ディファレンス・エンジン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

制作 : William Gibson  Bruce Sterling  黒丸 尚 
  • 早川書房
3.47
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本棚登録 : 312
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150116781

作品紹介・あらすじ

カール・マルクスはアメリカでコミューンを立ち上げ、渡英した福沢諭吉や森有礼たちは、蒸気コンピュータを輸入するために画策する。ロマン派の詩人ジョージ・バイロンは英国で首相となり、詩人ジョン・キーツは蒸気映像作家として活躍する…蒸気機関が夢見る鏡合わせの19世紀で繰り広げられる、幻想と爛熟のモチーフに彩られた傑作歴史改変SF、ここに再臨。巻末にはアイリーン・ガンによる「差分事典」増補版を収録。

感想・レビュー・書評

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  • サイバーパンクとかスチームパンクとか全然知らないうえに歴史もからっきしだから非常に厳しかったけど、そういうの押さえてたら物凄く楽しいんだろうなあ…っていうのは伝わった。

  • 伊藤計劃、円城塔、ゲイル・キャリガー…
    他のサイバーパンク、スチームパンクをぐるっと回ってから記念碑的作品とやらにたどり着く。
    んー、欲張ってもキリが無いのは判っているのだけれど、近現代史がもっと頭に入っていれば、もっともっと楽しめたんじゃないかと思ってしまうんだよな。

  • 円城塔を契機に読んだ作品だったが、これを読むと彼の『Self-Reference Engine』や『屍者の帝国』が如何に本作の影響下にあったかがわかる。その意味で読んでよかった。

    ただ、同様に19世紀のフィクション、ノンフィクション織り交ぜた歴史改変である『屍者』を楽しめた一方、本作で理解が及ばない部分も多かったのは、偏に教養の無さ故だろうなと。もう少し19世紀史を事前に振り返っておくべきだったかと思う。

    全体的な解析機関を巡るSF的アイディア、作品構成自体は非常に好み。

  • ウィリアム・ギブスンとブルース・スターリングというSF小説の巨匠二人による共著。スチーム・パンク、サイバー・パンク、歴史改変SFの古典的名作として名前をよく聞くので読んでみた。けど、とにかく読みにくい。『ニューロマンサー』もかなりキツかったけど、歴史的な背景知識がないからか尚の事。

    でもこの手の古典はなんとか理解したいという思いもあるので、いつかまたチャレンジしてみようかな。

    1855年ロンドン。蒸気機関が発達し、現代で言うコンピューターのような位置づけになっている世界。

  • 久しぶりに、最後まで読めなかった本になるんだろう。名作と言われて手に取ったはいいけど、描かれる物語は最果てまでいかないのではないか。という印象がつきまとう。
    歴史改編ものなのにもかかわらず、もとの歴史をよく知らない。という読み手の甘さは否めない。けど、それを差し引いてもあまり楽しめなかった。
    なんだろ。読み方として間を開けすぎているというのもあるのだろうけど。こんなに楽しめなかった本は久しぶりだ。
    もう少し大人になってまとまった時間がとれるようになったら読み返そう

  • 2015/4/12読了。
    単行本が刊行された1991年に読んで以来、およそ24年ぶりの再読。当時は面白さがまったく分からなかった。だから再読というより再挑戦だ。
    初読時に面白くなかった理由は明らかで、19世紀の西洋史や科学史の知識を僕がほとんど持っていなかったからだ。今回は付け焼き刃でも構わないから最低限の勉強をしてから読むことにした。
    とりあえず下巻巻末の「差分事典」の全項目をiPhone片手にGoogleの検索窓に打ち込んで、ネット上の関連情報を読み漁ってみた。24年前に同じことをやろうとしたら図書館に通い詰めて重い百科事典と格闘せねばならなかったろう。24年寝かせておいた甲斐はあったということになる。
    この勉強の結果として得た知識もさることながら、実はスマホ検索という方法によって体験した以下の二つの感覚が、本書の読解にはとても役に立つような気がした。
    蒸気コンピュータの19世紀を描いて20世紀に刊行されたSF作品を読むために、21世紀の小さな電子コンピュータで巨大な集合知ネットワークにアクセスする。茶の間や喫茶店や電車の中で。なんと言うか、この行為自体がある意味では24年前に僕が想像していた24年後とはディファレントな未来世界の出来事だ。改変されたディファレントな歴史をディファレントなエンジンを使ってディファレントな未来世界で読むという、ねじれた歴史の中に身を置いている感覚があった。
    また、この勉強は言ってみれば計算機たちの自意識(と呼ぶにはまだ早ければ単に記憶と呼んでもいい)をテキストで読むという行為だから、蒸気と電子の違いこそあれ、方向性においては計算機が語り手である本書を読むのとあまりディファレントなところのない相似な行為であるとも言える。小説を読む前に小説の構造を現実の世界で反復して小説の世界へ近づいていくような、メタな状況の中に身を置いている感覚もあった。
    この二つの感覚は、24年前にわざわざ図書館に行って紙の百科事典をひっくり返していては決して得られなかったものだろう。スマホという器官でネットという外部記憶野に常時接続する身体を人々が獲得しつつある世界が到来して、ようやく気付くことができた感覚だ。実にサイバーパンクっぽい。やはり24年寝かせた甲斐はあったのである。
    このように付け焼き刃ながら差分事典を注意深く読み直し、情報を大量に頭の中に仕入れてから小説本体を読み始めたところ、内容やノリがまあなんとか理解できた。それでも歴史ネタの大部分はネタと気づかずに読み飛ばしているのだろうなあ。何気ない情景描写に実は歴史的な出典があって、しかもそれが改変ネタになっているとか。
    ともあれ、24年前はこれのどこがサイバーパンクなのかさっぱり分からなかったが、少なくとも今回はこれが紛れもなくサイバーパンクであることは理解できたので良かった。これが理解できずに24年前の自分はよく最後まで読み通せたものだと呆れるくらいだった。本書を読む前にスマホで歴史の勉強、これオススメである。

  • 下巻。
    上巻には伊藤計劃・円城塔の解説が、下巻には差分事典(増補版)を収録。
    解説を担当した伊藤計劃が、生前にblogで本書について言及していたことを思い出し( http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20081019/ )、時折、参照しつつ読んでみると、面白い発見があるかもしれない。
    個人的に、上記のblog記事の内容には、概ね同意している。

  • 正直、理解できたかと言われると「……」となる。が、SF的な知的好奇心がくすぐられる本には違いない。
    差分事典を読み込んで、自分なりに調べたりして反復したいと思う。
    混沌とした倫敦の光景に飲み込まれ幻影の十九世紀の雰囲気は十分楽しんだ。

  • おもしろかったけど、難しいね。読み方がわからない。

  • 欧州のこの頃の歴史・人物を知っていた方が楽しめる作品だと思う。
    まったくしらない人物だとなんとも。

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