虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)

制作 : 寺田克也  中田 耕治 
  • 早川書房
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本棚登録 : 1158
レビュー : 139
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150116347

感想・レビュー・書評

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  • うーん。古いから仕方ないのだけれど、訳がこなれていなくて読みづらかった。原文が透けて見え、誤訳ではあるまいかという部分もちらほら。しかし文章に勢いはある。

    顔に虎のような刺青を施された男ガリヴァーフォイルが主人公。
    モンテクリスト伯、巌窟王のSF版。
    主人公が好きになれず。なぜそんなことで恨んじゃうのか、とか、誰とも信頼関係を結べないとこもモヤモヤ。巌窟王も後半はあまり好きではなかったが、本作も後半は救いがない感じで読んでいて疲れた。奇想天外な設定は面白かったが、読後感はいまひとつ。

  • まわりの登場人物の性格がよくわかんなかった。
    疾走感はすごい。

  • 漂流した宇宙船のなかに残された最後の生き残りであるガリヴァー・フォイルが近くを通りがかった船に見捨てられたことから復讐を誓う。

    ジョウント、テレパシー、加速装置など数多くのSF的アイデアが登場し、その世界で復讐譚が進行する。アメコミに似た雰囲気があり、また、犠牲を払ってでも復讐を成し遂げるところはハードボイルド、特にミッキー・スピレインのハマー物を思い浮かべた。

    後半の五感がずれるあたりからの疾走感素晴らしく、タイポグラフィにも必然がある。

  •  アルフレッド・ベスターの『虎よ、虎よ!』はもはや半世紀前の作品で、文庫版が出た頃に読んだのだろうから、30年ぶりくらいの再読なのだが、読む側の年齢差から来る印象の違いもさることながら、まったく時代を越えたインパクトがあることを痛感した。当時、ショッキングに感じたところはそれほどでもなく、多義的な結末は現在の方が楽しめた。

     正直、マンガ的である。これは褒め言葉ととっていただいても、貶し文句ととっていただいても構わない。実に『ゴーレム100』とそのあたりは一貫している。コミックスの原作を務めたキャリアが生きているのかもしれないが、それが発表当時は斬新で、今はいささか陳腐、というわけでもなく、時代的な制約を飛び越えてしまっている。ジョウントなる名称で呼ばれるテレポテーションが超能力ではなく、普通の能力として訓練によって習得可能となった社会などという設定にしてからが、実にマンガ的。

     お話のほうは『モンテ・クリスト伯』に想を得た復讐譚。宇宙で難破したガリー・フォイルは宇宙船ヴォーガに見捨てられ、復讐を誓い、惨めな生き物であることを辞める。知力と財力をつけ、「虎」と化すのである。
     「虎よ、虎よ!」とはブレイクの詩の引用だが、万人が超能力者というこの話の中でさらに普通の超能力者を越えるのが「虎」であり、どこかニーチェを思わせる物言いだ。
     それとともに顔に彫り込まれた入れ墨を消したはずが、怒りとともに虎のように浮き出ることも虎の謂いである。石ノ森章太郎のマンガ版『仮面ライダー』はこれに影響を受けている。
     他方、われわれ日本人としては「虎」の謂いに、どこかで「山月記」が反響してくるのも感ずる。
     そして「虎」と化したガリー・フォイルは他の「虎」たち、すなわち、この世界の有力者たちとまみえるのだ。

     しかし、このお話の肝要は野獣のガリーが人間になることである。そのあたりの教養小説的な真面目さが、マンガ的荒唐無稽さを緩和して、ある迫力を生み出しているのだが、ベスターの本質は実はそこではない、と今回思った。彼の本質は雑多さ(猥雑と悪趣味といってもいい)であり、脈絡をいささか逸脱しながら、あちらこちらへとジョウントしてしまうことなのだ。

  • 表紙から凄い。ストーリーは、モンテクリスト伯から 騎士道精神と華やかさを引いて、近未来の終末論を足した感じ

    ウイリアムブレイクの詩の意味は この本よりネット検索した方が、わかりやすかった

    最初から戻って読んでみたら 面白く感じた。フランケンシュタインの怪物の悲哀、カラマーゾフの兄弟の悪人論も盛り込まれていると感じた

  • 1956年(60年前!)に出版され、SFオールタイムベストの常連という古典SF。
    宇宙で難破しているときに、助けずに素通りしていった船に復讐を誓い追いかける。「え?それで復讐?なんか単純すぎない?素通りした船にも事情があったんじゃ・・」とか思ったりしたけど、展開の勢いが凄くて一気に読み終わってしまった。素直に面白かった。古典で名作と呼ばれる本に外れなし、でした。

  • SFの古典。
    サイバーパンク小説の原点でもあるらしい。
    復讐の物語はところどころ破錠しながらも
    ダイナミックに進んでいく。
    細かいことは気にしない。

  • 鬼才が放つ不朽の名作!  らしいのだけど、正直全然わからなかった。原文のせいか訳文のせいか、文章や比喩も理解できないものが多かったし、ストーリーにもまるで面白みを感じることができなかった。登場人物も誰一人魅力的ではなく、その関係性もよくわからなかった。
    唯一驚愕したのはラストのいきなりの急展開と文字の映像化(苦笑)だったが、あまりの唐突さについていけなかったです。。。

  • 復讐を糧として生きる男の劇。余計な説明を挟まないスマートな、読者を信頼した場面切り替えや文章が心地よかった。

  • #ギミックのジョウント能力そのものよりも、その必然として遠距離通信≒ネットが作中でほとんど重要視されない、というのがまず未来SFとして新鮮。瞬間移動して直接敵味方と対面しナマの感情で殴り合う、アクション最優先のこの展開の速さ! タイポグラフィでそのうち言葉そのものまでアクションしちゃうし。

    #また都合の良いヒロイン3人の中でも、オリヴィアのツンデレっぷりは絶句レベル。電磁波で幻視されるニューヨークの爆撃シーンのあとに発端のP33を読むと、彼女はこの時どんな波長でこの光景を見てたんだろって、ホントゾクゾクする。

    (2009/11/17)

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