- Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150114534
作品紹介・あらすじ
フリーのゲームデザイナー、ステップ・フレッチャーは、かつてはベストセラーのゲームをデザインして金まわりもよく、大学で博士号を取得する余裕もあった。だが、不景気の到来とともに印税収入は激減し、職探しをはじめた。ようやく見つかったのは、コンピュータ・ソフト会社のマニュアル作成の仕事だけ。やむをえず、会社のあるノースカロライナ州のストゥベンに家族で引っ越すが、そこで驚くべき運命がまちうけていた。ローカス賞受賞。
感想・レビュー・書評
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ラストは衝撃でした。いろんな出来事や人間関係に悩まされながらも、懸命に生きる家族の姿も良かったです。信仰が生活の中心にある家族なのですが、宗教に懐疑的な立場からの指摘もあったりで、とても丁寧に書かれた本だと思いました。
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古書購入
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カードのキング風私小説
表紙 6点影山 徹 小尾 芙佐訳
展開 9点1992年著作
文章 8点
内容 930点
合計 953点 -
父親のステップが転職し、フレッチャー一家はノースカロライナのストゥベンに越してきた。
ステップはハッカー・スナックというパズルゲームをヒットさせたことのある才能あるプログラマ。
これまでは、自宅での仕事と、歴史の博士号を取る研究という自由な立場でやって来た。
今度の会社ではマニュアルを書くだけが仕事と言い渡され、驚き苛立つが、当面は仕方がない。直属の上司はいやみな男だったが、実はプログラムに関しては無能らしい。
妻のディアンヌは心の温かい母親で主婦だが、3人の子供を抱えて、さらに妊娠中、めまぐるしく過ごしている。
二男のロビーは無邪気だがやんちゃな盛り。
まだ赤ちゃんのベッツィははいはいをする手がかかる盛り。
8歳の長男のスティーヴィは大人しく頭がいい。学校で友達が出来ないらしく、引っ越したのが気に入らないのではと両親は気にはなっているのだったが…
裏庭で友達と遊んでいると言い出したのが、姿の見えない空想の友達なので、胸を痛めることに。
モルモン教徒の一家という特殊性もあり、今度の教会での役割や人間関係も大きな問題に。
ここにも嫌な女性がいて、ディアンヌはへこまされるのだが、親切な隣人にも恵まれる。そして…? -
美しいが汚くもあり、希望はあるものの非常に重たい家族小説。とことん健気なスティーヴィに涙。ゲームデザイナー(プログラマ)を主人公に据えた数少ない小説のひとつでもある。
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私の好みの問題だと思うけれど、説教臭いし理屈っぽいし、救いがない。子供を感傷の種に使わないでほしい。
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すーっごくおもしろかった。
タイトルからただのミステリーだと思ってよみはじめたんだけど、実のところ、夫婦の、家族の物語でした。
あと、主人公がフリーのプログラマーで。
1983年ころのコンピューター業界を舞台にした話。アタリショックのころ。
今だったらiPhoneアプリの世界になるんだろうなー、みたいな感じ。
コモドール64、彼の職場でのトラブル、契約をめぐるごたごたなんかは、この業界の人にとってはいろいろ楽しめます。
こんなセリフも。
上P18
もっとひどいことになっていたかもしれないのだ。たとえばアップルでプログラムの仕事にありつくとか。
下p22
「あなたは間違っています、ディッキー。そのうちかならずIBMが市場を制覇して、IBMこそ唯一の市場というときがきますよ。」
「アップルを除けば」グラスが言った。「あのがらくた会社は、自分のところのコンピューターがいくら役立たずでもぜったいに消えてなくならないでしょうね」
あと、著者がモルモン教ということもあって、モルモン教の世界がいろいろと書かれていて、それも面白かった。
ごめん、オースン・スコット・カードなめてました。
最後はぼろぼろに泣けました。 -
家族小説+SF小説+ミステリー。最後の展開に涙。