2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫 SF ク 1-19)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150110000

感想・レビュー・書評

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  •  クラークの代表作ともいえる作品。映画を見たからといって本書を読まないのは愚の骨頂である。まさにここには映画が単なる挿絵にすぎなったという事実がある。映画を見て解らなかった人も必読の作品である。

     映画を見たから、そして難解だったから、さぞ書籍の方も難解だろう。私はこう思っていた。そかし読みはじめるとその先入観は一気に吹き飛んだ。映画は、この書籍の場面場面の描写に過ぎないのである。筋の通ったストーリーがここにある。映画を見て感じていた、長い間の疑問が吹
    き飛んだというのが私の読後感である。本を読んでいるだけでも感じることのできる色彩、そしてスケール。これはクラーク独特の世界だろう。

     別の作品「地球光」の戦闘シーンで感じたクラークのこの感性はこの作品では全体にわたってちりばめられているのである。

     映画も確かにすばらしい。芸術作品であろう。しかし、書籍こそ最高のサイエンス・ファンタジーである。クラーク作品を読んでいて、順番に注意する必要がある。私は最後にこれを読んだことによって、これまでの「幼年期の終り」などにでてくる”変態”の概念をここに見いだすことが出来た。オーバーロードの概念が理解できた。クラークの2001年宇宙の旅はサイクリックな映画だと称されたが、それは違う。クラーク作品全体がサイクリックな作品だったのだ。2010年、2061年と続くこの宇宙の旅シリーズはぜひとも読んでみたい作品だ(まだ読んでいないが)。

  • 映画が視覚・聴覚にダイレクトに(そしてストイックに)訴えかけてきたあの世界観を、ロジカルな文脈を追って読み返すというのはとても面白い。個人的には映画が先でよかった。キューブリックのセンスと対照的な著者のおしゃべり具合(前書きは特に楽しい苦笑い)が功を奏して、あのナンセンスでシュールで暗示的世界観と物語を惜しみなく叩き付けてくれる。後半のぶっとびなんでもアリ感はなんだか映画より強いけれど。

  • 映画視聴済み。
    映画とセットで楽しむべき本。
    昔の本なのにリアルな描写ばかりで凄いなと思った。
    ディスカバリー号の動くスピードは度外視されてたように思うし、惑星の温度(気温)も見積もりが甘いと思ったけどそれ以外は割とリアルだなと思った。
    ボーマンさんおつかれさまです。

  • 正直あまりピンと来なかった。また読んでみよう!

  • 新版序文に、映画と小説の違いとか、普通にネタバレが書いてあって慌てて閉じた。自分でネタバレを書くんじゃないよクラークさん。読了後に読み直したら大したネタバレではなかったけども。

    猿の世界にモノリスが突如出現して、知恵を授けていくところからスタート。しかも道具を使ったりしていく教育という役目が終わったら姿を消す。このあたりだけは前知識としてなんとなく知っていた。
    そして急に時代は飛び、月の地面の数メートル地下にモノリスが埋まっている発見が。掘り出して太陽光に当てた瞬間に強烈な電磁波が発生するという、つまりは警報装置… こわっ。
    ここでフロイド博士が時間をかけて宇宙ステーション、そして月まで旅するシーンがなんかすごく良かった。話の流れとしては、「月でもモノリスが見つかりました」だけだから月スタートでも良いのに、地球から一人秘密を抱えて移動する博士を追うことで、この時代は宇宙開発がかなり進んでいることがわかりやすいし、そのシーンも丁寧に描写されているので想像しやすい。

    モノリスが見つかったあと、また場面は代わり、土星に向かうディスカバリー号でそこそこ平和に任務をこなす二人と、AIであるHAL9000。
    途中でHALがなぜかおかしくなり、EVAしている人と、コールドスリープをしている3名を殺し、なんとか生き残った一人がAI部分を抜き取ってHAL死亡。
    最初は結局HALがなぜ反旗を翻したかよくわからなかった。読了後にそこだけ読み直したところ、ボーマンとプールには秘密にしていた、モノリスの反応が土星を指し示している、明らかな知的存在の発見と、その探索のために土星に行くというミッションそのもののせいだった。HALはそもそもそのミッションのために存在しているのに、その理由を二人に秘密にしなければいけないという葛藤からミスをし始めていたし、最終的に人間皆殺しを決意するまでになった、と。AIこわぁ〜。
    フロイド博士が主人公かと思ってたけど、ディスカバリー号の章になってからほとんど出てこなくなったな。

    それにしても最後がよくわからなかった。ボーマンが土星のモノリスからワープしてどこかの太陽にある基地に吸い込まれたあと、知的生命により別次元の存在に昇華させられて、太陽系の次のモノリス的存在として、神に近い存在になったという… こと?
    まあ、知的存在が出てきてようこそってなるより、わからない方がなんかそれっぽいので全然良かったし、分かる必要がなさそうな展開ではあった。
    しかし、歓待されるシーンで飲み物の中身が青いムースみたいなものだったとか、本棚から本は取れないとかそういうところが地味にホラーだったな。結果としては、テレビ画面というか電波から再現したからということで安心したけど。

    続編に2010年と2061年があるのか。これは読んでみないと。

  • 映画より詳しく内容について書かれている

  • 映画を観る前に原作読んでおこうと思い手に取った本、結果的には先に映画を観ればよかった。
    映画は退屈で、足りない部分・補完・状況含め小説の方が断然面白い。ただリアルタイムで観た世代は未来へのワクワク感や想像力、映像技術など心に残る一本になったのは理解できる。

  • <目次>
    ・ 新版序文
    ・ まえがき

    ◇第一部 原初の夜
    ◇第二部 TMA・1
    ◇第三部 惑星と惑星のあいだで
    ◇第四部 深淵
    ◇第五部 土星衛星群
    ◇第六部 スター・ゲートを抜けて

    ・ 訳者あとがき

  • Chat-GPTが流行る昨今、改めて読み返すとHALの存在がよりリアルに感じられる色褪せない傑作。機械は現実に自我を持とうとしているのか、それとも人間の知性を模倣する存在に過ぎないのか。何度でも読み返してその時の情勢と照らし合わせたい。

  • 1968年の作。HALとか結末とか、こういう話だとは知らなかった。
    月面基地で、低重力だと子供の成長が早いというのは、そうなの?と思った。

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