消えた少年たち〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150114541

作品紹介・あらすじ

ステップと妻ディアンヌと三人の子供たちは引っ越した町での生活にだんだんとなじんできた。だが、七歳の長男スティーヴィは、転校した小学校に慣れないせいか、沈みがちになって、弟や妹の相手もせずに空想の友だちとばかり遊ぶようになっていた。しかも、ステップたちの家では奇怪な出来事がつぎつぎに起こりはじめる…連続少年失踪事件にゆれるアメリカ南東部の小さな町を舞台に、家族の愛と親子の絆を描きだす感動作。ローカス賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 「本の雑誌」で推薦されていました。
    力のこもった作品です。
    引っ越してきた一家に、つぎつぎに問題が降りかかります。
    夫、妻、三人の子供…そして新しく生まれてきた赤ちゃん。
    家族それぞれが直面する問題には、ありがちなことだけでなく~日常に潜む悪と狂気が見え隠れします。
    家族同士が愛し合っていても起こる~葛藤や誤解もあり。
    細かい描写の積み重ねには、実生活を一部反映したリアリティがあります。
    人はいかにして問題に立ち向かうべきか?
    勇気を持って大きな問題にも取り組み、素晴らしい作品と言ってもいい。
    かなり重い内容だけど、充実しています。
    こんな風に解決していけるんだね!という部分と。
    他にどうすれば良かったんだろうね…という部分と。
    8歳のスティーヴィのけなげさには涙。
    推理を楽しむ作品ではないですが、事件のモチーフにはミステリ的な要素もあるので。

  • まず最初に書いておきます。
    泣きました。
    でも、文句ならたくさんあります。

    まず、タイトルの『消えた少年たち』。
    上下巻合わせて1000ページ近くになるのに、実際に連続少年失踪事件のことが書かれ出したのは下巻の280ページを過ぎてから。
    そして、それが動き出したのは、430ページ以降。
    で、470ページで作品は了。
    これでは消えた少年たちが浮かばれない。

    ほぼほぼ、両親の思うに任せない社会生活と、育児の苦労。
    会社の人間はことごとく裏に何かありそうだったのに、結局何もなかったね。
    才能のあるコンピュータプログラマーを雇ってしたことといえば、才能の飼い殺しの上に数々の嫌がらせ。
    そんなことに大金を使う会社なんて、早晩倒産するんじゃないの?

    宗教上のグループ内でのマウントの取り合い。
    どう見ても精神に異常をきたしている精神科医の息子。
    幼児性愛だだ洩れの天才プログラマー。
    逆恨みの元スティーヴィの担任。

    怪しい人は多々出て来るも、すべて小者。
    しかも少年失踪の話すらみじんも出てこない。
    さすがにこれは、ひどい。
    『あるモルモン教徒一家の半年』とか、そういうタイトルでいいのでは?

    でもまあ、家族を愛し守ることを第一義にしているステップとディアンヌが、散々スティーヴィを心配しながらも、彼と向き合いきれなかった理由が、次々現れるトラブルメイカーに振り回されてしまったからという免罪符を与えるための、数百ページなのだろう。

    大切な人の、救えるはずの命を、純真無垢な善意の塊のその命を、取りこぼしてしまう。
    どれほどの悔いが残るだろう。

    長男が生まれたとき、あまりにもかわいくて、あまりにもいい子で、この子は2歳までに死んでしまうと泣いた自分を思い出しました。←バカ親過ぎる
    だから、「この本長すぎる!無駄が多すぎ!」と怒りながら、号泣してしまったのだ。
    だって子どもに罪はないもの。(T^T)

  • 古書購入

  • 原書名:Lost boys
    分析屋◆ジューン・バグ◆独立記念日◆ザップ◆友だち◆神◆クリスマス・イブ◆新年

    ローカス賞
    著者:オースン・スコット・カード(Card, Orson Scott, 1951-、アメリカ・ワシントン州、作家)
    訳者:小尾芙佐(1932-、翻訳家)
    解説:斉藤由貴(1966-、神奈川県、女優)、北上次郎(1946-、東京都、エッセイスト)

  • カードのキング風私小説
    表紙   6点影山 徹   小尾 芙佐訳
    展開   9点1992年著作
    文章   8点
    内容 930点
    合計 953点

  • 最後に何故だか知らぬが涙が溢れた。

  • 美しいが汚くもあり、希望はあるものの非常に重たい家族小説。とことん健気なスティーヴィに涙。ゲームデザイナー(プログラマ)を主人公に据えた数少ない小説のひとつでもある。

  • 困難に立ち向かう若い夫婦と子供達の前向きな姿勢が素晴らしい。SFだと思って構えて読み始めると、少し拍子抜けするけれども。

  • 2009/10/12読了

  • 沢山の少年が行方不明になる事件がおきます。
    それでも日常の生活は続いています。
    伏線が沢山あって 最後に・・・
    最低2回は読み返してください。
    今までで一番泣いた本です。

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