遠すぎた星 老人と宇宙2 (ハヤカワ文庫 SF ス 17-2)

  • 早川書房
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150116682

作品紹介・あらすじ

コロニー防衛軍のなかでも勇猛果敢で知られるゴースト部隊の隊員は、防衛軍に志願したものの、軍務につくまえに死んだ地球人のクローンで構成されている。だが、新たに部隊員となったジェレド・ディラックは、天才科学者ブーティンの遺伝子から作られたクローンだった。恐るべきエイリアン種族と手をくんだ裏切り者ブーティンの情報を得るべく誕生させられたディラックの熾烈な戦いと数奇な運命を迫真の筆致で描く話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 「老人と宇宙」の続編。ただし、本作には前作の主人公、ジョン・ペリーは登場しない。

    本作のメインキャラはジェレド・ディラック。コロニー連合を裏切った天才技術者、チャールズ・ブーティンの意識を移植するために造られたクローン。だが、移植されたブーティンの意識は現れず、特殊部隊の新兵が一人誕生しただけだった。ジェレドの上司は、ジョン・ペリーと深く心を通わせたジェーン・セーガン中尉。ブーティンの意識が目覚めるか慎重に監視され続けるジェレドに、黒いジェリービーンズをきっかけとして変化が現れる。

    ブーティンがコロニー連合を裏切った理由は何か。「コロニー連合が絶えずつづけている戦争が、外敵との競争のためではなく、みずからの偏執と異種族嫌悪のため」なのか? 本作は、政治マターには深入りせず、ジェレドやセーガンの作戦行動を中心に描いている。この辺りについては次回作以降に期待かな。

    半ば戦闘マシンのようにして造られたジェレドが、自我を確立していく過程や、脳に埋め込まれた高性能コンピュータ、ブレインパルのネットワークに時限起動式のウイルスの感染を広めようとするブーティンの戦略など、読み応えの多い作品あった。

    三作目も読まないと!

  • スコルジーの二作目。前回作に勝るとも劣らず、面白い。なぜ裏切ったのか、クローンということはどういうことなのか。意識を転送するとは?自我とは?軽快な語り口を快調に読み進んでいくなかでも、ところどころ立ち止まって考えたくなるテーマが出てくる。三作目も楽しみ。少し、前作から時間を開けて読んでしまったのが、後悔。世界観は密接にからみあっているので、一気に読んでしまうことがオススメ。

  • 評価:3.0 3.0 読書タグ: SF 歴史 小説
    ううん、1作目ほどの傑作ではないかな?
    そもそも「老人」は登場しないし・・・
    むしろ、一歳? 0歳?児
    設定が結構ややこしくなっているので
    ちょっと
    前半の説明がダルいんですが、
    後半一気に盛り返して
    手元から手放せなくなりました

    作中でも触れられているように、パクリとかではなく
    はっきりと「エンダーのゲーム」の世界を
    リスペクトして、意識しているので
    せっかくの本歌取り

    ああいう膨大な哲学世界を構築してほしいものです

    ただ、
    エンダーの場合には作者のモルモン教徒の哲学が色彩強く反映していたので
    あのような特殊なバックグラウンドがないとなかなか追いつけないかもしれないなあ

    それでも、お勧めの一冊
    続きでは、あの老人軍団はどうなるのか
    ちょっとワクワク

  • 老人と宇宙もおもしろかったけど、こっちもとても面白かった。死んだ人間の遺伝子から作られた「ゴースト部隊」の設定っておもしろそうだなーと前作から思っていたら、今回はゴーストのゴーストたるところを十二分に活用した設定で最後まで引っ張る引っ張る。異星人と組んだ裏切り者の天才科学者のクローンとして生まれたディラック(1歳)が、自分の前世(?)の記憶と自分として生きてきた自意識との間で成長していき、やがて大きな「選択」をする。人間らしさとは?とか魂とは?とかユーモアとは?など、いろいろ考えさせられる。
    あと、いかにもデジタルネイティブな世代のSFだなとも感じた。

  •  いやぁ……設定が本当に凄いですねこの話は。特殊部隊の考え方とかオービン族のこととか、今作は精神的な部分も深くて面白かったです。最後のスマートブラッドの活用にやられました……!

  • 前作からすぐに今回の作品を読んだが
    登場人物の描写がとても上手く感情移入させられる話であった
    主人公や登場人物など魅力的であり
    話の中のジョークはクスクス笑えて面白かった
    読み終わった後の清々しい気持ちを感じることができた

  • 新しい肉体に意識が移植されず、DNAだけは元ヨメと遭遇な第2作。元ヨメキャラが男前(笑

  • 老人と宇宙の続編。前作に出てきたジェーンも出てくる。

    前回が夫婦の物語だとしたら、今回は親子の物語になるのかな。

    それと、自分探しの旅。

    特殊部隊の人間は成人した状態で生まれてくるわけだけど、
    正義や道徳の概念はどうやって定着させているのかと疑問に思った。

    それも、テンプレートの人格である程度は補えるものなの?

    善悪の判断や、社会におけるマナーとかって、子供のときから少しずつ身に着けていって、
    ようやく10歳くらいである程度まともになるんじゃない??
    と、自分自身の成長の記憶や、自分の子供を育てた経験から思った。

    なんか、そういうところはこの小説はご都合主義で逃げているよなーと思わざるを得ない。

    特殊部隊は、哀れだと思う。

    彼ら自身にその自覚はなくても、いったん退役して普通の体になって子供をもうけることがあったら、
    いかに自分たちが非人間的な扱いをされてきたかを、ようやく理解するのではないか。

    ほとんどの特殊部隊の人が気づく前に戦争で死んでしまうのだろうけど。

    次はラストコロニー。どういう邦訳がついているのかはまだ知らない。主人公がジョン・ペリーに戻るらしい。

    蛇足。130p、R・ダニール・オリヴァーとあるが、オリヴァーなの?
    オリヴォーだと思っていた。誤訳?
    このシリーズ、誤訳と言うか、邦訳の際のミスが多くて、その点だけイラっとする。

  • 時系列的には1の続きだが、1の登場人物の続きの物語は3なので先に3を読んで次にこれを読んだ。3を読むのに2は不要だが、3への伏線は2に描かれている。
    話はおもしろいんですけどね。死人の遺伝子利用でよみがえらせたボディに意識を入れ込むってどうなんだか。最後は本人が望んだこととはいえ、そんなに簡単にポイできるのだろうか。その責任をたらい回しにして結果そうなったんだけど、どこか浅いんだよね。ということで星は3つ。
    話とは関係ないけど、この内容でこの表紙は変だし、タイトルも、直訳だと魅力ないけど内容とも合ってない。

  • 単独では普通だが、シリーズとしては必要な部分
    表紙   6点前嶋 重機  内田 昌之訳
    展開   6点2006年著作
    文章   7点
    内容 645点
    合計 664点

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