- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150108571
作品紹介・あらすじ
女人竪琴師メノリの親友ピイマアは、竪琴師ノ工舎一の美声の持ち主。だが、ある日突然、声変わりのために歌うことができなくなってしまった。竪琴師ノ長ロビントンに命じられ、かれは各地から太鼓で送られてくる通信文を聞きとる、太鼓師としての修業を始めた。太鼓の峰での当直中に、ピイマアは重大な通信文を受けとった。ナボル城砦の悪名高いメロン太守が危篤だというのだ。後継者争いが起こるのは必至。ロビントンの密命を受け、ピイマアは竪琴師ノ師補セベルとともにナボルへ潜入することに…。好評三部作の最終巻。
感想・レビュー・書評
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パーンの竜騎士ジョブナイル版竪琴師ノ工舎三部作最終巻
表紙 4点木嶋 俊
展開 6点1979年著作
文章 7点
内容 670点
合計 687点詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ピイマアの成長の記録!
「白い竜」では、偏屈者かとおもいきや、本作では、愛くるしく、とっても可愛らしい。
他のなじみの登場人物がでてくるのもまた面白く、さらには物語が予想していなかった方向へ流れていくのが、複雑なようで、ああ、そういえばこれはSFだったな、と思い出させられた。 -
主人公は『竜の歌』『竜の歌うたい』で脇を務めたボーイソプラノの歌い手ピイマア。
あのいたずらっ子も十代の半ばを過ぎ、とうとう声変わりの時がやってくる。ソプラノの出なくなった歌い手は、もう竪琴師の工舎には必要ない。
アイデンティティの危機(?)を迎えたピイマアは、新たな使命を求めて新しい世界へと!
新大陸サザンや、メノリのその後などパーンの世界の第二世代を描き出す。時間的には『白い竜』とリンク。
男性が主人公のシリーズが少ないので、少し視点が変わるのも面白い。 -
『歌う船』シリーズと並ぶファンタジー…?『パーンの竜騎士』が基本ですが、いわば外伝のこのシリーズは読みやすくてまたかわいくていいです。大好き。
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パーンの竜騎士外伝・ジュヴナイル三部作のその三。
今度の主役は、メノリではなく、彼女の親友であるピイマアです。
並ぶ者のない美声の持ち主であり、いたずら小僧の彼でしたが、とうとう変声期を迎えてしまったために、太鼓師としての修行を始めることとなります。
ロビントン師直々のお声がかりというので、はりきるピイマアなのですが、それまでの「経歴」が災いし、やることなすこと深読みされるわ痛くもない腹を探られるわ、で、前途は険しい山ばかり。どころか、とんでもない事件に発展してしまう―――と、これもある意味スタンタードな成長物語。
メノリとセベルもちゃんと出てくるのでご心配なく。そしてピイマアの好物である「泡菓子」が、なんだかやたらおいしそうで困った作品でもありました。「大草原の小さな家」に出てくる、ジョニィ・ケーキのようなお菓子なのでしょうか。一度食べてみたいものです。