天の光はすべて星 (ハヤカワ文庫 SF フ 1-4)

  • 早川書房
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本棚登録 : 869
感想 : 108
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150116798

作品紹介・あらすじ

1997年、人類は星々に対する情熱を失い、宇宙開発計画は長い中断の時期に入っていた。星にとり憑かれた57歳のもと宇宙飛行士マックス・アンドルーズは、そんな世界で無為の日々を過ごしていた。しかし、木星探査計画を公約に立候補した女性上院議員候補の存在を知ったとき、彼の人生の歯車は再び動き始める。もう一度、宇宙へ-老境に差しかかりつつも夢のために奮闘する男を、奇才ブラウンが情感豊かに描く古典的名作。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが素敵で好きです。英語では「The Lights In The Sky Aer Stars」。
    バローズの「火星のプリンセス」が出てきて「おっ!知ってる!」と嬉しくなった。
    また、難しい言葉がなく、スラスラと読めてしまった。
    残念ながら、自分好みではない作品だったが。

  • 美しい表題と装丁に惹かれて購入。
    確かにSF作品には印象的な表題が多いけれども、本書は秀抜だ。
    本棚に表向けて飾りたい衝動に駆られる。

    そんな表題とは対照的に、内容はすこし地味に感じるかもしれない。
    そこには、突飛なアイデアもSFらしいガジェットも存在しない。著者特有のやんちゃさも、どこか影を潜める。

    だけど、途方もないロマンチシズムを感じる。奇才フレドリック・ブラウンは本書のおわりにどんな思いを込めたのだろう。

    本書が世に出されたのが1953年だから、世は宇宙開発の黎明期。人工衛星スプートニクもアポロ計画もまだ未来の話。
    そんな萌芽な世情に、当代随一のSF作家が心揺さぶられないはずがない。
    つまりは、彼も"星屑"の仲間だったのだ。そして、遥か遠い未来、人類が星に辿りつく日を願って、意志の継承を施したのだろう。
    まるで夢破れた"星屑"に残された、ただひとつの流儀のように。

    特に味わい深い一節を紹介する。
    その一節は、ひとが星や月、宇宙に憧れ続けるひとつの答えを示しているような気がするのだ。
    物語は終盤、目にいっぱい"星屑"のきらめきをたたえた子供を横目に、いまに二次元の地表面から脱出していこうとするロケットを眺めてこう語るのだ。

    「そうだ、脱出だ。このちっぽけな世界から、誰もかも脱出したくてうずうずしている。この願望こそ、肉体的な欲望を満たす以外の方向にむかって人間がやってきたことすべての原動力にほかならないのだ。それはさまざまの形をとり、さまざまの方向にむかって発散されてきた。それは芸術となり、宗教となり、苦行となり、占星術となり、舞踏となり、飲酒となり、詩となり、狂気となった。これまでの脱出はそういう方向をとってきた。というのは、本当の脱出の方向を人間たちがつい最近まで知らなかったからだ。その方向とは?──外へ!この小さな、平べったい、いや、丸いかもしれないけれど、とにかく生まれついて死ぬまでへばりついていなければならない地面を離れて、未知に、永遠にむかって。外へ!太陽系の中の塵の一片、宇宙の一原子にすぎないちっぽけな地球から、外へ!」

    星や宇宙に理由なき憧れを抱く"星屑"の皆さまに是非とも一読いただきたい作品です。

  • 恥ずかしながら、某アニメのタイトルとして取り上げられたとしか知らないまま読みはじめました。
    私はとても好きです。目的に向かって真っ直ぐ進むマックス、好意的な周囲の人間、読んでいて何もストレスを感じない幸せな物語なのに……
    とても感情移入してしまいました……

  • 内容はSFでもなんでもなく、1人の男のロケットに乗りたいという夢を実現しようとするストーリー。エレンとの別れ、ビリーに引き渡した夢など要所要所では良い場面があった。

  • 奇抜なアイデアや舞台設定がなくてもいい。大事なのは星を掴もうとすることであり、掴むべき星はたくさんあるってことなのだ。

  • 情熱は絶えてはいけないとおもった(月並)

  • 思わず涙腺がうるんだ。それも三度。1950年代に書かれたSFが胸をうつのは、作家の才能ゆえか、それとも(主人公マックスの否定した)人類の退化ゆえなのか。グッド・ストーリーは、時の流れから解放され、相対性理論をさえ超えるかのようだ。

  • 例のハヤカワ文庫フェアであまりにタイトルがかっこよかったので買ってみました。57歳元宇宙飛行士が木星探査計画を知りその夢にかける。かっこいいじゃあないですか、と思い購入。面白かったです。これなら原書でも読めるかなあ〜 今度探してみよう。

    感想としてはエレンは良い女すぎ!!こんな仕事も出来て男の夢にもかけられるような出来た女性は!!かっこよすぎですよ。そして主人公もそうですがお話も駆け足でぐんぐん進んで行くのに。あのラストが来るとは。良い意味でも悪い意味でも裏切られました。ある意味本当に作り物みたいに進んで行くお話しの中でそこだけやけにリアルではあります。いやあ、してやられました。面白かったです。

    ちょっと解説が…いや、別に私アニメの影響でこの本読んでないから…みたいな。作品も知らないし。そんなことどうでもいいし…。その作品があったから復刊されたんだぞ、と言う事であれば自分の目に留まることもなかったと思うのでその意味では感謝ですが… ちょっと微妙でした。

  • すべての人は地球という星にとらわれている。
    息苦しさを感じながら、無様に地面を這いつくばり、死んでいく。
    ロケットとはこの狭い世界を脱出し、無限に広がる天の光へ自由に飛んで行く手段なのだ。

    心躍るような目新しいSF設定は無しで、ごく普通のキャラクターが織り成す人間ドラマで宇宙開発のロマンを表現した名作。

  • 元宇宙飛行士の老人が木星探査計画を成功させるために奔走する。

    手が届かないからこそ足掻く者達の物語で、ロマンチックなタイトルとは裏腹にかなり渋い話。

    グレンラガン最終話サブタイトルで興味を持った身としては巻末に収録された中島かずきの解説が嬉しい。

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著者プロフィール

フレドリック・ウィリアム・ブラウンは、アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティ生まれの小説家、SF作家、推理作家。ユーモアあふれるショートショート作品で知られている。

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