愛はさだめ、さだめは死 (ハヤカワ文庫 SF テ 3-1)

  • 早川書房
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本棚登録 : 1072
感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (467ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150107307

作品紹介・あらすじ

自然と本能のまえにとまどう異星生物のライフサイクルを、斬新なスタイルで描き、1973年度ネビュラ賞に輝く表題作ほか、コンピュータによって他人の肉体とつながれた女の悲劇を通して、熾烈な未来社会をかいま見せ、1974年度ヒューゴー賞を獲得したサイバーパンクSFの先駆的作品「接続された女」、ユカタン半島に不時着した飛行機の乗客が体験した意外な事件を軸に、男女の性の落差を鋭くえぐった問題作「男たちの知らない女」など、つねにアメリカSF界の話題を独占し、注目をあつめつづけたティプトリーが、現代SFの頂点をきわめた華麗なる傑作中短篇全12篇を結集!

感想・レビュー・書評

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  • twitter アカウント Dappi の正体が法人であった と報じられた時 , Tiptree Jr. の "接続された女" を思い出さなくもないような という呟きを目にした。
    Tiptree Jr. "となりのヨンヒさん" 絡みで知ったばかり。早速 接続された女 --- The Girl Who Was Plugged in を読む。

    70ページほどの短編、Dappi.... というよりも MATRIX を連想する。あちらは 仮想空間に接続しているのに対し、本作は実態を持った身体に 遠隔操作で別の人体が接続されている。
    AR だの グリーンバックだのに慣らされ MATRIX を見てきた身には なんとなく感じ取れる 脳と身体性の乖離。

    これが 1975年の作品なんですね...... すごいわ.....!
    もうね 未来予知よ。
    発表当時にタイムトラベルして 40年後 マジでこんな感じよ〜と言いたい!
    21世紀のVFX作品作ってる人たちはみーんな読んでるよね、まちがいなく。

    さて Dappi の "脳" はあばかれるのか?
    その前に unplugged されちゃうのか.....

  • 1968年から1973年に発表され、
    数々の名だたる賞にノミネートされて受賞を果たした作品も含まれる、
    ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
    (=アリス・ブラッドリー・シェルドン)のSF短編集。
    奇想に満ちた過激な物語は時代を経ても古びず色褪せない……
    と思うのだが、それと好き嫌いの問題は別、ということで。
    一読者としては、刺激的で意外性に満ちていて面白いけれども、
    筆致が苦手なケースが多々。

    収録作は

    ■すべての種類のイエス(All the Kinds of Yes,1972)
    ■楽園の乳(The milk of Paradise,1972)
    ■そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした
    (And I Have Come upon This Place by Lost Ways,1972)
    ■エイン博士の最後の飛行(The Last Flight of Doctor Ain,1969)
    ■アンバージャック(Amberjack,1972)
    ■乙女に映しておぼろげに(Through a Lass Darkly,1972)
    ■接続された女(The Girl Who Was Plugged in,1973)
    ■恐竜の鼻は夜ひらく(The Night-blooming Saurian,1970)
    ■男たちの知らない女(The Women Men Don't See,1973)
    ■断層(Fault,1968)
    ■愛はさだめ、さだめは死
    (Love Is the Plan the Plan Is Death,1973)
    ■最後の午後に(On the Last Afternoon,1972)

    環境に適応するのが困難で悩みを抱える人物が
    そこから脱するには畢竟、孤独を友とするしかなく、
    究極的には死によって安息がもたらされるのみ
    ――と言いたげな印象を与える作品群中、
    新天地を求めて冒険しようとする
    聡明な母と娘を描いた「男たちの知らない女」には
    喝采を送りたくなった。

  • 10数年ぶりに再読。
    やっぱりよくわからないけど、私は好き。

  • 衝撃的で斬新で奇態。まさにSF。それもよく見かけるような「小説の小道具としてのSF」ではなく、「SFのためのSF」でした。
    「接続された女」は未来を先取りしすぎて他人ごとに思えない。個人と隔絶された情報のひとり歩きが怖い作品。twitterにしろlineしろ、現代人は画面越しのコミュニケーションを命綱にしている「接続された者」ばっかりな気がする。
    「愛はさだめ~」もよかった。音楽的なネーミングセンス。動物たちの外観は複眼や糸の排出から蜘蛛をイメージしていたけど、角が生えていたりしてもう少し違いそう。
    「楽園の乳」は、本当に異世界・別次元の中の誰も知らない出来事のようでうっとりする。おそらく地球で言うセックスを「流れる」というのも良い。
    でも一番好きなのは「すべての種類のイエス」。交流する宇宙人と地球人の純粋さがたまらない。これが一番最初にあってよかった。
    この本はSFとしての奇想天外な発想がすごいんだけど、裏テーマとして、「存在(≒生命)に対する愛」があるんじゃないかと思う。愛情深い短篇集。
    表題の「愛はさだめ、さだめは死」もすごくいい訳。

  • 実に独特な世界観を表現する短編SF集。表題の『愛はさだめ、さだめは死』に代表されるように、人間に限らずエイリアンを含めた生命というものの美しくない一面を精神的にあるいはグロテスクにえぐり出す。最後の物語『最後の午後に』が私にはいちばん興味深かった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「美しくない一面を精神的に」
      タイトル買いしちゃって、衝撃を受けた作家№1と言っても良いかも。。。
      美しい美しくないを飛び越えてしまったとこ...
      「美しくない一面を精神的に」
      タイトル買いしちゃって、衝撃を受けた作家№1と言っても良いかも。。。
      美しい美しくないを飛び越えてしまったところが凄いですよね!
      2012/12/28
  • 面白い視点で物事を捉え、
    それを上手く表現できる人だ。
    様々なテイストの作品が綯い交じった素晴らしい短編集。
    表題作には強く惹きつけられた。

    「接続された女」1974 年 ヒューゴー賞中長編小説部門受賞。
    「愛はさだめ、さだめは死」1973 年 ネビュラ賞短編部門受賞。

  • 1973年に出版された中短編集。
    この中でいちばん有名なのは「接続された女」であり確かに面白いのだけど、個人的には初めて表題作を読んだ時の方が衝撃的だった。これを読むまで、一見残酷に見える生物の営みがその生物たちにとっては無上の幸せなのかもしれない、などと考えたこともなかった。
    あと鳥インフルエンザが流行った時、短編「エイン博士の最後の飛行」を思い出し、ゾクッとした。
    まえがき、あとがきも必読。

  • この本は、1973年に発表されたジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの短編集です。ティプトリーは、女性でありながら男性のペンネームを使ってSF作家として活躍した人物で、本書は彼女の代表作の一つとされています。本書に収録されているのは、愛と死をテーマにした10の短編で、それぞれ異なる世界や時代、登場人物を描いています。しかし、その中には共通するメッセージがあります。それは、愛は人間の本能であり、同時に人間の運命であるということです。愛は、人間を幸せにも不幸にもする力であり、時には死に至らしめる力でもあります。本書は、その愛のさまざまな側面を、SF的な発想や技巧で鮮やかに表現しています。

    本書は、SFというジャンルを使って、愛と死という普遍的なテーマを扱っていますが、決して一般的なSFではありません。宇宙人や未来人、人工知能や遺伝子操作、タイムトラベルやパラレルワールドなど、SFらしい要素が取り入れられていますが、それらは単に物語の背景や装飾ではなく、愛と死というテーマに対して、新しい視点や問題提起をもたらすものです。

    一方で、本書は、SF的な発想と技巧とは対照的に、登場人物の心情や感情など、感情的な描写と表現にも溢れています。特徴的なのは、登場人物の感情を、言葉や行動だけでなく、色や音や匂いなど、五感に訴えるような方法で伝えているところです。感情的な描写と表現を用いて、愛と死というテーマを鮮烈に描き出しているのです。

    ティプトリーは、SFとホラーのジャンルを駆使して、人間の愛と死の不可分性を見事に表現しています。その意味で、この本は、心に強く残る物語の宝庫と言えるでしょう。

  • なんでこの本を買ったのか覚えていないが、「SFは自由だなあ」というのがその感想。
    しかし、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んでしまうと、他のSFが霞んでしまうなぁ。

  • 『たった一つのさえたやり方』に続き、ディプトリー二冊目。伊藤典夫、浅倉久志訳ということで安心して読んでいたのだけど、なかなか読むのに難航しました。。うーんディプトリーの文が肌に合わないのかな…

    好きだったのは、「エイン博士の最後の飛行」、「接続された女」、「断層」、「愛はさだめ、さだめは死」

    「接続された女」はプロット自体はわかりやすいのだけど、そのサイバーパンクな雰囲気、好きでした。

    表題作の「愛はさだめ、さだめは死」というのが、なるほどまんまそういうことね笑と、ある生物のライフサイクルの話で、本能という定めを超えようとしつつ、結局は種として残っていくには回避できない「死」が立ち上がってくる。かわいい赤だったり、リッリと呼びかけるモッガディートの可愛いこと可愛いこと…この作品が一番好きでした。

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