- Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150116064
感想・レビュー・書評
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SF。恋愛。
少女とアンドロイドの恋愛小説。
ストーリー的には特筆することもないような、王道の展開。
だからこそ安心して楽しめる。
主人公の心理描写や、主人公とアンドロイドの甘々な描写は、とても丁寧で、著者の表現力を堪能できるかも。
恋愛小説は苦手で、突飛なストーリーを好む自分にとっては、苦手なジャンルではあるが、それでも十分に楽しめた良作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
恋愛小説だが、壮絶な母娘の物語でもある。
この母に対抗していくジェーンも実は芯が強いような。 -
ラストはなんだかんだ泣いた
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人間だけどロボットだった私が惹かれたロボットは、ロボットとは思えないロボットだった。
確かにジェーンは短絡的で賢いとは言えないけれど、彼女の行動を幼稚なものであると決めつけ、自らを良き母であると思い込んでいるお母さんがとても悲しい。 -
魅惑的なロボット、シルヴァーに一目ぼれした少女が、自分の置かれていた状況全てを棄ててロボットとの愛に生き抜いた物語。
それまでは偉大な母親の庇護の下、何不自由ない裕福な暮らしをしていました彼女が、なにもかもを棄てて母親の支配から抜け出し、スラム街でシルヴァーとの暮らしを始めるという展開。
女手一つでジェーンを育て上げた母親はかなりのグレートマザー。母親に従順だったジェーンが初めて逆らったきっかけが、シルヴァーでした。
支配する母と自立しゆく娘という難しい関係をベースに、思春期の少女が恋に目覚めて親の庇護から抜け出すという流れがダイナミックに描かれます。
十代の頃に読んだら、かなり心引きずられる恋人たちの純愛物語だったと思いますが、実際読んでみると、ヒロインの一目ぼれからのロボットへの入れ込みっぷりと、自分の意志を通すためにエキセントリックに大人をかき回す劇画調の大立ち回りが気になりました。
未成年でありながら、シルヴァーの正式な所有者から半ば強引に自分のものにした経緯もあり、周りに迷惑をかけまくっています。お嬢のわがままをかなり発動しているといったところ。
また、シルヴァーを愛するあまりですが、彼の機械であるという本質は尊重せずに、人間としてのふるまいを求める彼女は、言い直せば自己満足の愛を押し付けているようにも思えます。
それでも、そうした彼女の一途な願いが不思議な作用を及ぼし、シルバーも次第に真実の愛を知っていくという流れ。また大きすぎる母親の影響力から必死に逃れて自立の道を選んだヒロインの行動力がなければ、そもそもこの物語は起こりませんでした。
多分に人間らしいシルヴァーですが、製造されて3年しかたっていない経験の浅いマニュアル頼りのロボット。そしてヒロインは母親の巨額なお小遣いでやりくりしていた世間知らずの16歳のお嬢様。二人きりでひっそりと生きていこうとしても、どうしても社会の影響を受けずにいられません。
そもそもロボットはメンテナンスに莫大な費用が掛かるのではないでしょうか。動力は電力でも原子力でもなさそうですが、なにも摂取しなくても駆動するわけではないと思いますが。気になるところです。
交霊実験のシーンがありましたが、どんなものがよくわかりませんでした。黒魔術的なこっくりさんのようなものでしょうか?
ロボットとのやり取りは恋人同士の甘いものですが、それ以外の人間同士の交流は逆にギスギスしており、落ち着きません。あえて対照的な書き方をしているのかもしれません。
ジェーンはかなりひっかきまわしヒロインで、共感するのは難しかったのですが、彼女の友人クローヴィスの描写が魅力的。
辛口の感想になってしまいましたが、泣ける甘い恋愛ものを探している人にはお勧め。
この作品発刊後、長い年月を経て続編が出たようなので、そちらも読んでみようと思います。 -
あらすじと表紙に惹かれて購入したも、ずいぶん積読していた…やっと読了しました。最高。名作。沁み渡るようだった。泣き虫の甘やかされて育って自分の意見もほとんどない女の子ジェーン。彼女が恋に落ちたのは、銀色の肌をした美しい顔と歌声をもつロボットでした。
恋を通してジェーンが成長する様や、自分で考えて行動するようになるのがいい。それに母から作られた姿じゃない、ありのままの自分の姿になっていくのが。シルヴァーはもうほんとに神秘的で魅力的だった…。彼とジェーンが貧乏暮らしする描写はすごくうっとりできるわ…。ラスト付近は気がついたら泣いていました。