犬は勘定に入れません 下 あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2009年4月24日発売)
4.17
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784150117085

みんなの感想まとめ

タイムトラベルをテーマにしたこの物語は、ヴィクトリア朝時代を舞台にしたドタバタ劇で、恋愛や歴史探索、コメディの要素が絶妙に組み合わさっています。主人公ネッド・ヘンリーの酩酊状態から始まる物語は、最初は...

感想・レビュー・書評

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  • タイムトラベルによってヴィクトリア朝時代をかけめぐるドタバタSF。恋愛、歴史探索、コメディといった要素がギュギュッと詰まっていて、大枠にはミステリーとしての楽しさも。タイムトラベルをしたせいで酩酊状態にある主人公の一人称から始まるため、序盤は何が起こっているのかわかりづらかったけど、魅力的な登場人物と快活な冒険に誘われあれよあれよという間に読み終わった。犬好き猫好きならきっとハマるはず。ついでにド嬢好きな方にも。

  • あちこち寄り道しながらコネタの数々を散りばめつつ、結果それが寄り道でなく一気の展開は巧すぎる。

  • 2057年。タイムトラベルが可能になった未来で、一匹の猫の命を救ったことからはじまるドタバタ劇。

    タイムトラベルにより時差ボケならぬ時代ボケ(タイムラグ)で、疲労困憊したネッド・ヘンリーの描写から物語は始まります。
    そもそも主人公のネッドが冒頭から朦朧としているので、読んでいるこっちも何がどうなってるんだか分かりにくい始まりでした。
    「主教の鳥株」がタイトルにある花瓶なんだろうなぁ、ネッドはこれを過去まで行って探してるんだろうなぁ、という曖昧な認識のまま読み進めていきましたが、ネッドの意識がしっかりしていき事態が見えてくるにつれて、こちらも物語にのめりこんでいきます。

    イギリス文学の引用が多く、ミステリー小説のネタバレも若干していました(特に月長石)。イギリスの歴史と文学が楽しめます。

    タイトルの「犬は勘定に入れません」はジェローム・Kジェロームのユーモア小説「ボートの三人の男」からとったようですが、本書を読み終えて、これだけ多くの人が、動物が、事象が複雑に絡み合ったタイムパラドックスでありながら、なるほど、この混乱に犬のシリルは勘定に入ってなかったなぁと思いました。
    にも関わらずこのブルドッグのシリルの存在感は絶大です。他にも猫のプリンセス・アージュマンドや女傑・レイディ・シュラプネルなど登場人物達は一人残らず愉快です。

    SFであり、ミステリーであり、恋愛小説であり、楽しくて面白いことがぎゅっと詰まった物語でした。

  • 文庫化されました!

  • 主人公がへたれでかわいそうで笑える。
    猫も犬も可愛い。

  • 訳:大森望、原書名:TO SAY NOTHING OF THE DOG(Willis,Connie)
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  • 2009-05-00

  • 時間旅行ユーモア小説!
    本来は過去から何かを持ち帰ることは不可能なはず…
    しかしある学生が川に溺れた猫を助けて連れ帰ってしまった。
    この猫が原因で歴史に齟齬が生じたら?
    齟齬を生じさせないから連れ帰れたのか?
    とにかく猫を元のところに戻すために過去に送られたネッドだがそこでもまた歴史と異なる出来事が起こってしまう。
    どうなる歴史!? いやぁ〜後半に進むにつれてどんどん面白くなっていって一気読みしました

  • すったもんだは続き、戦時中にも飛んだりして、とても大変なんだけどずっとどこか牧歌的な雰囲気が流れていて、楽しかった。なんだろうな、この感覚。

  • ドゥームズデイ・ブックと比べると感動がない
    表紙   6点松尾 たいこ   大森 望訳
    展開   6点1998年著作
    文章   7点
    内容 700点
    合計 719点

  • タイムトラベルユーモア小説。
    最高のしっちゃかめっちゃか。

  • 長さを抜きにすれば、お気楽に読めるけど、
    あちらこちらに散りばめられたヒントや、
    複雑にしようとしていると思える仕掛けに
    気づいて楽しむには、人物たちに惹きこまれて
    じっくり読むのが一番。
    引用を多用するテレンスも気取り屋ではなく
    夢見がちで嫌味のないイイヤツだし。
    19世紀の謎は、早くにわかるけど、
    「そこと、掛かっていたいたか!」と。
    イングランドの建築や美術、古典や詩だけではなく、
    推理小説も知っているとより楽しめるのだろうが、
    知らなくても、この世界を楽しめる。

    前作に続きフィンチ君、抜群の安定感、癒し系。
    天職を見つけます。

  •  オックスフォード大学史学部シリーズの長編第2作。まるでシェイクスピア悲劇のようだった前作からうって変わって、今度はヴィクトリア朝を舞台としたてんやわんやのラブコメディが描かれている。
    「彼と彼女がくっつかないと未来が大変なことに!」という某名作映画を彷彿とさせるストーリーはもちろん、主人公とヒロインの距離加減もまた読んでいて楽しい。ウィムジー卿に憧れる女の子なんて素敵。
     そしてある意味主役の犬と猫! たかがペットと侮るなかれ、驚くほどキャラが立っている彼(&彼女)は始終物語を引っ掻き回すがどうにも憎めない。人間だけじゃなく動物も魅力的な本作は、一見の価値ありです。

  • タイムスリップすちゃらかラブコメ大作戦!無事に読了。
    オックスフォード大学史学部シリーズ、今回は齟齬を発生させない為の主人公二人の大奮闘を描く。「オールクリア」にも齟齬の考え方は出ていたけれども、そもそもトシーとMr.Cが結婚しているのは歴史的事実だから何にもしなくてもいいのでは?と思ってしまう。それを言っちゃあ、おしまいなんでしょうけど。今回も二人が動くたびに齟齬は拡大される様に見え、肝心な時に二人とも1395年、1940年、2057年と自分の意思に関係なくタイムスリップしてしまう。まるでタイムトンネル(往年のTVドラマ)みたい。終わってみれば全ては時空連続体の自己修復能力のおかげ。主人公二人も結ばれて目出度し目出度し。コニーウィリスらしからぬ大ハッピーエンドでした。
    オックスフォード大学シリーズしか読んでないから、実はコメディも上手い人なのかな?あとは「見張り」だけだ!(短編?何処に入っているんでしょう?)

  • これならばわたしにもわかる。なるほどSFですね。主題はタイムパラドクスであり、メイントリックもタイムパラドクスなんだもの。そして真犯人は執事でも無害な老婦人でもなく…だと!うわー拍手喝采。そして巻頭の引用が思い起こされるわけさ。いわく「神は細部に宿る」…お見事でした!
    まあしかしこの小説の楽しいところはこまごまと散りばめられたイギリスミステリとヴィクトリア朝(追記してオクスフォードw)に関する小ネタやお遊びでもあるわけですが。これは確かにニヤニヤしたくなる。そしてそれらが結構伏線めいた働きもしているところがまた楽しい。ニヤニヤ。
    ジャンルなど気にせず「面白そうだな」だけで手に取ってほしい、そんな小説。いやはや面白かった。

  • 好みの作品、ど真ん中。

    フィンチがジーヴス並みの執事ぶりをほめられてすごく喜ぶとことか、うまいなぁ

  • 大好き!映画化してほしい。
    ヴィクトリア朝もドロシー・セイヤーズも大好きな私にとってドンピシャなお話でした。
    上巻は説明なしの冒頭とのんびりした川下りで、ヴィクトリア朝に興味の無い人は退屈だったでしょう。予想外のフィンチ登場で上巻は終わりましたが、下巻までくればスルスル読めるはずです(上巻の引きが最高)。あの日コヴェントリーで何があったのか?消えた鳥株の行方は?あっという驚きはないかもしれませんが、犬も猫も誰も死なない、誰も不幸にならない大団円です。中世から現代まで時を駆け抜けてヴェリティを探すネッドにしびれます。ロマンチック。そしてユーモラス。完璧な執事フィンチにやられて、ウッドハウスのジーヴズシリーズも読みました。本当に好きなお話です。

  • どたばた劇も後半。
    SFなのに、そのSFの仕組みをミステリのネタにしてしまうとはお見事。まあ、いろいろな謎の中でもラブコメ部分はたぶん多くの人が早い時点で結論にたどりついたはず。
    それにしても相変わらずのやたら多い引用、そしてほのめかし。個人的にはヴィクトリア朝時代のシャープ嬢の足音が気に入りました。これも引用なのだろうと勝手に推測しているのだが。
    フィンチは前作中で、なんだか執事のようだな、と思っていたら(そうしたら意外に若いらしくそこで驚き)、ここで見事にその能力を全開。やっぱりそうだったんですね。
    ただ、最後まで「主教の鳥株」なるものの形態が頭に浮かばず苦戦。これからもう一度調べてみますか。

  • 最高。タイムトラベルと、猫。最高。

  • ヴィクトリア朝時代のイギリスにタイムトラベルする話。
    面白い!久しぶりに本で声出して笑いそうになりました。作中で引用されてる本も読みたくなります。そして読み終わった後、登場人物と別れるのが寂しく感じる本。また読みたいです。
    訳文に違和感がつきまとうのはしょうがないのかな。

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