たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)

制作 : 浅倉 久志 
  • 早川書房
3.73
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本棚登録 : 2422
レビュー : 262
  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150107390

作品紹介・あらすじ

やった!これでようやく宇宙に行ける!16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造し、連邦基地のチェックもすり抜けて、そばかす娘コーティーはあこがれの星空へ飛びたった。だが冷凍睡眠から覚めた彼女を、意外な驚きが待っていた。頭の中に、イーアというエイリアンが住みついてしまったのだ!ふたりは意気投合して探険にのりだすが、この脳寄生体には恐ろしい秘密があった…。元気少女の愛と勇気と友情をえがいて読者をさわやかな感動にいざなう表題作ほか、星のきらめく大宇宙にくり広げられる壮大なドラマ全3篇を結集!

感想・レビュー・書評

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  • 最高。未知との遭遇。
    あっちからしたらこっちもエイリアンで、お互いに恐る恐る、でも好奇心を持ってコミュニケーションを取る場面が随所にあって、とても良かった。

    SFの魅力は、宇宙戦争とか、未知の生命体との遭遇とか、荒唐無稽なことを描いているようで、実は自分たちの世界と繋がっていることを感じさせてくれることだと思う。
    舞台は宇宙じゃなくても、紛争は地球上至る所で起きていて、他者と分かり合うことはとても困難で奇跡的なことで。だから「わかるわかる!」って部分も多くあるし、一方でスケールの大きさにワクワクもできる。

    第3部の「信じる」「友だち」の概念をどう伝えるか?のシーンは秀逸。第1部の脳寄生物体と女の子の友情の物語も良かった。

  • 名前は前から知ってたけど今更購入して読了。表題作のたった一つの冴えたやり方は主人公のコーティがすごくかわいく描かれていてよかった。かわいく描かれているのに、終わり方は10代の女の子とは思えない決断は切ない終わり方とも言えるけど、コーティらしい決断だった。イラストの絵柄もあいまって少女漫画でも読んでいるようだった。
    他2作も面白かったけど、やっぱり1作目が良すぎて少し霞んでしまった。すべて読んでから思ったのは、どうしてこの順番なのか、最後にコーティの話を持ってきてもよかったのではないかということ。話の内容的にこの順番が良いのだと思うけれど、1作目からこれだけの作品を持ってこられては2作目以降へのハードルが上がりすぎて少し期待外れになってしまった。

  • 図書館に、2008年に出た1話だけしか入ってない新訳版しか置いてなかったので、びっくりしてリクエストを出したら即入れてくれた(昔の川原由美子版カバーのやつもなかった)。

    この単独版、図書館ではジュブナイル・ヤングアダルトコーナーに置かれていて、内容もハハァ、確かにそうだよなという感じ。
    しかし、当時70、71歳のおばあちゃんが16歳の少女を主人公にした瑞々しい感性のこんな作品を書いている、そのことに驚く。元々ティプトリーが書くものはバラエティに富んではいるんだけど。

    この小説とかハインラインの『夏への扉』は読みやすいからSF初心者の方、苦手だなと思ってる女性などには入門書的に良いのでは。
    僕の場合はどうしても、ハインラインだと『月は無慈悲な〜』の方が断然面白かったし、ティプトリーも『愛はさだめ、さだめは死』の衝撃度の方が断然大きかった。それと比べたら、『たったひとつの冴えたやりかた』は、「面白いけど普通のSF小説」って感じです。

    1話目では別に泣けなかったけど、3話目の『衝突』がすごく良くて、これで泣きました。(ただ、最後ちょい長かった)

    ハヤカワの表紙は改悪されることが多いけど、これの片山若子さんのイラストはかなり良いんじゃないか、改善例だと思う。好きですね、これ。

  • 映画「インターステラー」を観た後に、何かロマンチックなSFを読みたい!と思って買ったこの「たったひとつの冴えたやりかた」。まさに期待通りでとても満ち足りた気分(と、読了後の少しの寂しさ!名作を読み終わってしまうと、大事に大事に食べてたチョコレートが尽きてしまったような感じ……)。良いタイミングで読めた。先に「愛はさだめ、さだめは死」を読んだおかげか、とても読みやすく感じられて物語に没頭する事が出来た。

    表題作は冒険に出る少女コーティのワクワク感がとても微笑ましかったので、ラストに至るまでが本当に切なくて。姿も見えないエイリアンの親友シルとの友情!宝物のようなお話。

    二作目はとてもロマンチックな宇宙活劇「グッドナイト、スイートハーツ」。「たったひとつの〜」も素晴らしいタイトルだけど、このタイトルもとても良い。なるほど複数形。ラスト、男にとってこれ以上ロマンチックな事ってあるだろうか?彼はおかげで永遠に甘い想い出を手に入れて宇宙を旅する事が出来る。

    最後はややボリュームのある、エイリアンとのファーストコンタクトの物語「衝突」。後半ずっと宇宙共通語(「インディアン、うそつかない」風の片言の言葉)で延々と続く会話、意思の疎通もままならないのに人間の矜持を持って必死に和平の説得を試みるシーンには圧倒された。

    SF小説は苦手、と自分では思ってるのだけれども、これは本当に良い本だった。

  • 同じ世界設定で異なる年代を描く三本の中編からなる宇宙SF小説。

    一本目で表題にもなっている「たったひとつの冴えたやりかた」は、一人で宇宙の冒険に出かけた少女と、少女の頭の中に住み着いてしまったエイリアンの友情譚。

    二本目は「グッドナイト、スイートハーツ」。こちらは典型的な宇宙活劇といった感じで、難破船を回収して生活する主人公が偶然にも初恋相手と再会し、トラブルに巻き込まれる恋愛話。

    三本目の「衝突」が描いているのはファースト・コンタクト。探測隊が奇妙な現象に巻き込まれながら未知の異星人とのファーストコンタクトに挑む様子が、探測隊を送った側と、出会った側で語られていく。

    どの作品にも共通しているのは、切なさ。ハッピーエンドではないけれど、バッドエンドと言うわけでもない。物語は「たったひとつの冴えたやりかた」によって着地していく。その物悲しさが、舞台となっている空虚な宇宙と長い年月によって増幅されていく。

    世界観の中で秀逸に感じたのはメッセージ・パイプという機械。これは遠く離れた場所から自動的に目的地まで、長い年月をかけてメッセージを届けてくれる。それは海岸に流れ着いたビンのようで、一方向性のやりとりが歯痒く感じられ、また物悲しさを演出してくれる。

    どちらが良いともいえない中で決断しなければならない時、ふと思い出したくなる一冊だった。

  • 面白かったぁー!やっぱSF好きだなぁ
    ところどころわからない用語を飛ばしたけどもw
    用語がわからないのはまだいい。
    ただ、二つ目の話のオチがわからなかったのは大問題だと思う。
    読解力と予備知識のなさに絶望して太陽に突っ込みたい



    『たったひとつの冴えたやりかた』
    誕生祝いにもらったスペース・クーペで、憧れの星の世界に単身飛び出していった少女コーティが、旅の途中で一匹のエイリアンと出会う。
    コーティー達はお互いに深く共感し、ともに冒険を続けることにしたのだが…。

    タイトルから何となくラストの予想がついてしまったけど
    その予感を握り潰したいほどに、コーティーの溌剌とした姿が愛おしかった。
    聡明で、快活で、向かうところ敵なしの勇気と生命力溢れる女の子
    しかしそれでも彼女は小さな小さな、少女なのだ…

    宇宙旅行に対する若い、ワクワクと高揚する気持ちを思い出せるストーリー

    あととにかくタイトルがいい。
    こういうタイトル…ぐっときます。

    『グッドナイト、スイートハーツ』
    アクションシーンの息をのむ展開は楽しめたけど、
    あとは内容的にはそれほど…
    燃料切れで助けが必要な船や、難破した船をサルベージして生計を立てている男の恋にまつわる話。
    冷凍睡眠のしっぱなしで、あまり歳を取っていないというのが
    羨ましく思った←

    上でも述べたけれど、ラストシーンが結局どうなったのかわからなかった…
    もしこれを読んで、解釈のある方は、ぜひコメントを残して頂きたく思います…ご教授を…

    『衝突』
    3作の中では一番興奮した!
    言語の通じないエイリアンとのファーストコンタクトを描いた作品。
    ヒューマンとエイリアン、お互いがお互いの思わぬところで
    悲劇的な衝突を起こしていて
    このままでは全面戦争になってしまう…
    そんな状況とはつゆ知らずにエイリアンの星域に到達してしまった
    リフト横断探測船のクルーたち。
    彼らの一挙手一投足から、起こされうる戦争の、その未来は避けられるのか…!?

    目が離せない展開とはまさにこのことだ

    試行錯誤を重ねたコミュニケーション
    相手を理解すること、理解されること
    人間同士でも難しいのだから、生態から異なるエイリアンならなおのこと
    だがリフト・ランナーのクルーたちは信じて疑わなかった
    彼らの根底にあるものが、平和を望む心であることを……

    とても読後感の良い話だった

    さほど難しい専門用語は使われていないので、
    さらっと読むことが出来た。嬉しいことだ。

  • 全編を通して今まで読んできたハードなSFとは違った優しい雰囲気が感じられた。高度なテクノロジーがあって様々な異種族がいる未来の宇宙での冒険そのものよりも、それらを通して人の心の温かさや勇敢さを描いている感じ
    それだけに宇宙空間の無機質さ、時の流れ、そして時に大事なものを切り捨てなければならない宇宙の残酷さが際立っているように感じた。表題作が特に好き。

  • ああ…胸がいっぱい。
    先に「たったひとつの冴えたやり方」のみの本を読んで、とても良かったので短編集のこちらも読んだのだけど、他の二編ももちろんだし、間を繋ぐ物語もいい。
    読み終わってからも、私の一部がこの本の中に残っているような気持ち。
    これから何度も読み返すと思う。

  • SF小説の中でも有名な作品を一通り読んでみようキャンペーンの9作品目。

    うーん。短編集だったかぁ。

    表題作はなかなか面白かった。
    それ以外は、うーん、微妙かな。

  • 異星人を交えた宇宙航海ものの三本立て.何れも人類が主人公で,異星の生命体による侵略や海賊の襲撃,宇宙戦争の勃発といった大きな災厄が起こるか起こらないかという瀬戸際での,それぞれの人間の思索や試行,決断が大きなテーマになっている.
    個人的には「衝突」が良いと思った.行き違いによる対立が生じる中でも懸命に対話を試みる人類の姿勢には目をみはるものがあった.

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