ゴールデン・マン (ハヤカワ文庫SF ディック傑作集)

  • 早川書房 (2008年3月7日発売)
3.62
  • (10)
  • (23)
  • (26)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 246
感想 : 21
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (335ページ) / ISBN・EAN: 9784150116552

みんなの感想まとめ

多様なテーマを持つ短編集は、読者に新たな視点や驚きを提供します。表題作を含む複数の作品は、フィリップ・K・ディックの独特な世界観を反映しており、特に『妖精の王』や『ヤンシーにならえ』、『小さな黒い箱』...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 《目次》
    ・ はじめに
    ・ まえがき

    ・ 「ゴールデン・マン」
    ・ 「リータン・マッチ」
    ・ 「妖精の王」
    ・ 「ヤンシーにならえ」
    ・ 「ふとした表紙に」
    ・ 「小さな黒い箱」
    ・ 「融通のきかない機械」

    ・ 作品メモ
    ・ ネクスト・チャンス――ディック原作最新映画をめぐって/高橋良平

  • 昭和59年の大晦日に買ったというメモが残っているので、サンリオSF文庫の新刊として出た直後に買ったようだ。「ゴールデン・マン」だけはおぼろげに覚えていた。「小さな黒い箱」が「アンドロイドは電気羊の夢をみるか?」に使われたことは、読んですぐに分かったが、「ヤンシーにならえ」が「最後から二番目の真実」の元になったことは、「作品メモ」を読むまで思い出せなかった。「融通のきかない機械」も、他の作品で使われていたような気がする。マーク・ハースト編。1984年12月30日発行。定価520円。
    収録作品:「はじめに」(マーク・ハースト、朝倉久志訳)、「まえがき」(フィリップ・K・ディック、浅倉久志訳)、「ゴールデン・マン」(友枝康子訳)、「リターン・マッチ」(友枝康子訳)、「妖精の王」(山形叶子訳)、「ヤンシーにならえ」(小川隆訳)、「ふとした表紙に」(小川隆訳)、「小さな黒い箱」(朝倉久志訳)、「融通のきかない機械」(剛田武訳)、「作品メモ」(フィリップ・K・ディック、朝倉久志訳)、「現代文学としてのディック」(日野啓三)

  • 映画”Next” の原作

  • 表題作ゴールデンマン
    ここまで的確に女を描いている男性作家の作品を、私は思いつかない。
    妖精の王
    どんな暗い結末かと思いきや、みんなの悦びを感じちゃって、心温まるエンディング。
    ふとした表紙に
    ワブ。見たい。絶対かわいいはず。
    ヤンシーにならえ
    全体主義はこうして作られるのかと怖くなった後、いや意外にみんな平和で幸せなんじゃないかと思いつき、本作いわく「真に成功した全体主義国家」、はは、この国のことか?とちらと思いました。

    ディックのまえがきだけでも読み甲斐がある傑作集。

  • とにかくまえがきが素晴らしい。

  • 表題作の『ゴールデン・マン』を基にした映画「ネクスト」を観ていたので、原作も読んでみようと思い購入した。
    ちなみに映画版のレビューもブクログで書いているが、一言で言うとつまらなくて飛ばし飛ばし観た。
    そして今回原作を読んでみて、内容がまっっったく違うので驚いた。
    原作をそのまま映画化した方が絶対面白いものになっただろうに。
    個人的に楽しめたのは、『妖精の王』『ヤンシーにならえ』『小さな黒い箱』の三作品。
    『妖精の王』は、ディック本人があとがきで述べている通り、SFではなくファンタジーの短編。ディックってこんなのも書けたんだ……と純粋にびっくり。
    『小さな黒い箱』は、ディックの代表作である『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の基となった作品で、これを読むと久しぶりに電気羊を読みたくなった。
    全体的に充実した短編集。

  • 数十年振り?に読み返してみたけど、やっぱり面白い。荒唐無稽な内容でも頭の中に映像が浮かぶので、グイグイ読めてしまう。これは訳が上手いのか?それとも単に相性の問題?他の作品もまた久々に読み返したくなる。それにしても表題作が原作?原案だという映画はちょっと違い過ぎ。一番重要な骨子が使われてないってどうなの?と思う。

  • 映画「NEXT」の原作をはじめ、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」「最後から二番目の真実」といった長編作の着想元となった作品を含む全7編を収録。

    著者の作品を語るにあたって、マーク・ハースト氏が冒頭で次のように述べてます。
    「彼の小説の登場人物は、午前四時ごろに近くの<セブン・イレブン>で出会うような人たちだ。しかし、彼らのみにしばしば起こる出来事は、ゴキブリの身にさえ起こってほしくないような種類のものだ。」
    この表現が言い得て妙だなぁと感心。
    彼の作品で起こる出来事は、確かに途方もないことばかりなんですが、なぜか現実との近さを感じるのです。どこかで形は違えど、同じような類いの出来事が発生しそうな。
    だから、読中はいつも不安な気持ちになるんですよね…まるで、踏みしめる地面がいきなり大穴をあけたような…

    そんな平衡感覚が失われる作品は本書でも健在。
    楽しめたのは、「妖精の王」「ヤンシーにならえ」「小さな黒い箱」「融通のきかない機械」あたり。
    特に、「ヤンシーにならえ」と「小さな黒い箱」は、長編小説の礎になった(前者が「最後から二番目の真実」で、後者が「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」)だけあって、着想がユニークでした。次は未読の「最後から二番目の真実」を読んでみようかな。

    ちなみに、著者自身が「まえがき」と「作品メモ」で、彼の考え方や作品への思いを語ってくれるので、かなりおすすめです。むしろ、これだけでも読む価値があるといっていいほどかと。

  • 「ゴールデン・マン」
    「リターン・マッチ」
    「妖精の王」
    「ヤンシーにならえ」
    「ふとした表紙に」
    「小さな黒い箱」
    「融通のきかない機械」

     「ゴールデン・マン」以外は初読。
     どれもこれも面白い作品ではあったが、「妖精の王」は何やら他とは違った味わいを感じた。
     「リターン・マッチ」は映像化すると、また上のステージに昇華しそうな作品。

  • 過去に読んでいた・・・でもディックの作品は面白い

  • 『ゴールデン・マン』
    アメリカ各地にひそむミュータントたちを狩りだす組織DCA。ナット・ジョーンズの長男クリスを捕える男たち。それまでに見たことがない黄金に光る体を持つクリス。未来もすべて知っているクリス。彼を研究するDCA。人類の次に来る新人類たるミュータントの存在。クリスを抹殺しようとするDCA。DCA内部でクリスを助けるアニタ。

    『リターン・マッチ』
    大ロスアンジェルス警察のティンベイン刑事。宇宙人が開く賭博への強制捜査。宇宙船の噴射で証拠を隠滅する宇宙人たち。潜入させたヒューマンロボット達が守った証拠はピンボール台。研究所でピンボールを実際に行ってみるが・・・。ティンベインに迫るピンボール。

    『妖精の王』
    街道付近でガソリンスタンドを営むシャドラック・ジョーンズ。ある雨の日に輿にのった妖精の王と名乗る人物と2人の兵士を自宅へ招き入れる。雨に弱った妖精の王は翌日死亡しジャドラックを妖精の王とする遺言を残す。トロールの攻撃にさらされる妖精の国。王としてトロールと戦くジャドラック。

    『ヤンシーにならえ』
    全体主義的な思想が広がり始めた衛星カリスト。調査に赴いたタヴァナー。革命や大きな動乱がないものの一人の人間の意見によってすべてがコントロールされているような印象を受けるタヴァナー。すべての物にコメントをするヤンシーという謎の人物。タヴァナーの元を訪れた男の語る作られたヤンシー。

    『ふとした表紙に』
    オベリスク・ブックス社の社長マスターズのもとを訪れた人びと。彼の会社が出版した本の内容が原本と変わっている。ワブの皮で装丁された本の謎。死ぬことがないという動物ワブの謎。表紙にされても意思を持ち生き続けるワブ。

    『小さな黒い箱』
    地球上に広がる新興宗教マーサー教。画面に映し出されるマーサーの行動。死に至るとされるマーサー。信者たちが持つ黒い箱。マーサーを調査するうちに引き込まれるレイ。黒い箱をめぐり動く警察と謎の人物。

    『融通のきかない機械』
    侵入した謎の機械に殺害されたハーミー・ローゼンバーグ。事件現場でアッカーズが発見した小型のテレビのような物。ハーミーのライヴァル・チロルの訪問で動き出した機械。

  •  表題作が一番好き。反射を能力として活用しているところが新しいし、女たちが彼を助けることが計算に入っているのもいい。半世紀くらい前の作品とは思えない。その他「小さな黒い箱」が好き。

  • 短編集。

    これに収録されている「妖精の王」という作品を、ディズニーがアニメ化ずるというのを数年前にきいたので、読んでみました。
    ほかに収録されてるのはSFなんだけど、これだけファンタジーなのよね。

    で、「妖精の王」を読んだのですが、このままだとなんか暗くて読後感もよくないし、あ~んまりディズニーアニメには向かなさそうな気がします。
    たぶん、「プリンセウと魔法のキス」みたいに、『普通の人が突然、妖精の王になる』というアイデアだけうただいた、全然違う話しにするんじゃないかと思われます。

    てか、すでにこの企画が頓挫している気もしないでもない。
    続報を聞かないし…。


    他に収録されている短編は、なんかどれも最初、世界観がつかめず何が何だかわからなくて、それがなんとなく飲み込めてきて、おもしろくなってきたな…って思った頃に、さらっと終っちゃうんだよね。
    その後、どうなるの?ってところで…。
    それが良くもあり、悪くもあるかんじです。

  • 50ページに満たない短い話を集めた短編集だけどどれも面白い。

    私が好きなのは「ヤンシーにならえ」と「小さな黒い箱」

    「ヤンシーにならえ」
    ジョン・ヤンシーは国民の誰よりも愛されて、崇拝される男だった。
    テレビで毎日放送される彼のおしゃべりには誰もが聞きいり、共感する。

    猫より犬のほうがよい、砂糖を少しまぶさなければグレープフルーツは酸っぱすぎる、早起きはいいことだ……。

    人々はヤンシー真似をしたがり、いつしかヤンシーのクローンになってしまう。
    しかしヤンシーの演説の裏にはある思惑があり……。

    皆が共感して自分の指針にしたがるメッセージに説得力があるのは、その言葉が正しいからではない。
    ただ皆が誰かに決めて欲しい・言われたい言葉だからなのだ。

    でも人々は誰かの言う自分に都合のいい言葉を「正しい言葉」だと思いたがり、その通りに生きていく。
    自分がしたいことを、誰かの「こうすることは良いことだ」って言葉で裏付けされないと出来ない。人間はか弱いなぁと思う。

    「小さな黒い箱」
    『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の中でも印象的だったアイテム<共感ボックス>がメインのストーリー。

    共感ボックスとは、取っ手を握ったものが教祖であるマーサーという老人に<共感>し、彼の感じた痛みや苦しみを同じように味わうことができるという道具。
    世界中の教徒が同時に共感ボックスを利用することで、マーサーの痛みを共に味わうことができる。
    痛みは共感ボックスを使った人の肉体にも直接影響し、マーサーが重傷を負った時には教徒たちもみんな重傷を負うことになる。

    その危険性から共感ボックスの使用は禁じられてしまうが、法律に違反してまで痛みを得ようとする。
    だけど、映画やジェットコースターなどであえて恐怖体験を得ようとする私たちの娯楽を考えると、マーサー教徒が共感ボックスを欲しがるのも不思議じゃない。
    肉体の痛み・心の痛みを感じなくても生きられる世の中では、痛みを感じることこそが「生きる」ことを体感できる最高の贅沢になるのかもしれない。

  • 「妖精の王」からの後半5編がお気に入りです。

  • 短編集。
    表題のゴールデン・マンは映画になったそうだが、金色じゃないって何それもう別物?
    どれもちゃんと落ちが付いてて好きだ。

  • ひとまず個人的な趣味の話をすると、短編集の方がテンポが良くて読みやすく、楽しめると感じました。
    オチを知りたくなる人なので・・・

    【ゴールデン・マン】
    見目も才能のうち、ということか。
    彼らが優占種っぽくなると、伊藤計劃さんの『ハーモニー』で触れた世界に近づくのだろうか。

    【リターン・マッチ】
    宇宙人さん、その発想はありませんでした。
    賭博に命かけてますって感じですね。

    【妖精の王】
    これは・・・そのまま素直に読んで良いの・・・かなぁ。
    うん、素直に読むと面白い。すごくファンタジーです。

  • 全体的なトーンが、SFというよりは政治体制や宗教等のより普遍的なテーマの色合いが濃くなっている感じがする短編集。

    それにしても、思わず寒気が走る世界観は健在。
    「小さな黒い箱」
    「ヤンシーにならえ」
    は、皮肉が効いてておもしろいなぁ。ディックの現代社会を見つめる皮肉の目が、恐ろしい。

  • 短編集。
    ゴールデン・マン
    リターン・マッチ
    妖精の王
    ヤンシーにならえ
    ふとした表紙に
    小さな黒い箱
    融通のきかない機械

    映画『NEXT ネクスト』の原作を収録。でも、主人公から“金色に輝く神々しさ”を取り去ったら別の話になってしまうのでは…。

全19件中 1 - 19件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1930年生。英米文学翻訳家。大阪外国語大学卒。主訳書にヴォネガット『タイタンの妖女』、ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、ラファティ『九百人のお祖母さん』、ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』(以上ハヤカワ文庫SF)、著書に『ぼくがカンガルーに出会ったころ』(国書刊行会)。2010年没。

「2022年 『SFの気恥ずかしさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浅倉久志の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×