愛はさだめ、さだめは死 (ハヤカワ文庫SF)

制作 : 浅倉 久志 
  • 早川書房
3.59
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  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 706
レビュー : 63
  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150107307

作品紹介・あらすじ

自然と本能のまえにとまどう異星生物のライフサイクルを、斬新なスタイルで描き、1973年度ネビュラ賞に輝く表題作ほか、コンピュータによって他人の肉体とつながれた女の悲劇を通して、熾烈な未来社会をかいま見せ、1974年度ヒューゴー賞を獲得したサイバーパンクSFの先駆的作品「接続された女」、ユカタン半島に不時着した飛行機の乗客が体験した意外な事件を軸に、男女の性の落差を鋭くえぐった問題作「男たちの知らない女」など、つねにアメリカSF界の話題を独占し、注目をあつめつづけたティプトリーが、現代SFの頂点をきわめた華麗なる傑作中短篇全12篇を結集!

感想・レビュー・書評

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  • 衝撃的で斬新で奇態。まさにSF。それもよく見かけるような「小説の小道具としてのSF」ではなく、「SFのためのSF」でした。
    「接続された女」は未来を先取りしすぎて他人ごとに思えない。個人と隔絶された情報のひとり歩きが怖い作品。twitterにしろlineしろ、現代人は画面越しのコミュニケーションを命綱にしている「接続された者」ばっかりな気がする。
    「愛はさだめ~」もよかった。音楽的なネーミングセンス。動物たちの外観は複眼や糸の排出から蜘蛛をイメージしていたけど、角が生えていたりしてもう少し違いそう。
    「楽園の乳」は、本当に異世界・別次元の中の誰も知らない出来事のようでうっとりする。おそらく地球で言うセックスを「流れる」というのも良い。
    でも一番好きなのは「すべての種類のイエス」。交流する宇宙人と地球人の純粋さがたまらない。これが一番最初にあってよかった。
    この本はSFとしての奇想天外な発想がすごいんだけど、裏テーマとして、「存在(≒生命)に対する愛」があるんじゃないかと思う。愛情深い短篇集。
    表題の「愛はさだめ、さだめは死」もすごくいい訳。

  • 実に独特な世界観を表現する短編SF集。表題の『愛はさだめ、さだめは死』に代表されるように、人間に限らずエイリアンを含めた生命というものの美しくない一面を精神的にあるいはグロテスクにえぐり出す。最後の物語『最後の午後に』が私にはいちばん興味深かった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「美しくない一面を精神的に」
      タイトル買いしちゃって、衝撃を受けた作家№1と言っても良いかも。。。
      美しい美しくないを飛び越えてしまったとこ...
      「美しくない一面を精神的に」
      タイトル買いしちゃって、衝撃を受けた作家№1と言っても良いかも。。。
      美しい美しくないを飛び越えてしまったところが凄いですよね!
      2012/12/28
  • 面白い視点で物事を捉え、
    それを上手く表現できる人だ。
    様々なテイストの作品が綯い交じった素晴らしい短編集。
    表題作には強く惹きつけられた。

    「接続された女」1974 年 ヒューゴー賞中長編小説部門受賞。
    「愛はさだめ、さだめは死」1973 年 ネビュラ賞短編部門受賞。

  • 1973年に出版された中短編集。
    この中でいちばん有名なのは「接続された女」であり確かに面白いのだけど、個人的には初めて表題作を読んだ時の方が衝撃的だった。これを読むまで、一見残酷に見える生物の営みがその生物たちにとっては無上の幸せなのかもしれない、などと考えたこともなかった。
    あと鳥インフルエンザが流行った時、短編「エイン博士の最後の飛行」を思い出し、ゾクッとした。
    まえがき、あとがきも必読。

  • SF短編12篇。

    サイバーパンクな「接続された女」、カフカの“虫”に通じる「愛はさだめ、さだめは死」、宇宙開拓地のカタストロフィな「最後の午後に」。

    そのほかの短編も含めどこか悲劇的で物哀しいのは、どれだけ科学が進んでも人間は満たされないからなのかもしれない。

  • 地球ではない異星における種の存続活動をどのようにイメージするのか?そもそも地球的発想から脱却することが必要であり、地球人に想像することができるのか?甚だ疑問ではある。

    しかし本書を読むと、こんな作者ならもしかしたら想像できるのかも、そんなことを考えてしまうくらいぶっ飛んだ発想が満載である。これはきっと訳なんかも相当むずかしかったんじゃないかと思ってしまう。実際、結構無理があるような気がするわけで。

    また、SFの環境が進んでいる原題であればまだしも、これが60年代、70年代に創作されたと思うと、その発想力に脱帽するしかない。

    いっぽうで、その根底にはなんというか種を存続させるというベースラインとそのためには雄と雌が必要で、それが雄雄、雌雌であってもまあいいわけで。必要な流れを辿って発想していくと多少50年程度は先を読み進めるなんていうのもできる人にはできるのかな?とも思ってしまった。

    でもしかし、やはり、この手の発想ができる種類の人類というのは実は地球人ではなく、現代人でもないような気がしてくるのである。それくらいぶっ飛んでいる作品であるということ。

  • SF。短編集。
    全体的に分かりずらい印象。
    「エイン博士の最後の飛行」「接続された女」「男たちの知らない女」「愛はさだめ、さだめは死」は、期待を裏切らない良作。☆3.5。

    「すべての種類のイエス」
    エイリアンと人間の交流。ヒッピー?人間のほうが少し変わった人たち、という設定が面白い。
    「そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見いだした」
    冒険ものはワクワクする。
    「エイン博士の最後の飛行」
    ネビュラ賞の最終候補作に残ったらしい作品。一読では理解できず悔しかったので、webで調べてから読み返し。凄い作品でした。静かな文体が逆に怖い。
    「接続された女」
    サイバーパンク。ギブスンよりも分かりやすい。
    「恐竜の鼻は夜ひらく」
    タイムスリップ・ユーモアSF。こんなのも書けるのか…多才。
    「男たちの知らない女」
    SFでありながらも、サバイバルものとしても、性別に関する作品としても秀逸。
    「愛はさだめ、さだめは死」
    人間が登場しない作品。インパクトは抜群。そして、なぜか感動的。

  • SFの古典、かつ「ハサミ男」の愛読書ってことでトライしてみたが、なんだかわけわからず返り討ちにあった気分。Hanakoで推薦してたお姉さん、これホントに入門書?

  • SF小説邦題界でトップクラスにカッコいい名前が付いていることで有名な本作は、作者の初期の作品が中心に収められた短編集である。「たったひとつの冴えたやり方」は好きだったけれど、本作は個人的には粗削りさを強く感じてしまった。表現や言い回しが難しいものが多く、完全に理解するには何周か読む必要があるかもしれない。

  • うーん。読みづらかったって印象しかない。

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