シビュラの目 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2000年6月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784150113131

みんなの感想まとめ

独特なサイエンスフィクションの世界観が魅力的な作品で、技術と人間の関係を深く掘り下げています。未来の日本やソ連を舞台に、ドラッグによって人格が崩壊したキャラクターや陰謀が絡み合う様子が描かれ、退廃的な...

感想・レビュー・書評

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  • ディックワールド全開でとても面白かった。半生の技術が浸透した世界でドラッグにより人格崩壊した孫娘と陰謀がどこまでまともなんだかよくわからない感じで絡んでゆく『宇宙の死者』がとても「らしく」てお気に入り。今なお実現しない技術と、時代遅れ感のある未来道具の混在、この時代の日本やソ連のもつミステリアスさ、人種に対する考えとかがまた、なんとも言えない退廃感を醸し出してていいかんじ。

  • 待機員:アメリカ版新ナポレオン奇譚
    ラグランド・パークをどうする?
    宇宙の死者
    聖なる争い:ちょうど話題のLaMDAみたい。
    カンタータ140番
    シビュラの目

  • 登場人物がつながっている短編集。宇宙の死者が特に好き。



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    【要約】


    【ノート】

  • 分かりにくいディックの短編特に「カンタータ百四十番」
    表紙   5点野中 昇  浅倉 久志訳
    展開   5点1963-87年著作
    文章   5点
    内容 623点
    合計 638点

  • <昔ながらの中年サラリーマンは疲れているものなのだ!>


     主に中期の短編を集めた作品集♪

     未来のニュースキャスター、ジム・ブリスキンなる男性が、三作に渡って印象深く登場します。人気の秘訣は、よく回る舌と人好きのする笑顔☻ なかなか世渡り上手で、報道の世界から政界へと進出を図るキャラクターです。
     素顔のブリスキンは、わりに平凡な人間かもしれません☆ ニュース映像で見るより実物は少々くたびれた印象みたいですし、マスコミの人間にしては古風な倫理観の持ち主でもある。一仕事終わると飲みに行っちゃったりするライフスタイルも、昔ながらって感じです。
     そして……、何だか疲れてるんですよね。昔ながらの中年男ってのは、黄昏の空気感を醸し出すらしいです★
     というわけで、ジャンルはSFだけどその実態は、いまの時代にもよくいるようなサラリーマンが、疲れながらもお仕事を頑張る仕事人シリーズでした。

     感慨深かったのが『宇宙の死者』。後年に書かれた長篇『ユービック』と『パーマー・エルドリッチの聖痕』を足して、二で割らずに圧縮したような作品です☆ 後にアイディアを長篇に活かしたこと自体、著者自身も気に入っていた証拠ではないでしょうか。個人的に『ユービック』大好き心酔人間なので、特別な気分にさせられました!

     ディックの短篇は、かなり読欲をそそられるものが多いな。あと、小説で読む分には、精神的に病んでいるような作風のモノも、チャーミングなことがあるのです。世界に対する不安と自我の崩壊から、救いを求める。そのうち神秘主義に突っ走ってしまって、クスリをやってみたり、古代ローマから生まれ変わってみたりと、ろれつの回っていないような(?)怪しい作品も続出……★
     それでも、この本に載っているのは、奇をてらうでもなく、まだ意外とストレートに面白い小説、という印象を受けてしまいました。
     ん~、これをストレートだと感じる、自分の感覚が歪んでいる可能性も……!?

  • 短編集
    待機員、聖なる争い、宇宙の死者、シビュラの目。など。
    同時期に見ているPcycoーpassというアニメにシビュラシステムという名前が出て、同著書「アンドロイドは電気羊の夢をみるか」でも作中触れる。関連と比喩を見て行くのが楽しい。

  •  どの短編も引きがあり、面白い。
     その中でも、「カンタータ百四十番」は印象深い。世界観もさることながら、違った色の話を編みこんでいく流れは読んでいて小気味よい。

  • ジム・ジャムが登場する三作品が気に入った。『ラグランド・パークをどうする?』はSF云々関係なく、ジャンル興味ない人でも楽しめるんじゃないだろうか

  •  ディック作品集全6篇。ほぼ1年ぶりのディックでとても楽しみ。短編集のようでそれぞれが同じ世界同じ登場人物という不思議な物語だ。ディック節はあまり見られず、がっかりのような新鮮なような、複雑な感想だ。

     戦争開始プログラムを起動するコンピュータを壊れたと判定し解体すると・・・とか、なかなか一般受けしそうな物語もあるし、作者の私小説風の未来を見る表題作などもあるが、総じて佳作レベルかな。

  • 2008年11月19日読了。読むのは2回目かな?久しぶりに読んだディックの短編集。妙なサイ能力を持つ歌手ラグランド・パークの話など、ディストピアを描きながらも奇妙なユーモアがまぶされているのがディックならでは。脂の乗ってきた中長期の作品ということで、初期短編ほどのキレはないがまあ楽しめた。

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著者プロフィール

1930年生。英米文学翻訳家。大阪外国語大学卒。主訳書にヴォネガット『タイタンの妖女』、ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、ラファティ『九百人のお祖母さん』、ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』(以上ハヤカワ文庫SF)、著書に『ぼくがカンガルーに出会ったころ』(国書刊行会)。2010年没。

「2022年 『SFの気恥ずかしさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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