スタータイド・ライジング 上 (ハヤカワ文庫 SF 636)

  • 早川書房
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150106362

感想・レビュー・書評

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  • 知性化されたイルカの活躍。チンプも出てくるが、主には人間とイルカで話が進む。一言一句を追うのももどかしいほど面白い。

  • デイヴィッド・ブリンの<知性化>シリーズ第2弾!
    著者の同シリーズは第3弾の「知性化戦争」が初読でしたので、時系列的には逆行しておりますが、それぞれ独立した物語なので特に支障なし。とはいえ、「知性化戦争」でも時折触れられていた”探検船<ストリーカー>の銀河を揺るがす大発見”について、ようやく全貌を知ることができました。

    人間とイルカで編成された初の宇宙探検船<ストリーカー>は、銀河の辺境で大宇宙船団を発見する。一隻が地球の月ほどの大きさをもつ五万隻の船団は、どうやら太古から存在しており、銀河に住まうあらゆる宇宙種族の<始祖>と関係があるようだ。情報を聞きつけたタンデューやソロ族といった列強諸族は、その秘密を手中に収めるべく、それぞれ大戦隊を派遣。追われるストリーカーはモーグラン宙域で奇襲を受けるも辛くも脱出。現在、傷ついた船を修理すべく、惑星キスラップの海底に身を隠すが、列強諸族はいまにも迫っており…

    列強諸族、始祖、タンデュー、ソロ族…、知性化シリーズはとにかく造語が多い!これに加えて、人間やイルカの登場人物も多いので、混乱することもしばしば。とはいえ、親切なことに巻頭に用語一覧が掲載されており、混乱した時は読み返せるのでちょっと安心。

    さて、物語はというと、これがまあおもしろい。
    「知性化戦争」では、知性化されたチンパンジーが主役といっていい役割でしたが、本作ではイルカがそれに該当します(もちろん人間のトムやジリアンも活躍しますが)。物語の要旨はあらすじのとおりなのですが、列強諸族の追撃から逃げる一方で、知性化されたイルカの内紛や惑星キスラップの秘密が組み合わさり、これらをきっかけに<知性化>の背景を知ることになっていきます。
    と、「知性化戦争」でも感じましたが、こういったSF色のしっかりした骨太の世界観に圧倒されるのです。本書で繰り広げられる物語は作中の時間軸でもほんの僅かな期間ですし、その舞台は惑星キスラップ(およびその宙域)を出ません。そんな限られた時間と範囲の物語にもかかわらず、壮大な印象を抱くのは、ひとえに著者が作り出す<知性化>の世界観が緻密で雄大、奥行きの感じるものだからでしょう。そんな圧巻の世界で、心滾る熱い展開をみせられたら、これはもうおもしろくないはずがありません。

  • ブリンの知性化シリーズ 兎に角私の琴線にふれる!
    表紙   8点加藤 直之
    展開   8点1983年著作
    文章   8点
    内容 900点
    合計 924点

  • 登場人物が人類なのかイルカなのかチンパンジーなのか、読んでいる途中で混乱することがあった。人類かと思っていたら、突然、尾びれで水の中を進んでいたりなどだ。ここに注意すると楽しく読める。ほとんどの登場人物がイルカなんだと腹から納得すれば、頭の中に素晴らしい興味深い景色が一気に広がる。

    登場人物が多くて、知性化されたイルカは“人”扱いなので、イルカは一頭二頭と数えるのではなく、ひとりふたりと数える。その辺りが混乱の元ではあるが、巻頭の登場人物紹介などを参照しながら読み進めると、そのうち慣れてくる。

    上巻だけではストーリーが完結しないので、下巻もあわせて読むのが良い。

  • 「イルカが出てくるSFだよ」と 友人に勧められて 読みました。
    私的には ストライクです 上下巻一気に読みました。
    ラストも ハッピーエンドだけじゃない SFらしい残酷さもきちんとあるところが 好きです。

    再読 ほとんど忘れているwww
    当時私は この話をきちんと読んでいたのか?
    でも やっぱり好き

  • 知性化された「イルカ」がメインクルーな宇宙船って、
    と思ったが結構面白かった。
    多視点での痛快冒険スペースオペラ?
    登場人物が多く、なかなか名前を覚えきれず少し苦労。
    他作品にも連なる壮大な背景設定はユニーク。
    終盤の話を収束させてゆく流れは、
    やや大味だが B 級的なワクワク感を楽しめる。

    1983 年 ネビュラ賞長篇小説部門受賞作品。
    1984 年 ヒューゴー賞長編小説部門受賞作品。
    1984 年 ローカス賞 SF 長篇部門受賞作品。

  •  ガイアに惹かれて2分冊にトライ。

     人類と知性化されたイルカの混成地球軍が古代の漂流艦隊を発見。この貴重な発見を横取りしようとする反地球軍がわんさか存在する。さて、この漂流艦隊はなに?ってなオープニングだ。

     設定の複雑かつ異様さ慣れてくると(宇宙のランデブーのように)物語に没頭できるようになる。

     ところが、読み進めるに従ってちょっとしたショートストーリーがたくさん出てきて、主題が何であるのかが分かりにくくなってしまう。古代の漂流艦隊の謎は解明されないし、戦場での不思議な体験もイマイチ説明し尽くされていない。

     確かに読み物としてはワクワクドキドキなんだろうが、うまく表現できないけれど未開のジャングルに漂着した人間と犬が力を合わせてジャングルを脱出するだけなんて筋に見えてしまう。

     なぜかフィットしないこの作品。理由は単純だった。ヒューゴー/ネビュラ・ダブルクラウン作品だからなんだな。残念。

  • 造語が多いせいか前半はイマイチ。
    後半からはなかなか良い。

  • 他星との戦闘によって、ある惑星に不時着した地球の宇宙船「ストリーカー」の脱出劇という局面だけを切り取った構成がかっこいい。他星が狙ってきた理由、ストリーカー内部での乗組員間の確執・衝突が脱出作戦の中に描かれるのだ。

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