第二ファウンデーション 銀河帝国興亡史3 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150105921

感想・レビュー・書評

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  • 惑星ターミナスのファウンデーションを占拠することに成功したミュールは、密かに状況に介入しているらしい「第二ファウンデーション」の存在に気づく。物理的科学技術の牙城であるターミナスのファウンデーションと対峙するそれは、新たなる銀河帝国の興隆を企図した社会歴史学者ハリ・セルダンいうところの「星海の果て(スターズ・エンド)」に位置するはずの、精神感応力を武器とする社会集団。最強の予測不能要因だったミュールを無効化することに成功した「第二ファウンデーション」は、その力を認識するに至ったターミナスのファウンデーション(いわば「第一ファウンデーション」)の注目を浴びることになる。第二ファウンデーションの存在は、セルダン計画の遂行に当たってどのような役割を果たすのか?そもそも彼らはどこに位置し、どのように世界の流れを司っているのか??

    SF御三家の一員として名高いアイザック・アシモフのもう一つの顔、それは洒脱で軽妙なミステリ作家としての側面です。
    本作ではそのアシモフのミステリ作家としての力量が如実に現れており、SFとしての驚きは正直言ってそれほどではないものの、「謎解き」の面白さが存分に表現されています。理系的な知識は、全く必要ありません。論理的に整えられた文書を読み解く力があれば、全く問題なし。「第二ファウンデーション」は何故存在するのか、どこにあるのか、誰が率いているのか?最後まで読み切ると、あーそういうことだったのか!という爽快感が味わえますヽ( ´ー`)ノ

    ファウンデーション・シリーズの初期3部作は、これにて終了。
    この後もファウンデーション・シリーズは形を変えて続いて行くわけですが、鴨的にはここで読了してもそれはそれでありかな、という感慨はあります。未来への希望を感じさせる、良い終わり方だと思います。

  • 第二ファウンデーションが宇宙のどこに存在するのか,を前半はミュールにより,後半は第一ファウンデーションにより追求される.話の構造が複雑で,かつ抽象的な内容だが,ミュール,第一/第二各ファウンデーションが,現実の世界の何と対応しているのか,と考えると,アシモフは知的生命体の存在意義を一般化しようと試みたのではないかと思える.

  • これはSFの殻をかぶったミステリだ
    アシモフは SFのSFらしさが足りない

  •  銀河帝国興亡史、3部作の完結編。

     本作の主軸は「第2ファウンデーションはどこにあるのか?」である。わかりやすくワンテーマで物語が展開されるため、これまでの2作に比べると格段に読みやすいが、作品としての質が低下しているわけではまったくない。むしろ、探索の標的になる第2ファウンデーションとはどのような存在なのか、という副次的な関心事項がかえって私たちに大きな問題意識を投げかけている。それは、「私たちの世界の中に『ほんとうのこと』というのは存在するのか?」という問題提起であると自分は受け取った。

     第1部ではミュールによる探索、第2部では第1ファウンデーションによる探索が描かれる。第1部は事実上、前作の続きであるが、ミュールと第2ファウンデーションとの鍔迫り合いには息を飲むような緊張感があり、一気に読まされる。第2部は、さしずめアーカディア・ダレルという少女によるロードムービーの様相であるが、本作における真の主役は誰か?という点に関しては最後に驚きの展開が待っている。SFというよりもミステリー小説を読んでいるかのような感覚を味わえるが、全体としては哲学的問いを投げかけているという点ではやはりSFの特質を放棄してはいない。本作では、人間の精神における作用が物事の趨勢に大きく影響を与えることが描かれているが、精神医学のことすらほとんど知られていなかった1940〜50年代にこのようなテーマについて考えていたことにただただ驚嘆するばかりである。1980年代に書かれた続編にもぜひとも触れてみたい。

  • ミュールと第一ファウンデーション残党それぞれの第二ファウンデーション探索。第二ファウンデーションの優位点である「匿名性」が崩れていく。精神作用力を用いた対決の描写が令和の世でも新鮮。
    ところでミュール、心静かで幸せな時間を過ごせただろうから、彼の望みはかなったと考えたい。
    セルダン千年圧縮プランの半分が経過した段階で終了し、その後再びシリーズ再開まで30年待たされず、次へどんどん進めることは、ジェネリック読書の利点だなぁ(*^_^*)

  • 70年も前の大戦前後の時代に、これだけの想像力を発揮したSF小説がすでに出ているのが驚嘆。
    古い単行本で読んだが今でも色褪せることのない名作。  ついに映像化されるということで話題にもなっていた

  • シリーズ第三作。今までで一番SFらしく、内容も良い。話としては完全に前作の続きなので、続けて読むべき。第一部も第二部も、ミステリ的サプライズが楽しい。綺麗に終わっているので、読むのはひとまずここで止めて良さそう。

  • これまでのシリーズにおける「セルダン危機」は、その原因も解決法もどこか地球の歴史が透けて見えた。だが、今作で第一ファウンデーションが相対する「敵」は、一味違う。彼らは他人の感情を操作する技術を持ち、何よりもう一つのファウンデーションなのだから!
    自由意思を否定するような感情操作の技術は「セルダン・プラン」の影の面を浮き彫りにする。その点が全編を通じて問われるが、その問いかけの流れがそのまま感情操作の光の面も表していることが最後の最後に判明する構成となっている。
    これまで以上に予測不可能な展開に圧倒され、見事と言うほかない。

  • 図書館で借りた。予測はしてたが

  • 人類がいずれ作品内と同じ未来を辿るとはもはや思えないが、壮大な物語として楽しめた。
    数十年前の遠未来SF最高峰の作品。
    解説欄にてこの後のシリーズの概要が書かれてたのは抗議レベルの嫌がらせ

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著者プロフィール

Isaac Asimov (1920―1992 )。アメリカの作家、生化学者。著書に『われはロボット』『ファウンデーション』『黒後家蜘蛛の会』等のSF,ミステリーのほか、『化学の歴史』『宇宙の測り方』等の科学啓蒙書やエッセイが多数ある。

「2014年 『生物学の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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