重力が衰えるとき (ハヤカワ文庫 SF エ 3-1)

  • 早川書房
3.82
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本棚登録 : 278
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150108366

感想・レビュー・書評

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  • SF。ミステリ。電脳×ハードボイルド。
    近未来・イスラム文化・SF・探偵という組み合わせが素晴らしい。
    SF的に、珍しいアイディアというわけではないが、作品全体の雰囲気は、完全に初めて感じた世界観。
    自分の知らない世界に触れる、という点が、個人的にSF小説に一番求めるポイントなので、この作品はまさに理想的な作品。
    最初から最後まで夢中で読んだ。
    傑作だと思う。

  • 近未来のアラブで探偵まがいの仕事をしているマリードが主人公。周囲で次々と人が殺されていくのだが、そもそもマリードは調べてみようという気がさらさらない。だが自分の友人たちも殺されたり街を牛耳る大ボスから脅されて、彼はある外科手術を受けて犯人を追うことになる。まあフーダニットの部分よりも、混沌とした世界設定が魅力的だし、あくまで一匹狼であろうとするマリードの半端なハードボイルドっぽさも楽しい。予定調和じゃない終わり方は、シリーズが続くという事なのね。次も読んでみたい。

  • 近未来のイスラム世界を舞台にした、サイバーパンクSF。ソ連とアメリカが内戦の末に小国家へ分裂した近未来。あるアラブの国際都市が舞台。主人公マリードは、数少ない「頭に配線していない」生身の人間。銃をもたず、電脳手術をせず、イスラム戒律からも自由な探偵稼業。失踪した白ロシア王位継承者の行方を巡り、国家間の駆け引きが展開される中、捜索を開始したマリードの運命は...。サイバー都市化したイスラム国際都市という変わった設定と、息つかせぬ高速展開が、最高の高揚感を味わわせてくれる。アメリカでの宣伝文「食費と家賃をあとまわしにしてでも読め」。強く賛同。

  • 3.3

  • めちゃくちゃ面白かった、サイバーパンク、ハードボイルド、ドラッグ、性転換、イスラム文化、、、などなど。最高の混沌。

  • 原書名:When gravity fails

  • 古書購入

  • 確かにポップコーンの殻が歯にはさまったらすごく気になる

  • 題名やカバー絵を見て、宇宙を舞台にしたSFだと勘違いしていた。この作品のジャンルははミステリーだ。脳に直接作用するデバイスなど、SF的なガジェットがたくさん登場するからSF作品として成り立っているが、根底に流れるストーリーはミステリーであり、ハードボイルドである。決して本作をけなしているのではない。誉めている。また、SF的なガジェットだけでなく、イスラーム圏を舞台にした物語は、私のような無宗教の人間には非日常的な舞台だ。私は非日常を楽しむことがSF作品の楽しみ方の一つだと思っている。本作で、残酷な殺人事件やイスラムの風習などが多く描かれることで、自分の日常では経験できないことを読ませてくれた。 翻訳も読みやすかったし、後半のスリリングな展開には、ミステリーファンも楽しめるのではないだろうか。一点、不満があるとすれば、物語の展開が少し古く感じるところだ。コテコテのSFファンは既視感を感じるかもしれない。ミステリーファンにとっては、事件の解決法など、少し卑怯な展開に思うかもしれない。普通のミステリでは登場しないSFガジェットがあるから仕方ないのだけれど。

  • サイバーパンクと一人称ハードボイルドは相性がいいが、
    そこにイスラムをまぜるとエキゾチックな味になる
    イスラムの風習は千夜一夜を彷彿とさせるが登場人物はあれよりすれている

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