夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150117429

作品紹介・あらすじ

ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ。そんな時、「冷凍睡眠保険」のネオンサインにひきよせられて…永遠の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 古典SF小説の名作。私は『金曜日の本屋さん』という小説で知った。
    福島正実さんが翻訳されたものを読んだが、とても読みやすかった。海外小説を読むときは翻訳家の重要性を感じる。
    最愛の恋人と親友に裏切られ、発明まで騙し取られてしまってしまった青年ダンは、飼い猫のピートとともに凍った心を溶かすべく、夏への扉を探していき…というお話。
    これが1950年代の作品だというから驚き。1970年のロサンジェルスが舞台。冷凍冬眠で2000年の世界へ行くのだが、現実より物語の世界の方がかなり科学が進歩している様子。
    ダンの仕事にかける熱い想いと、たとえ裏切られても人を信じる強さ、愛する人との時空を超えた約束に胸を打たれた。猫のピートの勇姿にもね。
    どんなに科学技術が発展しようとも、大切なものは変わらないんだね。

    • 土瓶さん
      この表紙の猫が好き^^
      毛の感じとか。
      この表紙の猫が好き^^
      毛の感じとか。
      2023/07/17
    • ひろさん
      shukawabestさん♪
      やっぱり翻訳は大切ですね!
      もしもタイムマシンがあったらどの時代に行ってみたいかな~、なんて考えるのも楽しいで...
      shukawabestさん♪
      やっぱり翻訳は大切ですね!
      もしもタイムマシンがあったらどの時代に行ってみたいかな~、なんて考えるのも楽しいですよね⸜( *´꒳`*)⸝
      でも、なんだかんだで慣れ親しんだ今の時代が好きかもしれません(*^^*)
      2023/07/17
    • ひろさん
      どんちゃん♪
      表紙の猫、毛の感じとかいいですよね!
      リアルすぎて一瞬写真かと思っちゃいました(*^^*)
      どんちゃん♪
      表紙の猫、毛の感じとかいいですよね!
      リアルすぎて一瞬写真かと思っちゃいました(*^^*)
      2023/07/17
  • SF作品のオールタイムベスト10などで常時上位の作品です。

    ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ!そんな時、<冷凍睡眠保険>のネオンサインにひきよせられて…。-文庫版うらすじより


    1950年代に書かれた作品ですが、1970年になったら冷凍睡眠をして未来で目覚めるという話が作られていたのは驚きでした。SFはまだあまり読んでいないジャンルですが、冷凍睡眠というのは結構よく出てきますね。
    31年後の2001年にはタイムマシンまでできていました。
    地球の進化は物語より現実の方が遅いですね。
    今、一番SFっぽいものって、コロナ禍で仕方なくみんながしている、マスクやフェイスシールドじゃないでしょうか。
    タイムマシンは夢であって、永久にできないと私は思います。
    物語は時間旅行を使ったラブストーリーです。
    最後の方の展開はお約束通りですが、やっぱりはらはらしました。
    この作品は、男性にちょっと都合のいい夢物語のような気も少なからずしました。

  • 言わずと知れたSFの巨匠。ロバート・A・ハインラインの名作。

    実はハインラインの著書を読むのは初めて。
    非常に面白かった。
    本書は、なんていえばいいか・・・究極の名作・映画『バックトゥザフューチャー』をほ彷彿とさせるタイムトラベルものですね。
    タイムマシンとコールドスリープを組み合わせた冒険活劇。
    1950年代に本書は書かれ、未来の設定が2001年というところが今読むと笑ってしまう。

    だってこの本に描かれている2001年はもう火星旅行が可能になっているからね。

    まあ、年号は気にしないで遠い未来という設定で読めば非常に楽しめるね。
    古典SFもバカにできませんよ。
    まじで面白いですから(笑)。

  • 映画化の話を聞き、Kindleから取り出して読み始める。私が持っているのは旧訳版だが、やはり、おもしろい。人工冬眠とタイムマシンを絡めたよく練られたストーリー、各キャラクターの描き方、特に主人公ダンの成長ぶり、正に古典的名作。映画の出来が悲劇に終わらなければいいけれど。

    物語の舞台は1970年と2000〜2001年。
    1970年、家庭用ロボットの発明者ダンは、友人で共同経営者のマイルズと婚約者のベルに裏切られ、会社の権利を奪われたうえ、人工冬眠させられてしまう。目覚めたのは30年後の2000年。誰一人頼れない中、ダンが取った行動は…。

    刊行は1956年なので、1970年は正に未来である。発表から60年以上が経つが、今読んでも全く古びていないのには驚かさせる。残念ながら2021年の現在でも、家庭用ロボットも人工冬眠技術も確立されておらず、ハインラインが想像した1970年の技術には達していない。当時は科学がもたらす未来に大きな希望が持たれていたのかもしれない。

  • 主君カラバ公爵のために命も厭わず怪物にたちむかった猫。
    大好きだったペローの童話『長靴をはいた猫』を思い出している。

    粉挽きの三男坊が死んだ親父の形見分けとしてもらったのが猫一匹。
    明日の当てもなく途方に暮れる男。
    しかし猫は持ち前の機知と行動力で、男の窮地を救うのである。
    いま考えればけっこう無茶苦茶でブラックな話だった気がする。

    時間SFの名作と呼び声高い『夏への扉』
    いつかは読まねばと思いつつようやく手に取ったが、こちらもタイトルと可愛らしい猫の表紙からは想像だにしないサスペンスフルな展開が待っていた。

    なんとも魅力的な時間移動の方法。
    一足飛びに時を駆け抜ける描写は、主人公と共に自分が体験しているかのよう。
    目の前にひろがる懐かしい未来(レトロ・フューチャー)。
    1970年から2000年に飛ぶ話が1950年代に書かれている。
    ハインラインにとっては物語内での現在の事象さえ未来。そして、物語の未来の事象さえすでに過去となっている2013年の僕がこの本を読んでいる不思議。
    文化女中器(ハイヤード・ガール)なんて、ぐっとくる言い回しに「メイド・ロボ」的なものを想像していたら、
    「それ『ルンバ』じゃーん」
    僕は立派な未来人。
    実生活では、スマホよりも3D映像よりも、納豆の「大豆(遺伝子組み換えではない)」表示に一番未来を感じている。

    ヒロインは『がんばれ!ベアーズ』のテイタム・オニールで脳内再生された。こういうのも遠距離恋愛になるのだろうか。

    伏線が少しずつ回収されていく終盤は、やはり時間SFの醍醐味。
    「でもまてよ。こう、うまくいくと前に来ていたあの人はどうなるの?」
    一瞬不安になったが、そこはそれ。博士のポケットの中の五ドル貨。読みのがした新聞。
    シュレディンガーの猫。
    そう、タイムパラドックスの帳尻を合わせて主君を護るのも「猫」の役目。
    さすがは「護民官ピート」なのである。

    • 円軌道の外さん

      またお邪魔します!(笑)
      今、「10代の頃に読んだ作家を再読しよう」企画をやってまして、
      ちょうどコレも候補に上げて
      新しく買って...

      またお邪魔します!(笑)
      今、「10代の頃に読んだ作家を再読しよう」企画をやってまして、
      ちょうどコレも候補に上げて
      新しく買って手元に置いてます。
      (今はポール・オースターの『ムーンパレス』を再読中です)

      ほとんどが高校時代に読んでそれっきりだったので、
      学生時代とは感動できるポイントも違うし(笑)
      そもそもこんな話だっけ?って
      自分の記憶の曖昧さにビックリしたり(笑)、
      いやぁ~、毎回いろんな発見があって面白いです。

      これも当時は未来だった2000年の話を
      2015年の今読むんやから、
      違う意味でかなり面白いギャップがあるんやろな~(笑)

      つか、実はレビュー読ませてもらって一番反応したのは

      “ヒロインは『がんばれ!ベアーズ』のテイタム・オニールで脳内再生された。”

      ってとこです(笑)
      僕は坊主頭の中学時代に初めて『スクリーン』という映画雑誌を買って映画にハマっていくんですが、
      テイタム・オニールとダイアン・レインとソフィー・マルソーとメアリー・スチュワート・マスターソンが大好きで(笑)
      グラビア切り抜いてオリジナルのスクラップブックを作って、
      ひとりで悦に入ってた封印した記憶が
      今急速に蘇ってきました(笑)
      (もう少し後にはクリスティーナ・リッチとフェイ・ウォンとペ・ドゥナにハマるんやけど笑)

      スピッツの『スーベニア』というアルバムにも
      『テイタム・オニール』という曲があるんやけど、
      草野さんが小さい頃に憧れてた女優やからタイトルにしたらしいですね(笑)

      僕も子供の頃に『がんばれ!ベアーズ』に出てた彼女を観て、
      表情豊かでなんてキュートな女の子なんやろって虜になったし、
      『ペーパー・ムーン』を観て、なんて上手い子役なんやろって、ドギモを抜かれました。
      ソバカスホッペに生意気な瞳がホンマ魅力的でしたよね(^^)

      ちなみにkwosaさんにとって学生時代のアイドルって誰でしたか?



      2015/05/30
    • kwosaさん
      円軌道の外さん

      「再読キャンペーン」いいですね。
      僕もやってみたいんですけど積読が多過ぎて......(『ムーンパレス』も積読です。...
      円軌道の外さん

      「再読キャンペーン」いいですね。
      僕もやってみたいんですけど積読が多過ぎて......(『ムーンパレス』も積読です。あっ『孤独の発明』も途中まで読んで......)

      でも、たしかに読む時期によって心に響くポイントが違うというのはありますよね。
      若い頃共感していた部分が妙に青臭く思えたり、昔は嫌な奴だと思っていた登場人物が愛おしくなったり。
      それが再読の楽しみですよね。

      僕は『ロードショー』派でした。
      近所のお姉さんから一ヶ月遅れの号をもらって、やっぱり切り抜いて。

      ソフィー・マルソー! わかります!!
      そして小学生のくせに『初体験リッジモンドハイ』のフィービー・ケイツ(笑)
      もうちょっと後で『シャルロット・フォーエバー』からシャルロット・ゲンズブール。
      親に隠れて深夜映画を録画したのはいい思い出(笑)
      でも、それをきっかけにフランス映画やフレンチ・ポップス、セルジュ・ゲンズブールからボリス・ヴィアンやジャズに興味が湧いていったんだから何が幸いするかわかりませんね。

      『1969』あたりからウィノナ・ライダーも追っかけてたなぁ。
      2015/05/30
    • 円軌道の外さん

      kwosaさん、いつも沢山のコメントありがとうございます!

      あはは(笑)「再読キャンペーン」いろんな発見があって楽しいですよ~(^...

      kwosaさん、いつも沢山のコメントありがとうございます!

      あはは(笑)「再読キャンペーン」いろんな発見があって楽しいですよ~(^^)
      『ムーンパレス』は学生時代あんなにハマったハズなのに
      おっさんになって再読すると
      思ってたよりアッサリな印象で(笑)、
      「あれ?こんなもんやったっけ!?」ってなんか拍子抜けでした。
      kwosaさんが仰るように
      まさに若い頃共感していた部分が妙に青臭く思えて(笑)なんか恥ずかしくなりましたよ~(^^;)
      同じ時期に読み直したチャンドラーの『さよなら愛しい人』は
      「やっぱりチャンドラーは今読んでもカッコいいわ~」って確信したのに、何が違うんですかね~(笑)
      (厳密に言えばチャンドラーを読んだのは村上春樹訳だったので、清水さんの訳とは違い新鮮ではあったんですけどね)

      あっ、『孤独の発明』は桜庭一樹が自分を作ってくれた本として挙げてたので、
      一応読みたいリスト入りしてます(笑)

      おおーっ! kwosaさんは『ロードショー』派でしたか(笑)

      わぁーっっ!
      フィービー・ケイツにシャルロット・ゲンズブールかぁ~(笑)
      僕もどちらも好きでした!
      フィービーは確か中国系とアメリカ人のハーフだったので、
      日本人好みの親しみやすい容姿で、当時アイドル並みに人気がありましたよね。
      僕は『グレムリン』を最初に観てハマったんかな。
      あと、ウィノナは『17歳のカルテ』と『リアリティ・バイツ』の頃が好きでした。
      シャルロットは最初はフレンチポップのアルバムから入って、
      次に映画を観てノックアウトされました(笑)

      当時僕の周りの友達はバンド仲間ばっかりで
      アイドル話なんて口が裂けてもできない環境だったので(笑)、
      ホンマはスクリーンに付いてたソフィー・マルソーのポスターを部屋に貼りたかったんやけど、
      硬派ぶってジェームス・ディーンや『明日に向かって撃て』なんかの映画ポスターでカムフラージュしてたな~(笑)

      あっ、深夜に録画もわかります!(笑)
      僕はラブシーンの多い『007』シリーズや『エマニエル夫人』なんかを
      深夜こっそり観てました(笑)(^^;)


      調子に乗ってアホなことばかり喋り過ぎましたが(汗)、
      僕の本棚の『シネマ食堂』『サンダーボルト』『人間みな兄弟』『ネオカル日和』『倒立する塔の殺人』『ごめんね青春!』にもまたまた返事書いてるので、
      また暇な時間にでも立ち寄ってみてくださいね~(^^)

      ではでは~♪


      2015/06/12
  • コールド・スリープ、つまり冷凍睡眠で未来へ、そしてタイムマシンで過去へ。そういうギミックを使いながらも物語として主人公が悩み、苦しみ、途方に暮れ、再び立ち直っていく姿が非常にエンターティメントとして面白かった。やっぱスゴイ。

    いわゆる「時間もの」を扱うSFは、読み進めているうちに、またその時気がつかなくてもあとで読み返してみると、ああこういう伏線にはこういう意味があったんだ、とか作者の仕掛けに喜ぶのが楽しみなんだけれど、そう言う意味でも名著。

  • ようやく「猫が夏に通じるドアを探す」話に行き着いた。

    SFビギナーの私が読書仲間さん達に勧められて読んだ「タイムリープ」
    確かに面白かった。
    その中に、時間旅行をにおわせるアイテム
    ラベンダー、車のタイムマシン
    そして、猫が扉を探す話
    何の話だか全く見当のつかない私がそれを口にしたところ
    「あぁ、ハインラインですね。」
    どうやら、随分有名な話らしいと知った。


    経営している会社と恋人を同時に失い、トラブルに巻き込まれた
    失意の主人公は冷凍睡眠により30年の眠りにつく。
    2000年に目覚めた彼は、眠っていた30年に何が起こっていたのかを調べ始めるが、
    どうしても理解しがたい事実にぶつかり、再び1970年を目指す。

    時間に追われる彼にとって柔らかな猫の背中や首筋を撫でた時に感じる
    体温やなめらかさは、決して手放したくない大切な実感だろう。


    それにしても、タイムマシンでやってきた未来が2000年とは。
    現在が追い越してしまった不思議。
    本の中の未来は現実となった。
    今の私が想像する未来は、とりあえず満たされていて渇望するものがないからなのか、
    想像力の欠如からか、一昔前の人たちが望んだような進歩は思いつかない。

    それでも、

    過去は非常の場合だけだ。そして未来は、いずれにしろ過去にまさる。
    誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりまさりつつあるのだ。(P367)

    私もこの言葉を強く信じる。
    過去を懐かしく思い出すこともあるけれど、
    今日を精一杯楽しみ、その先にまた新たな楽しみが待っていると信じている。
    全てが未来につながっていると思えば、
    失敗したことも含めて過去の出来事を肯定できる。

    • 円軌道の外さん

      わぁ〜皆さんお邪魔します(笑)

      ブクログ仲間の輪が
      ここでも繋がってますね(^O^)


      SFにうとい自分が
      この作品...

      わぁ〜皆さんお邪魔します(笑)

      ブクログ仲間の輪が
      ここでも繋がってますね(^O^)


      SFにうとい自分が
      この作品を知ったのは
      恥ずかしながら
      先頃紹介した
      『草子ブックガイド』という漫画からでした。

      そこで描かれる
      この作品に対する
      主人公である草子のレビューが、
      nico314さんのレビューに勝るとも劣らないほど素晴らしくて、
      コレは絶対読まなければと
      固く誓ったのでした(笑)


      いつもいつもタイミングが遅くて(汗)
      皆さんにいい作品を教えられてばかりですが、
      無事読了した暁には
      ここでまた熱く語らせてくださいね(笑)

      併せて『草子ブックガイド』も
      nico314さんには
      是非とも読んでみてもらいたいなぁ〜♪
      (ホンマ心からオススメします!)


      2013/05/02
    • nico314さん
      円軌道の外さん、こんにちは!

      >ブクログ仲間の輪が
      ここでも繋がってますね(^O^)

      そうなんですよ!!
      円軌道の外さんは...
      円軌道の外さん、こんにちは!

      >ブクログ仲間の輪が
      ここでも繋がってますね(^O^)

      そうなんですよ!!
      円軌道の外さんはじめ、本をきっかけにみなさんと交流させていただいて、
      楽しみが広がっていくのがたまりません!

      「草子ブックガイド」大変気になります!
      おもしろそうですね。

      自分で選ぶ本だけだと、どうしてもお気に入りの作家さんの追っかけや
      新聞などの書評欄からの情報が中心になってしまうのですが、
      みなさんのオススメやレビューからの情報のおかげで、
      以前なら恐らく手に取らなかった本を楽しめるようになっています。
      ありがとうございます!!
      2013/05/03
    • nico314さん
      追記

      ネットの海を彷徨っていたら、山下達郎が「夏への扉」という歌を歌っていると知った。
      youtubeで聞いてびっくり!
      タイトル...
      追記

      ネットの海を彷徨っていたら、山下達郎が「夏への扉」という歌を歌っていると知った。
      youtubeで聞いてびっくり!
      タイトルは知らなかったが、確かにその歌を以前よく聴いていた。
      そして歌詞の内容は、まさに「夏への扉」を唄っていた。
      聴いていたのに、口ずさんでいたのに、まったく気付かなかった。

      かのこちゃんには劣りますが、「知が啓けた」瞬間でした!
      2013/05/03
  • 1970年と2000年をワープするSF小説なんだけど、今ではもう2000年もとっくに過ぎてしまって、今の便利さが当たり前のようになっている。
    30年後がどうなるかなんて想像がつかないが、30年前を思い返すと一瞬のことのように思える。時間てほんとに不思議だ。
    現実では後戻りすることができないが、小説ではいとも簡単にできてしまう。未来にも行ける。
    なんて夢があるんだろう。
    この本はきっと何十年後も色あせないで読み継がれていくのだろう。
    タイムトラベルは永遠の夢だよ。

  • 久しぶりの再読です。
    猫好きにはたまらない傑作SFですが、私にとってはもう1つ惹かれる要素があるのです。
    それはこのストーリーが自分の誕生日から始まること。(…西暦は違うのですがw)
    初めて読んだときから、愛着のある1冊です。

    主人公のダンの頭のよさと口の上手さも、たまらなく小気味よいです。
    恋人と親友に裏切られ、会社も追い出され、画期的な発明までも取り上げられた人生のどん底にいても、30年後に目覚めた世界の変化に戸惑いや不満があっても、彼は自分の信じる道を自分のやり方で突き進んでいく。
    常に前向きでタフな姿に「行けー!」とエールを送りつつ、実は彼から励まされてばかりだったりします。
    愛猫・ピートとのチームワークも最高!

    • 8minaさん
      すずめさん、これ大好きな1冊です。はるか昔に読んだ本。表紙の扉の向こうを見つめる、ピートの後ろ姿が印象的。
      すずめさん、これ大好きな1冊です。はるか昔に読んだ本。表紙の扉の向こうを見つめる、ピートの後ろ姿が印象的。
      2016/02/10
  • 私にとって初めてのハインライン。夏の楽しみにとっておこうと思って本棚で寝かせておいたのだ。『夏への扉(The Door into Summer)』、なんて素敵なタイトルだろう! 個人的には『ライ麦畑でつかまえて(The Catcher in the Rye)』に次ぐ、ナイスな日本語タイトルだ。

    ところが内容はというと、ちょっと微妙…といったところ。「タイムトラベルもの」なのだが、冗長さやツメの甘さが目立つのだ。例えばタイム・パラドックスについての考証が甘い。「造物主が作った人間の技術で行うことにパラドックスなどあり得ない」という説明には思わず脱力してしまった。神様持ち出したらSFの醍醐味なくなっちゃうじゃん~!

    実際、評価は二極化しているようだ。SFオールタイム・ベストを募ると、日本では『夏への扉』は上位にランクインするが、本国アメリカでは名前すら挙がらない。日本でも一般読者の人気は非常に高いが、書評家の評価はそうでもないという状況だ。

    では何が日本の読者にウケるのかというと、多分サイエンス以外の要素だ。まず、猫のピートの存在。我々は理屈ぬきでマスコットキャラクターに弱い民族だからだ(ピカチュウ、ジバニャン然り)。さらに、裏切られた主人公が一発逆転すること。少女とのロマンス。そう、この作品はSFというより、ハッピーエンド至上主義の娯楽小説なのだ。ロジックよりも爽快感を楽しむ物語なのである。

    まあ、ピートが可愛かったから私は良しとしよう。タイトルとプロローグとエピローグだけは詩的で冴えまくりなのだが、それはひとえにピートのおかげだからだ。本作が「猫SF」と呼ばれる所以である。

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