啓示空間 (ハヤカワ文庫 SF レ 4-1)

  • 早川書房
3.50
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本棚登録 : 213
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (1039ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150115333

感想・レビュー・書評

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  • こちらの本を手に取った理由は尋常じゃない厚さでした。Amazonの「本の詳細」によると1039ページ。完全に縦置き自立する文庫本です。

    全体像が見えてこない前半は、描かれる技術やガジェットに興味を置いて過ごし、後半からストーリーを楽しめれば読了できます。

    本書、劉 慈欣「三体」シリーズを読了された方にもおすすめできます。なぜ広大な宇宙にありながら人類は他の知的生命体と交流できないのかという疑問をベースにストーリー世界が描かれていくのです。2000年台の宇宙観にはこうした視点が強かったのでしょうか。

  • 読了。文庫本ながら1000ページオーバーという長大な作品。なぜ上下巻に分けなかったのかと思いつつ読んでみると、そんなに長さは感じさせず、どんどん読み進めてしまうので、まあ分けなくてもいいかな…と思わされてしまった。
    設定がスペースオペラレベルに大きいんだけど、最後の方は壮大すぎて引いてしまうぐらいだった。「2001年」以来の定番のパターンと言えなくもないなとは思った。
    しかし、こういう本こそ、電子書籍化してほしい。過去のそんなに売れてない本だと厳しいのかな…。

  • 啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)

  • 文庫の分厚さに圧倒されるが、内容はちっともダレることなく、最後まで読み切れる。複数のストーリーが絡み合い、謎が謎がを呼び、そして大団円を迎えるという、最高の出来である。広大な宇宙空間を冷凍睡眠でつなぎ、ナノレベル機械とAIが支える舞台は、昔のSFでは味わえない、現代SFならではの素晴らしさだ。

  • 1000ページ超えにびびったが面白くてよかった
    表紙   6点鷲尾 直広   中原 尚哉訳
    展開   7点2000年著作
    文章   7点
    内容 765点
    合計 780点

  •  『啓示空間』という思わせぶりなタイトルに気を惹かれたというよりも、京極堂シリーズを読破した勢いで、このとんでもない厚さに挑発されて購入したようなものだ。
     新世代のスペースオペラであって、あまりハードSF的展開は期待しないほうがいい。運命の糸に引きつけられるように3人の主要登場人物が出会い、何かが起こるというのがプロットの骨子だが、それをこの分量を使って、細部に様々なエピソードとガジェットを詰め込んでやるところが読みどころだろう。迷宮のように先が見えにくくて、先へ先へと読み進まねばならなくなったら、レナルズの術中に落ちたということだ。
     ただ、3人の登場人物ともに灰汁が強くて、感情移入しずらいのが難。絶滅した異性種族とその絶滅理由が重要なアイディアとなるが、これにはそう新機軸はなくて、あっと言って仰け反るようなものはでないので、本書はこの長さを楽しむものではないだろうか。
     しかし、厚さの割に手応えの残らない、この軽い読後感はなんだろうか。それが『カズムシティ』も『量子真空』をいまだに読んでいない理由なのだ。

  • 誰もが思うだろうが、とにかくページ数が多い。1000ページ超えの文庫本って初めて読んだ。だからといって読むのが苦痛にはならない。最初は、場面転換が突然過ぎて迷子になりそうだった。これは、1行空いたところは場面転換があると知れば、何も問題ない。むしろ、小刻みな場面転換がいいリズムとなり、長いストーリーをテンポ良く読ませてくれる。内容もストレートなSFだ。宇宙を行く巨大な宇宙船や滅びた異星文明、機械化された人種、サイバー空間で生きる生命体。SF好きなら心を奪われるガジェットが登場する。堪能しました。

  • 最初、本書を手に取ったとき、1000ページを超える分量にげっそりした。その分時間はかかったが、結構わくわくどきどきさせられ、楽しんで読了した。
    考古学者のダニエル・シルベステが主人公。彼を軸にしたリサーガム星での情勢が流れの一つ。軍隊経験を持つアナ・クーリが、謎の女性マドモワゼルに無理矢理シルベステの暗殺任務につかされるという話がもう一つの流れ。さらに、融合疫に侵されたブラニガン船長が乗る近光速船ノスタルジア・フォー・インフィニティ号の話がもう一つの流れ。この3つが最初はバラバラに始まり、途中から一つになって、読者は後半ぐいぐい引き込まれる。その中で、リサーガム星の古代種族アマランティン族がなぜ滅んだのか、シュラウドの正体、サンスティーラーやマドモワゼルの正体は何か、いくつもの謎が徐々に明らかになっていく。
    話の流れが突然ちょっと飛んで読者を置き去りにするというか、どうしてそうなったのと思わせるような箇所があるのと、先の3つの流れをポンポンと自由に行き来するようなスタイルになっており、そこがやや読みにくい。

  • 長いので、はじめは、心配したが、非常に読みやすく、面白い。まるで、映画を見ているみたいに映像が浮かび、ドラマチックである。映画なら2時間で、終わってしまうが、贅沢な面白い長編映画を見ているみたいだ。作者も面白いが、訳した人もすばらしい。色々、詰め込まれているが、面白かった。

  • 何故に分冊にしなかったのかと思うほどに分厚い。まあそれはともかく、文章は非常に読みやすい。別々の場所で3人の視点で語られる物語も徐々に収束して1カ所に。そして最終的に事態をどうにかしようと活躍するのは3人の女性。宇宙の、知的生命体に対する企みが暴かれた今後は、どのような展開が待っているのか。…しかし次巻もやたらと分厚いんだよねえ。

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