- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150113476
感想・レビュー・書評
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いつか読もうと思っていたら、刊行十数年も経ってしまっていた......
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図書館で目にとまり、訳者を確認すると、2001と2010と同じ伊藤典夫が訳していたのでいたので、読んでみた。
訳者を確認した理由は、2061の訳者が、2001と2010と違い、2061を読んでいて苦痛だったから。
3001はあまり面白くなかった。
2001と2010に比べると格段に落ちる気がする。
前半の軌道エレベータなどの件は、特に物語と関係もなく、読み飛ばしても何ら差し支えない。
「2001年宇宙の旅」「2010年宇宙の旅」と云えば、何よりもまず、モノリスが重要な「役どころ」、そして、HALとボーマン。
「3001年終局への旅」を読む者にとっては、当然、モノリスの意味や、HALやボーマンがどうなったが、気になる。その辺の記述が、どうもいまいち。
「3001年終局への旅」は原作のままの、味付けでは、映画化されないだろうし、たとえ映画化しても、見ないだろうな。
しかし、久しぶりに、2001と2010を思い出した。
小説と映画の感動をもう一度味わいたい。 -
西暦3001年、モノリスは地球上にもエウロパにも発見され、「生命の進化を促進しその成り行きを監視する装置」であることが一般知識として人類に根付いている。そんな中、海王星宙域で冷凍状態の宇宙飛行士フランク・プールが回収される。1000年前のチャレンジャー号事故で一度死んだ彼は、3001年の医療技術によって蘇り、モノリスの監視の下に高度に発展した人類社会を目の当たりにして驚愕の日々を送る。しかし、プールは新しい社会の価値観にどうしても馴染むことが出来ず、かつての同僚・ボーマンの影を求めて木星宙域への旅を決意する。プールの旅の結末は?そして、沈黙の監視を続けるモノリスの思惑は?
う〜〜〜〜〜〜〜ん。
語弊を恐れずに言わせていただくと、このシリーズは「2010年」までで留めておいた方が良かったような気がします。もちろん、ハードSFとしてはきっちりまとめてますしオチもついてますし、これはこれで十分面白いんです。が、「2001年」に漲るあの緊張感、謎めいたモノリスの不気味な存在感、そんな独特の巨視的なサスペンスが感じられないんですよね。
思うに、モノリスの存在やボーマンの行方をクリアに解明し、既知の範囲内で理解できるモノとして描いたことが、良い意味では解りやすく、悪い意味では物足りなさを感じさせることに繋がっているのではないかと。ハードSFですからそのアプローチはもちろん全然有りですし、むしろそうすべきなんですけど、このシリーズに限って言えば、謎は残しておいた方が逆に落ち着きが良いのかもしれませんね。あの「宇宙のランデブー」のように。