- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150114862
感想・レビュー・書評
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『われはロボット』の続編である連作短編集。前作と同様、ロボット工学三原則にまつわるロボットと人間の話になっている。
「お気に召すことうけあい」「危険」「校正」がとくによかった。
「お気に召すことうけあい」では召使ロボットと人のささやかな恋愛感情が描かれる。
「危険」や「校正」ではロボットに人間的な側面が見られる一方で、人間のロボットのような冷淡さも垣間見れる。
陽電子ロボット、力場、惑星間ワープ、アンチロボット団体など、ただでさえしっかりした世界観の上で、さらに話を膨らませるのだから凄い。アシモフの想像力に感心しっぱなしだった。
ロボット賛歌であると同時に人間賛歌でもあると感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「校正」が特に良かった。
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アシモフはsf作家で1番大好きな作家
ちゃんと感想書きたい -
第82回アワヒニビブリオバトル「【往路】お正月だよ!ビブリオバトル2022」第8ゲームで紹介された本です。オンライン開催。
2022.01.02 -
最初に驚愕するのは、実はこれらの短編小説は1950年代(日本の終戦時期)に出筆され、1964年に集約本として出版されたことだ。ハイパー的素晴らしい想像力の著者だ、と言う事だ。
「お気に召すこと請け合い」では近未来の2030~35年は、家庭に入るロボットとして、メイド的存在としてまた一部パートナー的な役割をも課されていく。メイドロボットの人口頭脳は人間とほぼ同等の性能を持っており、やがて人間の「情」「愛」なども感知し、奉仕するが、変わったのは人間の方で、ロボットに対する「愛情」が止めれなくなる。従来のロボットとは人間の労働力不足解消目的で且つ危険で過酷な仕事だったが、頭脳労働からさらに人間的感情を持ち順応性を備えたものに変化する、と言う。この小説でいくと現代からまだ10年以上も先だ。 -
小説
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アシモフさんの作品は
そのロボットのことを
書き込めば書き込むほど
「人間とは 何だろう」
が ますます浮かびあがってくる
しみじみとした情感が漂う
一冊です
「校正」Galley Slave が
秀逸ですね -
マルチヴァクさんの所でアシモフ談義をしたのをきっかけに、久しぶりにロボットものを読みたくなりました。アシモフのロボット物の短編集のうち、もう一冊の「われはロボット」はロボットの盛衰を時代を追って並べたものですが、この作品集はどちらかと言うとその選に漏れた作品を集めたものです。その為かややまとまりに欠ける作品集ですが、最後の4編は私の好きな(そしてアシモフの恋人)スーザン・キャルヴィン物です。
改めて読んでみると、今のSFに比べ単純で、ある意味パルプマガジン的な要素も多いのですが、やっぱり安心できると言うか、そのシンプルな楽天主義がアシモフの持ち味だと感じさせます
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2016年10月14日読了。「ロボット三原則」のアシモフ作品、「我はロボット」よりもさらに時間が経ちロボットが人間社会に浸透し出した頃を舞台にしているよう。未来社会やロボットの描写は流石に古臭い印象は免れないが、「校正」の短編にあるような「ロボットが人間の作業を奪うのでは?」「人間の作業は無くならず、より高次の創造的な作業に集中できるのだ」と言った議論は深層学習などの技術によりAIの論議が盛んになっているまさに「現代」の話題であり、SF的想像力・物事の本質を見通せる力というものは、まさに時代を超えるものだなあ…と感嘆させられる。現代でも人間が50年以上先の未来を想像する力を持ち続けられているのであれば、少なくとも人間の小説家が皆廃業するということはなさそうだ。
著者プロフィール
アイザック・アシモフの作品





