ファウンデーション対帝国 (ハヤカワ文庫SF 銀河帝国興亡史)

  • 早川書房 (1984年8月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784150105716

感想・レビュー・書評

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  • 第一部は、帝国の最後に生み出された英雄と姦佞な皇帝の右腕が手に手を取り合ってファウンデーションへ戦争を仕掛ける。

    それを回避しようとする貿易商人達。歴史は、彼等の行動を嘲笑うかのように紡がれていく。

    第二部はミュールというミュータントによって、ファウンデーションは遂に陥落する。しかし、第二ファウンデーションを、ハリ・セルダンが用意していた。人の心を操るミュールが操らなかったのは、自分が愛し、自分を愛した女性だけだった。

    ミュールの謎と第二ファウンデーションを巡る旅は、ついにセルダンが少年時代降り立った金属で地表を覆われた星トランターまでたどり着く。帝都でなくなったトランターは、地表の金属を剥し、農業を営む星へと「退化」していった。帝国大学図書館の知はかつての動乱から守られており、そこに第二ファウンデーションの秘密はあった。

    一読してわかりにくい文章であるが、読んでいくうちに、その大小の伏線が明らかになっていく。次巻にも期待したい。

  • 巨匠アイザック・アシモフによる壮大な宇宙叙事詩第2巻。

    滅びつつある帝国の若き逸材ベル・リオーズがファウンデーションを狙う第1部は、セルダン計画を盲信し凋落しつつあったファウンデーションがこの危機を乗り切れるのか?という緊張感が巧みな筆致で描かれており、大いに楽しめた。しかしながら、それに比較すると第2部「ザ・ミュール」はファウンデーション最大の危機を描いているにもかかわらず、やや冗長な印象が否めなかった。群衆の反応を統計的に予測する心理歴史学では、ミュールのような特異な個人の出現は予測できず、そこからセルダン計画が綻びを見せてくる、というのが第2部の要諦だが、このテーマを見せるためのミュールによるファウンデーション征服の過程はもっと簡潔に展開できたのではないかと思われる。また、本作におけるアシモフの描写は良くも悪くも俯瞰的であり、登場人物が直接見ていない出来事は詳細に描かれないことがよくあり、そのためか物語の展開に緊迫感が足りなかったように感じられた。しかし、ミュールの正体が明らかになる後半部分の仕掛けはさすがであったし、戦いに勝利する上で最も重要な要素は「人間の心理」であると措定した戦争描写はたいへん興味深いものであった。

    広大な宇宙を舞台にして、圧倒的に巨大な人間集団が見せる栄枯盛衰を描くという設定そのものがセンスオブワンダーなのだが、セルダン計画とファンデーションの存在が示す、秩序と文明をいかにして破壊から守り維持発展させていくか、という価値観自体が極めてアメリカ人的であるように私には感じられた。そこが面白いと感じられれば、本作に対する見方も変わるのかもしれない。

  • 心理歴史学者ハリ・セルダンの壮大な計画に基づき惑星ターミナスにファウンデーションが設立されて200年、滅びつつある銀河帝国そのものが遂にファウンデーションの存在を知り、攻撃を開始する。攻撃を指揮するのは、帝国の若く優秀な将軍ベル・リオーズ。優秀であるが故に帝国中枢からも煙たがられるほどの逸材であるベル・リオーズの進撃に対峙するファウンデーションは、セルダン計画に守られて繁栄が約束されているとの慢心の下、その指導層は腐敗しかつての勢いを失っていた。設立依頼最大の危機を迎えるファウンデーション、風雲急を告げる情勢は如何に!?

    前作では古い勢力をその機智と科学力でばったばったと薙ぎ倒し、痛快な勝ちっぷりを見せてくれたファウンデーションは、この2作目では繁栄の上にあぐらをかいてすっかり停滞しています。そんなファウンデーションに牙を剥く2種類の敵、帝国将軍ベル・リオーズと闘う前半と、正体不明の敵「ザ・ミュール」が登場する後半の2部作となっています。

    前半の「ベル・リオーズ編」は、若くて有能で鼻持ちならない、そんなところが魅力的なベル・リオーズが圧倒的な存在感で、ファウンデーション側を代表する登場人物ももちろんいるんですがかなり影が薄いです(^_^;でもまぁ結局はファウンデーションが逃げ切るんですが、この過程である登場人物が語った「ベル・リオーズの負けをセルダンが予測できた理由」が印象的でした。曰く、「強い皇帝と強い将軍」が同時に出た時だけファウンデーションは危機を迎える。何故なら、「弱い皇帝と強い将軍」の組み合わせなら、将軍の征服欲の矛先は皇帝に向かうから。でも、「強い皇帝と強い将軍」の組み合わせは、将軍が外宇宙への征服に燃えるものの、そんな将軍の存在を疎ましく思う皇帝がいずれ将軍を倒す、だからファウンデーションは安心だ、と。この下りには痺れましたね。ファウンデーション・シリーズが、「ただのドンパチ宇宙戦争もの」ではないということを端的に示す場面だと思います。

    後半の「ミュール編」では、精神感能力を持つミュータント・ミュールの進撃が描かれます。数多くの人間集団の動きを予測する数学手法である心理歴史学は、ミュールのような特異な一個人の動きを予測に組み込むことは出来ず、セルダン計画に守られてきたファウンデーションは、遂に陥落。ファウンデーションの人々が正にセルダン廟でホログラムによる予言を聞いていたその時に、ミュールによるターミナス侵攻が開始される、この絶望感と緊迫感。
    個人の動きを予測できない心理歴史学が負けた、ように思える展開ですが、でもこのシーンにおいて、セルダン(のホログラム)は、その時点でのファウンデーションの政権中枢が腐敗して反体制派が台頭してきていることをちゃんと言い当てているんですよね。ミュールが登場しようがしまいが、ファウンデーションは内乱の危機を迎える・・・自ら作り上げたファウンデーションの停滞と衰退(そして、それを乗り越えたところにある新たな希望)を、冷徹に計算しているセルダンの叡智。

    前半・後半ともに鴨がしみじみ感じたのは、面白うてやがて悲しき人間の性、とでもいったらいいのでしょうか。
    人間ってバカだよなー、やることなすこと巧くいかないよなー、でもだから面白いんだよなー。と思いつつ、セルダン博士やアシモフと一緒にこの壮大な歴史絵巻を紐解いて楽しむ感じ。文系でも楽しめるSF作品の最右翼と言えるんじゃないでしょうか。第3巻も楽しみです!

  • 相変わらず訳が本当に読みづらい。登場人物も増えてきてついていくのがなかなか大変。
    けどミュールという不確定要素が出てきて面白くなってきた。次が楽しみ

  • 系・院推薦図書 3系(情報・知能工学系)
    【配架場所】 図・3F開架 
    【請求記号】 933||AS
    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/474210

  • 登場人物達の行動理念を理解するためには,アシモフがアメリカ人であることを念頭に置かなければいけないような気がする.自国への愛国心が彼らに通底しているからこそ,具体的な理屈もなく彼らを突き動かしていると考えれば,アメリカ人に長く読まれ続けられてきていることに納得する.ミュールが一つだけ強力な能力を有している以外,極めて普通の人と変わらない,むしろ劣っている設定は,二次大戦に参加した各国首脳の投影に感じる.

  • イギリス文学っぽいなあと思っていたけど、アシモフさんはアメリカ人だったのね。盛者必衰の理が高速で展開され、どんどん引き込まれる。この巻ではザ・ミュールがよかった!ちょっと東洋的な雰囲気も感じられて印象的だった。世に聞く伝説は、事実が盛られた結果意外と「こんな感じ」なのかも知れない。「死者の手」セルダンさんの計算根拠が知りたくなるな。

  • SFの巨匠、今読んでも面白い名作。世界観や発想が素晴らしい

  • 異質な感じ、色々な意味で

  • アシモフといえばロボットシリーズとこのファウンデーションシリーズ。
    心理歴史学、人類の歴史、そしてこれらをまとめ上げるラスト。
    SF好きなら読まない選択はあり得ない。
    素晴らしいという言葉が素直に出てくる。

  • 図書館で借りた。おもしれえ次読みたい

  • 嘘だろ、、これが約70年前に書かれた本なのか、、

  • ファウンデーションを読んでいてもわかりにくい内容だが、ラスト三章で急速に収束する話作りはさすが。
    鋼鉄都市シリーズを読んだ人なら繋がるであろう能力、この後どうなるのか。
    それにしても登場人物が多いのは本当大変…

  • 単純な性格の私。ミュールの正体が明かされた時には素直に驚いた。その能力については、いささか都合が良すぎる感じがしないではないけど、セルダン・プランの歪に生じたこの人物の今後の展開は気になるところ。そしてエブリング・ミスが突き止めたであろう、第二ファウンデーションの謎は次巻へ。

  • 銀河帝国興亡史2 60年以上前に書かれたのがすごい 
    表紙   6点鶴田 一郎
    展開   8点1952年著作
    文章   8点
    内容 755点
    合計 787点

  • アシモフのファウンデーションシリーズ2巻。

    1巻は漫画で読み面白かったので小説版を手に取って
    見ました。
    ミュータントに納得いかなかったですが、やっぱり
    おもしろい。

    映画が見てみたい。

  • 10年ぶりくらいの再読
    アシモフらしくミステリとして読むことができ読みやすい。

    第一部は,負けるはずのないファウンデーションの絶体絶命のピンチがどのように回避されるかというハウダニット。ベルリオーズが好感の持てる人物だけに哀れ。

    第二部は,セルダンプランを脅かすミュールというミュータントの正体を巡るフーダニット。訳者あとがきにあるように,若き日のコンプレックス,感情操作という点でミュールはヒトラーを下敷きにしていると思われるが,ミュールは平和的な統治を進めているように読める。この状況で,トランやベイタたちがセルダンプランを盲信し,ミュールの登場がより良い道ではないかと疑問を抱かないところに違和感を感じた.

  • ・第一部 将軍
    帝国のベル・リオーズ将軍はかつて帝国の領土であり、今は独立した銀河系の辺境地域に侵攻しようとしていた。その辺境地域で勢力を拡大させていたファウンデーションではこの危機にラサン・デヴァーズをスパイとして帝国に送り出した。かつて父親がファウンデーションのホバー・マロウと出会ったドゥーセム・バーはベル・リオーズと行動を共にしていたが故郷を帝国に蹂躙された復讐のため捕らえられたラサン・デヴァーズと共にリオーズのもとを逃げ出し、帝国の首都トランターへ向かった。皇帝とリオーズを離間させファウンデーションの危機を救おうとしたが、その前に皇帝の疑心によってリオーズは呼び戻されて逮捕された。こうしてファウンデーションは四度目の危機も乗り切ることができた。

    ・第二部 ザ・ミュール
    帝国との直接対決を乗り切ったファウンデーションはハリ・セルダンの<プラン>によって守られ不敗であると信じられるようになっていった。その慢心によって支配地域での統治は過酷を極め、不満を持つものが現れ始めた。一方帝国は過去の威光はすでになく、トランターは破壊しつくされ、首都もネオトランターに遷都していた。そのころファウンデーションの支配地域でミュールと呼ばれる男が勢力を拡大させていた。ミュールに対する敵はなぜか戦わずに降伏し、その勢力はファウンデーションにとっても脅威となっていた。ハン・プリッチャー大尉はミュール調査のためファウンデーションを出発した。ミュールのもとを逃げ出した道化師のマグニフィコはファウンデーションの政策に反対する地下組織のトランとベイタ夫妻に助けられ、プリッチャー大尉とも合流してファウンデーションに向かった。その途中プリッチャーの調査の結果ミュールは突然変異体(ミュータント)であり、他人の感情を操り自分に都合よく書き換えることができると知った。ファウンデーションに戻った一行は心理学者エブリング・ミスの予想どおり時間霊廟に現れたハリ・セルダンの映像から、<プラン>にはミュールの存在は考慮されていないことを知った。この結果、居合わせた全員が<プラン>の崩壊を感じ、絶望に陥った。この時、ミュールの攻撃の報がもたらされ、市長インドバーは降伏を宣言しファウンデーションは陥落した。危ういところを逃げ延びたトラン、ベイタ、プリッチャー、マグニフィコ、エブリング・ミスはハリ・セルダンがファウンデーションと同時に創ったとされる第二ファウンデーションの場所を見つけるため帝国の首都トランターの図書館に向かった。ここでエブリング・ミスの研究の結果第二ファウンデーションの場所を特定した。しかし、その場所を皆に教える直前、ベイタがエブリング・ミスを撃ち殺してしまった。ベイタはマグニフィコこそがミュールであると見抜き、ミュールに第二ファウンデーションの場所を知られるのを防ぐことができた。ベイタがマグニフィコに出会った際、例外的に彼に好意を抱いた。そのため、ミュールはベイタとトランの感情を操作しなかった。

  • ファウンデーションが設立されてから200~300年の物語。周囲の小国を政治、文化、宗教、科学技術、経済を駆使して取り込み一大勢力となったファウンデーションと衰退しつつも銀河の中心部に強大な軍事力を持って君臨する帝国との対決。

    そしてセルダンと心理歴史学が予測出来なかった人の心を操れる力を持った突然変異ミュール率いる新勢力との対決。

    歴史モノは主体となる国や個人の勢力が大きく安定してくると面白さが減じていくのね。きっと作者も飽きてきたんじゃないかな。で、初期設定をぶち壊すミュータント投入してかき回す。ここから次のステージですよ。

  • ふーん、そういうことか、と言う終わり方でした。
    道化師が実は、と言うことでファウンデーションは滅亡というか、降伏しちゃいましたね。ちょっとネタとしてありですが、ミュータントが出てくるところはあり得る話ではあるけど、ネタとしてはちょっとおもしろくないなあ・・と言うことで3つ。

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著者プロフィール

Isaac Asimov (1920―1992 )。アメリカの作家、生化学者。著書に『われはロボット』『ファウンデーション』『黒後家蜘蛛の会』等のSF,ミステリーのほか、『化学の歴史』『宇宙の測り方』等の科学啓蒙書やエッセイが多数ある。

「2014年 『生物学の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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