ハイペリオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

制作 : Dan Simmons  酒井 昭伸 
  • 早川書房
3.85
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本棚登録 : 722
レビュー : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150113346

作品紹介・あらすじ

迫りくるアウスターの脅威と、殺戮者シュライクの跳梁により惑星ハイペリオンは混乱をきわめていた。連邦政府より命令をうけ、この地に降りたった、神父、軍人ら経歴もさまざまな七人の男女は、一路"時間の墓標"をめざす。その旅の途上で明らかにされていく、数奇な宿命を背負う彼らの波瀾にみちた人生の物語とは…?あらゆるSFの魅力を結集し、卓越したストーリーテリングで描く壮大なる未来叙事詩、ここに開幕!ヒューゴー賞・ローカス賞・星雲賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 時は28世紀、転移システムとホーキング航法の確立により銀河系内に系図を拡大した人類は連邦政府を設立し、支配する宙域を<ウェブ>と名付け、巨大なAI複合体<テクノコア>との共生関係の下に繁栄を謳歌していた。しかし、<テクノコア>でさえも把握することのできない不確定要素とされる惑星ハイペリオンでは、謎の遺跡<時間の墓標>が開き時空を超えた破壊者シュライクが解き放たれたとの噂が流れ、大混乱に陥っていた。
    時は折しも、宇宙の蛮族アウスターがハイペリオン目指して侵攻を開始する。辺境の一惑星に過ぎないハイペリオンを狙うアウスターの目的は、<時間の墓標>と関係するらしい。アウスターよりも早く<時間の墓標>に到達して混乱を最小限に抑えるべく、連邦政府は7人の男女をハイペリオンへと送り出す。急速に崩壊していくハイペリオン社会を目の当たりにしつつ、様々な困難をくぐり抜けて<時間の墓標>に近づいていく7人の運命は・・・?

    この作品、分厚い文庫本2冊組に生頼範義画伯の気合い入りまくったカバーアートがバーン!といった感じで見るからに押し出しが強いんですが(笑)、構成は<時間の墓標>を目指す男女の巡礼7人が語る各々の身の上話が中心となっており、実質的に中編6本+インターリンクの連作集となっています。見た目から受けるイメージよりもサクサク読み進められます。

    読んでみて意外だったのは、作者ダン・シモンズのSFに対する理解と思い入れの強さ。ホラー作家だと思い込んで読み始めた点も影響してるんですが、予想以上に「ちゃんとSF」していて、かつ幅が広いことに驚きました。巡礼の身の上話6編は、それぞれにサブジャンルの異なるSFとして成立しており、「司祭の物語」はSFホラー、「戦士の物語」は戦争SF、「学者の物語」はちょっとセンチメンタルな時間SF、「探偵の物語」はサイバーパンク・・・と、SFショーケースの如き様相を呈しています。こなれたSF者なら「あぁ、これはあの作品当たりからインスパイアされてるな」とにやりとしながら読み進められますし、SF初心者なら正に万華鏡を覗くように様々なSFサブジャンルの「いいとこ取り」を体験できるはず。
    そしてなによりも、リーダビリティが高い!舞台となる未来社会の強固な構築ぶり、主要キャラの際立って個性的な造形、歴史から社会構成まで計算された各植民惑星の緻密な描写。愚直なSF作家なら、これらの舞台設定を描写するだけでいっぱいいっぱいで生硬な話になりそうですが、そんな「いっぱいいっぱい感」を微塵も感じさせない職人芸的筆運びが素晴らしい。ストーリー展開と平行して時折登場する、はっとするほど美しい情景描写も見ものです。冒頭の<聖樹船>の幻想的な描写を読んだだけで、「あぁ、このSFは面白いぞ!」と確信できましたもんね。絢爛華麗で外連味たっぷり、躍動感溢れる酒井氏の訳文の力も大きいですね。

  • 巡礼の物語がそれぞれ読み応えあり。これ、四部作なのを知ってて読まないと欲求不満になりそうだな(笑

  • ヒューゴー賞、ローカス賞、訳:酒井昭伸、解説:武田康廣、原題:HYPERION(Simmons,Dan)

  • やばい…。学者の娘の話にもっていかれた。
    私にも娘がいるから、涙なくしてこの話は読めない;;
    辛い。胸が痛い。
    どうか、この子が助かってほしい。
    あとの探偵の話は、さっぱりおもしろさが分からなかった。BBのことは、かわいそうでならないのに、あっさりとした描写で終わっているし、主人公の探偵とAIに「お前ら、それでいいの!?」とつっこみたくなった。
    領事の話は、もっとおもしろくなかった。
    極めつけは、最後、
    全く何も解決しないで終わった。呆然。
    ハイペリオンの没落を読まねば。

  • ハイペリオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

  • 面白かった。が、まだ完結しないとは、予想外だった。急いで、ハイペリオンの没落を読まないと!

  • ハイペリオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

  • SF読みでない人にはしんどいかな、ということで★★★★。

  • 上巻に同じ

  • 時を超越した殺戮者シュライクを封印する時間の墓標が開き始めたんで、7人の巡礼者を集めて行ってみた。
    的な話です。

    シュライクとの因縁とか関わりを3人が順番に語るだけで終わった上巻。
    下巻の目次を見た時点で残り3人が語って終わりだと分かった。

    つまり、一人は脱落するわけか、と言うことも分かった。

    そして悟った。
    この作品は「シュライクとの過去を語り、倒す手立てを見つけて戦う冒険スペクタクル」ではなく、『シュライクとの過去を語ることで、様々な惑星や文化圏でのヒューマンドラマを楽しむ』作品なんだ、と。

    そう割り切ったらまぁ少しは楽しめました。

    シュライクいらねーじゃん!と100万回心の中で叫びながら、ね。

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