法抜きでは何も成り立たないとしたら、そこの元締めを悪魔が牛耳ろうとしていたら。

    しかしながら、星を1つ減らしたくなるのは、1作目の「異界」2作目の「魔界」の描写がいすれもフワッとわかりにくいのだな。書いている人も、訳している人も、なんか解ってはいないけど、そこは勢いなので許してほしいというような描写になっており、どうしても失速する。そこから永久のエネルギーを得たり、悪魔を退治したとして、メカニズムとその後のことが納得行かないままである。

    とはいえ訳も素晴らしく、自然に理解のできる内容であろう。電子書籍も出ているようなので、ハインラインの中でもおすすめの作品ではないだろうか。若干読みにくいけどね。

  • ウォルドウは気にいった
    表紙   5点佐藤 弘之
    展開   5点1950年著作
    文章   6点
    内容 640点
    合計 656点

  • ハインラインにしては珍しい
    ファンタジー色が強い作品が
    収められています。
    それが表題作です。

    この作品は割とコメディテイストでしょうか。
    魔法がビジネスとして成り立つ世界で、
    あるものの会社のためにあっけなく
    魔術師たちは生業の危機に見舞われる物語。

    もちろん、主人公の商売も
    あがったり、
    そしてそれを打開するために…?

    これともう1つの「ウォルドゥ」は
    感動物語かもしれませんね。
    自らを優越感の塊とした
    一人の持病を持つ男が
    一人の導師と出会い、変わっていくお話。

    彼は最後には変化して行き…
    冒頭がつながらないように感じますが
    よく読んでいけば、きちんとつながります。

  • 「ウォルドウ」と「魔法株式会社」の2編とも
    面白かったです。

    「ウォルドウ」はバリバリのSF路線かと思いきや、
    魔法使いのジイサン登場!というのが気に入りました(笑)

    「魔法株式会社」はファンタジィやビジネスや
    政治やらが軽いタッチで描かれていて楽しかったです。

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