犬は勘定に入れません 上 あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2009年4月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784150117078

みんなの感想まとめ

タイムトラベルをテーマにしたこの物語は、歴史的な出来事を調査する中で、ビクトリア朝のイギリスに降下する主人公の冒険を描いています。航時部シリーズの一環として、過去の出来事に触れつつも、軽妙なコメディの...

感想・レビュー・書評

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  • 暴君の上司にこき使われて休む暇のない主人公が、ひょんなことから現代に持ち帰られてしまった猫ちゃんをヴィクトリア朝時代に戻しに行ったけど…という話。

    題名からもわかる通り、「ボートの3人男」が話に絡んでくる。私はこの話が大好きなので、じゃあ読まねばならん!ということで購入。読み始めはそんなに「3人男」は出てこないし、「3人男」みたいに笑えるわけでもないし、個人的に主人公のように(は言い過ぎか)仕事がハードだったりして、そんなに読み進められなかったけど、後半、ある貴族の家を訪ねたあたりから笑いも出てきて楽しく読めた。と同時に、猫が持ち帰られたことで起きそうになっている歴史の齟齬はこの後どうなるのか、暴君上司からの無理難題の品は果たして見つけられるのか、そして主人公は休めるのか、などなど、後半に向けて楽しみなところも出てきた。続きも読みます。

  • 航時部シリーズ。過去にタイムトラベルして歴史上の出来事を調査などしている。今回はコベントリー大聖堂の主教の鳥株を探すというミッション。今回は(少なくとも上巻では)何かパニックになるのではなく、ビクトリア朝のイギリスに降下して、テムズ川を下って歴史の齟齬をなくすミッションだ。その他光景が、ジェローム・K・ジェロームの著作「ボートの三人男 犬は勘定に入れません」につながる。本書を読むのなら、こちらを先に読んだ方がより楽しめる。クスクス笑いながら読めるだろう。なお、航時部シリーズは浮き足だった感じで物語が進行するのが多い。ただし、本作も基本的にはそうなのだが、「ボートの三人男」のようにゆったりとした感じもある。そこが異色かな。

  • ヒューゴー賞とローカス賞のダブル受賞を果たした本書は、コニー・ウィリスの人気シリーズ<史学部シリーズ>の第2弾。
    いったいこのシリーズだけでどれだけの賞を受賞したのか気になるところです。

    全2巻。シリアス路線だった前作「ドゥームズデイ・ブック」と異なり、今作はどたばたコメディ。抱腹絶倒もの。
    そして単なるどたばたコメディではなく、SF、ミステリー、そしてラブロマンスも兼ねそろえた充実ぶり。こういうと、ごちゃまぜな感がありますが、うまくバランスが保たれているのは、著者の技量によるものか。
    ウィリスのシリアスな作品も好きですが、どちらかというと「まれびとこぞりて」のような作品が好きな自分にとっては、もの凄く楽しく読み進めることができました。今回は結構笑ったなぁ。
    相変わらず「人の話を聞かない登場人物」の存在が強烈。もはや様式美ですね。
    本書では、前作に比べてさらにドギツイ登場人物が登場します。それはもちろんレイディ・シュラプネルとミアリング夫人(他にもたくさんいますが…)。なかでも烈女シュラプネルの理不尽を通り越した要求の数々には、怒りを通り越して、思わず笑ってしまうほど。この女、殆ど登場しないのにかなりの存在感。苦難苦悩、紆余曲折を経てようやく見つけた主教の鳥株に対して彼女が投げ掛ける一言には、「こんのクソババア!」と返したくなりますが、これもまあ彼女らしいといえば彼女らしい。

    一方、肝心のSFの部分では、カオス理論を基軸とするタイムトラベルの仕組みが少しばかり明らかになるところも。
    ここでのタイムトラベルは、過去に戻って出来事を変えることにより、未来を変えることが「できない」とされます。したがって、未来を大きく変えるような過去での行為は、そもそも「過去では行えない」か「その後の調整により無効化」されます。「その後の調整により無効化」とは、最終的な結論が同じになるよう、未来に大きな影響がない範囲で途中のプロセスが改変されること。こういった幾つかの制約、そして神の見えざる手により、未来は保全されるのです。
    ところが、本書ではタイムトラベル上では「できない」とされていた行為が行われてしまいます。
    それは過去の「モノ」を現在に持ち込むこと。
    なぜ実現不可能な行為が行われてしまったのか、そしてその影響とは…?
    このあたりの謎を解明することが、本書のミステリー要素の核となる部分。そして、本書の終わりに明らかにされる壮大な仕掛けは、「おおきな風呂敷を広げたなぁ」との印象が拭えません(笑)。なぜかヴォークト「イシャーの武器店」のラストを連想したこの大風呂敷。果たしてきちんと閉じられるのでしょうか。

    さて、文庫版の装丁にもなった犬のシリルと猫のプリンセス・アージュマンド。
    この2匹にとにかく癒される本書は、頁数の多さが気にならないほどストレスフリーに読み進められる傑作でした。

  • 『航路』『ドゥームズデイ・ブック 』の
    シリアス路線とは一味違うコメディ。
    語り手、主人公が疲労困憊で混乱気味なので
    最初の方は混乱に付き合わされて読みにくいが、
    周りの見えないマイペースな登場人物、
    当初自分すら見失っている主人公、愛すべき動物
    に魅力的なヒロイン。ドタバタコメディラブロマンス
    にならない方がおかしい、娯楽作の要素たっぷり。
    数多く繰り返される引用、ヴィクトリア朝、
    知らないことに興味をひかれて調べるのも副作用。

  • 三人男を読み返さねば

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「三人男を読み返さねば」
      私も、そうしたい気分(と思って何年経つかなぁ)・・・
      「三人男を読み返さねば」
      私も、そうしたい気分(と思って何年経つかなぁ)・・・
      2014/02/26
  • 上質なラブコメSF歴史小説。

    最初はタイムラグ(タイムトラベルを頻繁に繰り返すと起きる症状)の主人公ともども、めまぐるしい状況を把握するのにとまどった。しかし一八八八年に移り、軽妙でどこかコミカルな調子の会話・展開の物語が、読んでいて素直に楽しくなってくる。
    当時の習慣や風景描写、妙に詩を引用する人々など、コミカルながらも上品さを感じるこの書き方は日本の小説にはない独特さ。

    いつまで経ってもなかなか眠れない主人公が可哀相になるのが上巻。

  • SFで題名がコレというので確実にコメディと敬遠していた自分が馬鹿らしい。何故か執事役やってる未来人のフィンチが完璧にジーヴスだし、思った通りジェロームのボートの三人男だし!犬は勘定にいれませんし!キャラクターが生き生きして、大笑いしながら、ヴィクトリア朝風に自分でもあれこれ仰々しい引用を思い浮かべながら読むとさらにベター。

  • 感想は下巻。

  • タイムトラベルが可能になっている未来から、19世紀へ。
    犬と猫を連れてのてんやわんやのテムズ川の旅。
    若い二人の研究者のロマンス。
    「ボートの三人男」へのオマージュも。

  • この本が2冊以上の別の本を読むきっかけを作ってくれたことに感謝したい。
    →ボートの3人男
    →スターファイター
    →コニー・ウィリスの別の本
    ヴィクトリアンなお友達がたいへんかわいらしい。
    詩も読もうかな。

  • SFの世界を楽しむには、いや、なんというか真の意味で?楽しむにはまだ100年早い、と感じずにはいられないわけだけど。この本が有名な賞を受賞して、みたいなのを読んでもまぁへぁあぁそう、だけど。
    でもこのシリルとプリンセスはなかなか良い味を出していて、うん、そこだけは分かった。やっぱ動物が入り込んで、なおかつコミュニケーションできてると場が和みますわ。
    概ね説明とか難しすぎて頭に入ってこなかったけど、やり取りが楽しげで満足なので、とりあえず分かったふりだけする。

  • 3.92/547  《オックスフォード大学史学部》シリーズ (「ドゥームズデイ・ブック」→「犬は勘定に入れません」→「ブラックアウト」→「オール・クリア」)

    『人類はついに過去への時間旅行を実現した。その技術を利用し、オックスフォード大学は、第二次大戦中、空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂復元計画に協力している。史学部の大学院生ネッドは、大聖堂にあったはずの ”主教の鳥株” を探せと計画の責任者レイディ・シュラプネルに命じられた。だが、21世紀と20世紀を何度も往復して疲労困憊、とうとう過労で倒れてしまった!? SFと本格ミステリを絶妙に融合させた話題作』(「早川書房」サイトより▽)
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000011707/


    冒頭
    『そこにいたのは総勢五名だった。カラザーズ、新入生、僕、それにミスター・スピヴンズと堂守。十一月十五日の午後も遅い時刻、廃墟と化したコヴェントリー大聖堂で、僕らは主教の鳥株を探していた。』


    原書名:『To Say Nothing of the Dog』1997年 (Oxford Time Travel #2)
    著者:コニー・ウィリス (Connie Willis)
    訳者:大森 望
    出版社 ‏: ‎早川書房
    文庫 : ‎464ページ(上巻)
    刊行日 ‏: ‎2009/4/24
    ISBN‏ : ‎9784150117078
    受賞:ヒューゴー賞、ローカス賞

  • 犬を勘定に入れないなんて酷い!と思いつつタイトル買いしたものだが、シリーズものだと気付いて長いこと積読されていたw

  • 訳:大森望、原書名:TO SAY NOTHING OF THE DOG(Willis,Connie)

  • 文章と相性がよくないのか、独特のコメディ要素にいまいち乗り切れていないせいか、あまり楽しめていない。話の大きな流れの先が気になるので読んでいるという感じ。

  • なかなか進まない。。。

  • 2009-05-00

  • 2057年イギリスのオックスフォード大学が舞台。
    過去へのタイムトラベルが可能になり、歴史を学ぶ学生は過去に潜入して研究していた。

    最初は読みにくかったけど後半になるに連れてどんどん引き込まれる展開に。
    過去の時代の風習に戸惑ったり、強烈な個性の人に振り回されたり読みながら笑える場面が多いです。

  • 出だし、なんか意味がよくわからなくてあまり進まなかったのだけど、あとがきを読んだらそれは当然のことだったらしい(笑)。主人公の任務というか、休暇のため送り出されたのに話がかえってややこしくなっているんだということが明らかになるころからぐんぐんおもしろくなった。
    犬猫に振り回される主人公がなんともおかしい。ていうか、教授にも、まわりの人たちにもひたすら振り回されているんだよね。いいのかそれでw

  • ドゥームズデイ・ブックと比べると感動がない
    表紙   6点松尾 たいこ   大森 望訳
    展開   6点1998年著作
    文章   7点
    内容 700点
    合計 719点

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