イリーガル・エイリアン (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2002年10月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784150114183

みんなの感想まとめ

ファーストコンタクトと法廷ミステリが融合した独特の作品で、エイリアンとの交流が進む中、突如として起こる惨劇が物語の核となっています。アルファケンタウリ星系から訪れたエイリアンたちの一人が、地球人の博士...

感想・レビュー・書評

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  • ソウヤーはミステリと融合したSF作品が多く『ゴールデンフリース』が有名だが、この『イリーガル・エイリアン』はファーストコンタクトものであり法廷ミステリでもあるという世にもめずらしい作品。
    アルファケンタウリ星系から訪れた7人のエイリアン。順調に親善が進んでいるかと思われた矢先、もっとも親しくしていたはずの博士が惨殺死体となって発見される。地球上の道具ではありえない鋭利な切り口やアリバイがなかったことで、エイリアンのひとりをロス市警が逮捕。第一級殺人罪で起訴されてしまう。

    裁判が進むにつれエイリアンの解剖生理、宗教・哲学、地球訪問の真の目的などが明らかになり、最後は予想もしない怒涛の展開。純粋にミステリ作品としても秀逸。『三体』の元ネタなんじゃないかと思われるところがいくつもあり、『三体』ファンなら一度は読んでおくべき。しかしなぜこの傑作が絶版になっているのか理解に苦しむ。

  • 相手がエイリアンなので、絶対に知性を超えた相入れない動機があるはずなのに、人類の司法制度でドンドン弁論が進んでいく喜劇。
    消えた人体の部位、謎の切断、1人足りない乗務員、検事の「判事、これは彼の推論でしかありません!」で何度も話が止まり、まどろこしかったものが、ある種の伏線になっていたとは、そして種明かしもいかにもSF的でぶっ飛んでて面白かった。
    足が4本あるとは言え、サイズや感情の表し方(目でなく頭のフサになっただけ)などは人類とあまり変わらないと思っていたけど、生命の仕組みはやはり異世界人なんだなと思った。
    ソウヤーは、ドロドロした部分が少なく、気持ちよく話が終わるから良い。でも、最後はトソク人がほぼ殲滅されちゃって悲しいな。もっと融和の解決はなかったんだろうか。

  • 当時は価値ある作品だったのかもしれないが、今読むと凡庸だなというのが大まかな感想。
    人間以外の知的生命体を人間の法律で裁くというテーマは面白い。
    ただ、終盤にこのテーマから思い切り脱線して物語が完結してしまったので大幅にマイナス。
    宇宙人の生態系などもそこまで心惹かれる設定ではなかったし、終盤明かされる展開も「三体」ですでに読んでいたので、あっそうという心持ち。
    これ読むくらいなら「ゴリラ裁判の日」とか読んだ方がいい。

  • 殺人ワイヤー!

  • 2023年9月3日読了
    あらすじ︰人類は初めてエイリアンと遭遇した。四光年あまり彼方のアルファケンタウリに住むトソク族が地球に飛来したのである。ファーストコンタクトは順調に進むが、思いもよらぬ事件が起きた。トソク族の滞在する施設で、地球人の惨殺死体が発見されたのだ。片脚を切断し、胴体を切り裂き、死体の一部を持ち去るという残虐な手口だった。しかも、逮捕された容疑者はエイリアン...世界が注目するなか、前代未聞の裁判が始まる。

    感想:個人的に好きなジャンルとして、ミステリー形式のSF(例えば、星を継ぐものなど)があるのだが、本作はSF要素をもったミステリーと感じました。

    あらすじとしは、エイリアンのトソク族は、知的生命体とのコンタクトを目的に最寄りの恒星である太陽の衛生である地球に訪れ、人類とのファーストコンタクトを測る。しかしトソク族の宇宙船はカイパーベルトにある氷体に激突され、故障していた。トソク族は人類への技術供与を条件に修理を依頼し、人類はこれを了承。トソク族は、アメリカ合衆国内の大学寮を住居とすることになる。それから一年程度が経ち順調に修理が進む中、トソク族とのファーストコンタクトにも立会、トソク族との仲も良いクリートという科学者の惨殺死体が見つかる。この死体は片足が、通常では考えられないほど鋭利に切断されていた。また肋骨が押し開かれてあり、開口部には地球上にはないピンク色の物質が付着していた。さらに、眼球、下顎、虫垂が持ち去られていた。現場を操作した警察は、馬の蹄のような足跡を発見するが、これはトソク族の脚の形に酷似していた。また被害者の殺害時刻にアリバイがなかったのは、関係者内でトソク族一名と被害者同僚の科学者だけであった。警察はこのトソク族ハスクを逮捕する。被害者の親友でもあり、大統領の科学顧問でもあるフランクはハスクの無罪を信じ、有名弁護士のライスへと相談をする。

    本作では、いくつかの謎が展開される。一番はクリートはなぜ死んだのか、更に副次的に犯人は誰で、なぜ死体の一部を持ち去ったのか。また高次の謎として、なぜトソク族は地球を訪れたのか、というものがある。この両点が確かな関連を持って解決されるのは素晴らしい点である。また本作は実質的には、法廷劇として展開していくのだが、老獪なアフリカ系アメリカ人であるライスの法定戦術もおもしろく、アメリカの裁判制度を理解するにも良い。ライスは人権派であり、かつ推定無罪の法原則を守る弁護士であり、あくまでハスクの有罪を検察側が明らかにできていない箇所があるという点を陪審員に説得しようとする。シンプルに法廷劇として面白い。

    審理が進むうちに、ハクスは過激派の青年に銃撃され怪我を負ってしまう。その治療の際に外科医が、ハクスに別の手術痕を発見する。この後はその手術痕をきっかけに、ハクスの仕掛けたトリックと意外な動機が明らかになる。

    総じてかなり面白かったのたが、そういえばハクスはなぜ嘘の自供をして、短めの刑期を勝ち取らなかったのだろうか。ハクス以外のトソク人は地球人の皆殺しを企図していたのだから、それでも問題なかったようには思う。人類殲滅を防ぐ破壊工作時に何らかの行動が必要だったのかもしれない。後気になるのが、何州か忘れたが舞台となったアメリカの某州において、トソク族を起訴できるのかということだ。明らかに人間ではないのだから、法制度に則って対応するのは不当ではと思うし、外交官のような対応が自然と思いつつ舞台立ての部分なので野暮なことは言うまい。

  • 宇宙人を一括りにせず、地球人が多様な民族・宗教から成り立っていることの延長としてとらえてあり興味深かった

  • 池澤春菜さん推薦 なにこれレベル2
    被害者は地球人、容疑者はエイリアン!
    って…これ裁判はどうします?

    カラアゲちゃんの運命はいかに…

  • 古書購入

  • 初めてのソウヤー。人気があるのも納得できるおもしろさだった。確かにSF入門書として、結構いいかも。

  • 人類ははじめて地球外生命体と遭遇する。彼らはアルファ・ケンタウリに住むというトソク族。トソク族はある日、突如として地球に飛来し、人類との交流を開始したのである。交流は順調に進んでいると思われたのも束の間、交流を進めていた中心的人物が惨殺される!容疑者はなんとトソク族!さて、ここで地球外生命体を被告とする前代未聞の裁判がはじまる!

    地球外生命体は法律で罰せられるのかという単純な疑問はさておき(たしか作中でも言及されていなかった…はず)、プロットがとってもおもしろそうなソウヤーらしい作品です。加えて、個人的にソウヤー作品で「合わない」と思っている登場人物の情緒的側面が本書では希薄なため、とてもスムーズに読み進めることができました。オチも綺麗にまとまっていましたし、良作かと。

  • 確かにエイリアンが主人公ですが、これがSFでしょうか。前1/5がファーストコンタクト、後ろの少しがエピローグ的な物語、それ以外は全てジョン・グリシャムばりの法廷論争です。やっぱり法廷物に入れるべきか?(苦笑)。それはさておき、面白い。
    冷静になって考えると矛盾の多いストーリーなのですが、著者・ソウヤーのストーリーテリングの上手さでしょう、一気に読ませてもらえます。

  • 解説のとおりソウヤーは面白い
    表紙   6点加藤 直之   内田 昌之訳
    展開   6点1997年著作
    文章   7点
    内容 675点
    合計 694点

  • 宇宙人が地球人を殺害したらどうなるか。SF的に描写している作品。基本的なストーリーは、地球人が殺害され、容疑者として宇宙人が逮捕される。そして裁判にかけられる。登場人物が宇宙人でなければ、普通の法廷劇である。被告が宇宙人になるだけで物語がこんなにも面白くなるのかと驚かされる。宇宙人が被告人席に立つシーンはとてつもなくシュールだ。それがさらにエンターテイメント小説として読者を魅了する。ソウヤーは上手いなと感じるところである。また、ミステリー要素も多く、最後の展開も驚きとともに受け入れた。SFとミステリーの要素をこれほど高次に融合させた作品は珍しいのではないだろうか。ミステリーファンとSFファンの両方に奨められる作品だ。

  • 宇宙人が地球へ来ます。
    殺人事件が起こります。
    法廷劇の幕開けです。

    SF好きも、ミステリ好きも満足できる面白さ。

  • 何度目かなあ、読んだの。
    ソウヤーの著作の中で一番好き。(まだ読んでないのもあるが)
    異星人を、殺人の容疑で裁判にかけたらどうなるか。
    その尋問のシーンも面白いし、展開もいい。
    その割には、ラストどうなったか全く覚えてないので、何度読んでも新鮮なのは、どういうこっちゃ。

  • 非常に面白かった。

    SF小説だけど、
    話の軸は陪審員制にもフォーカスが当たっていて、
    想定している以上の展開をみせる。そういう意味で興味深い。

    この本を買ってしまった所以のひとつに、
    どうしようもなくB級感のある表紙に惹かれたのもあるけれどこれがとても役に立って、
    私の想像力を超えたエイリアンたちの輪郭をはっきりとさせてくれた。
    適度に気持ちわるい。

    もしエイリアンが地球にやってきたとしても、
    目的はなんにせよ、とりあえず彼等くらい紳士的だといいよね。

  • ファースト・コンタクトものであると同時に、エイリアンをアメリカの裁判にかけるという凄い設定の話。法廷の場面が長くて飽きるし、種明かしがちょっと唐突。しかし今までに読んだこと無かった角度の話という意味では面白かった。

  • 面白いストーリー、かつ、明快なストーリー
    後味もいい

    さすがに裁判にかけるまでの部分は、かなりご都合主義で無理を感じるところもあるが、舞台が整うとあとは自然かつ怒涛。

  • くっそ面白かった。

    エイリアンものSFと法廷ものを掛けあわせた傑作。真相に近付く謎解き要素もおもろいけど、それ以上に異星人とのコンタクトや描写が。
    関西から関東までの新幹線内で一気読み余裕でした。

  • ファースト・コンタクトものであり、殺人事件の容疑者となったエイリアンをめぐる法廷ミステリでもあり。そしてこの法廷パートが滅法面白い。陪審制度の前提知識がストーリー上に違和感なく差し込まれていて、人類のための法をエイリアンに適用することの無理やり感と、意外になんとかなるもんだという可笑しみの両方が味わえる。

    陪審員を選定する際、「Xファイルは好きか」「スタートレックは好きか」等の質問で弁護側、検察側ともに自分たちに有利なタイプを見分けようとするくせ、両者ともごりごりのSFオタクはお断りなところも笑える。(たとえば「ミスター・スポックの父親の名前は?」「SF大会に参加したことはある?」にうっかり答えると失格!)

    途中出てくる左右対称という身体構造が人間の倫理観や宗教観の形成に関わっているのでは、という仮定が興味深い。ファースト・コンタクトものというのは他の存在との比較をとおして自分たち人類とはなにかを捉え直すジャンルでもあるんだなと思う。
    読み心地の明るさとラストのにやりとする台詞もいい。おすすめです。

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