さよならダイノサウルス (ハヤカワ文庫 SF ソ 1-3)

  • 早川書房
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150111649

感想・レビュー・書評

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  • 遂に開発されたタイムマシンに乗って、二人の考古学者が白亜紀後期の地球へと旅立つ。狙いはもちろん、恐竜大絶滅の原因を探ること。語り手の考古学者「私」は同行した考古学者・クリックスと妻を巡って浅からぬ因縁があり、微妙な距離感を保ちながら何とか白亜紀末期に到達した。が、そんな彼らを出迎えたのは、現代の地球よりも何故かかなり低重力の地球と二つの月、そして「待ってよう」「はーい」と英語を話す恐竜たち!予想だにしない展開に戸惑いながら、「私」とクリックスはこの時代の恐竜の生態を調査し始める。その過程で現れる謎のゼリー状の生物、謎の飛行物体、謎の天体・・・様々な難関と人間関係をくぐり抜けながら、彼らが辿り着いた恐竜絶滅の真相とは!?

    何 じ ゃ こ り ゃ (爆)
    ネタバレにならないようにあらすじ紹介は最小限に留めましたが、これはもぅ「トンデモSF」のカテゴリーに堂々ランクインと考えて差し支えないかと(←褒め言葉ヽ( ´ー`)ノ)。
    恐竜絶滅の謎に迫るSF、と言ってしまうと有りがちな感じですが、この作品にはワイドスクリーン・バロックさながらの独創的なアイディアがてんこ盛りに盛り込まれています。しかも、てんこ盛りのアイディアが投げっぱなしではなくちゃんと回収されていて、恐竜だけでなく低重力の謎やら○○衰退の謎やら○○○○発生の謎やら、「恐竜SF」の一言では説明しきれない肩幅の広さを見せつける一大エンタテインメントとして奇麗に成立しています。さすがソウヤー。

    が、そんなソウヤーの多才ぶりが良くも悪くも発揮されてしまったか、鴨の個人的な印象では「もっとポイント絞って掘り下げても良いのになぁ・・・」と思ったのが正直なところ。ストーリーは本当に見事にまとまってるんですけど、そもそもの初期設定がちょっと乱暴な感じもあり、かつ所々に挿入される登場人物たちの「人間ドラマ」がどうにも安っぽくて、全体的には小振りな印象です。
    面白くないわけではありませんので、そこは誤解のなきよう!軽いタッチでさらりと読める、肩の凝らないSFをお探しの方にはオススメですね。

  • 「恐竜はなぜ滅んだのか?この究極の謎を解明するために、二人の古生物学者がタイムマシンで六千五百万年のかなた、白亜紀末期へ赴いた。だが、着いた早々出くわしたのは、なんと言葉をしゃべる恐竜!どうやら恐竜の脳内に寄生するゼリー状の生物が言葉を発しているらしいのだが、まさかそれが「***」だとは…!?次次に披露される奇抜なアイデア、先の読めない展開。実力派作家が描く、心躍るアドベンチャーSF。」

  • 古生物学者がタイムマシンで白亜紀末期に恐竜の生態の調査のために赴いたところ、なんと英語をしゃべる恐竜に遭遇してしまう、という荒唐無稽な出だし。
    しかしそこはSF+ミステリの話作りに定評のあるソウヤー。なぜ恐竜はあんなに巨大なのか、なぜ彼らは短期間に絶滅したのかという謎を大きなスケールで描き、ラストに向けてワクワクする展開を見せてくれる。
    なお主要キャラはたった 2人なので、ホーガンの作品のように Wikipedia で登場人物表を随時参照しながら読まなくていいのもうれしい。

  • 再読。
    恐竜滅亡の謎を解明するため、二人の古生物学者がタイムマシンに乗って白亜紀末期に行く、という破天荒な話。
    恐竜が絶滅した訳もさることながら、巨大化した訳も、そこにアメーバ化した火星人が絡んでいるとはねえ。もはや、トンデモ話。
    火星人は今も現代に生き残っていて、新型ウィルスとなって人類を滅ぼそうとしているのかもしれない。

  • タイムトラベルもののSF。恐竜の絶滅した理由を探りに、古生物学者が太古にタイムスリップするというのがメインストーリィ。着いて早々、恐竜に寄生するゼリー状の知性体に遭遇というトンデモ展開となるが、そのことが、恐竜の生態系の謎に次々と解を与えていく様はいかにもSF的な小気味良さ。この知性体の思惑を察した辺りからきな臭くなっていき、その主軸の合間にこの古生物学者がそのタイムトラベルをした自分が描かれる日記を読む章が挟まれることで、彼自身の行く末という謎も生じていく。最終的にタイムパラドックスはもとより恐竜の絶滅すらも説明させる豪腕で収束させるオチは見事。名作SFとして読みつがれるのも頷ける一作。

  • 出だしはかなり普通感溢れていたがヘット登場後一気に没入しました

  • ソウヤー氏初読み。恐竜絶滅の理由を探るために白亜紀へタイムスリップ。たどり着いた白亜紀の地球は月が二つ、重力は半分、ゼリー状の火星人。分かりやすいテーマと、散りばめられた魅力的なアイデアが読者を惹きつける。いや面白い!最近は小難しい作品が多くて、昔のSFを読むときの様なワクワク感を忘れていたが、そんな気持ちを思い出させてくれる良作。ほかの方の感想にもあったが、出てきたアイデアをきちんと使って最後に謎がするすると解けていく様は、ホーガン氏の「星を継ぐもの」を想起させる。SF初心者におすすめしたい。

  • SF。恐竜。タイムトラベル。
    裏表紙のあらすじも一切見ないで読んだおかげで、序盤から突飛な展開に驚き続ける。
    終盤の怒涛の種明かしにも驚愕。
    ティラノサウルス、トリケラトプス、パラサウロロフス、パキケファロサウルスなど、多数の恐竜が登場し、恐竜好きにもたまらない。
    バカSFだとは思うが、個人的には傑作。
    『占星師アフサンの遠見鏡』も良かったし、ソウヤーは自分の好みに合うみたい。

  • 古書購入

  • 恐竜が絶滅したのは、重力が2倍になったから。

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