天空のリング (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2010年8月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784150117719

みんなの感想まとめ

人類とAIが融合した未来社会を舞台に、共同体「ポッド」が描かれる物語は、荒廃した世界を再生しようと奮闘する若者たちの成長譚です。ポッドは、フェロモンによるコミュニケーションや記憶の共有を通じて、個々の...

感想・レビュー・書評

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  • 一人なのに一人じゃない.「もう一人の叡福寺清子が発言した」みたいな表現がままあって,最後までそれに違和感を感じてしまった.逆にいうと,その違和感こそセンス・オブ・ワンダーでSFとしては正しいのかもしれませんが.「助米どうすんの?」という疑問にも,それなりの回答が用意されてて一安心.
    最後はちょっと哀しい.

  • 最初はよくわからなかったけど、読み進めるうちに設定を理解していく構造が面白かった。
    個人的に世界観は好きでした。
    ただ、全体を通しての一貫性がないというか、一応繋がってるんだけどやっぱりそれぞれのエピソードが独立しちゃってて接着した感が否めないというか…。
    あと最後の終わり方にあんま説得力感じなかったというか…。
    いろいろと惜しい感じがしました。

  • 設定がいまいち理解できなかったのが残念で、次作に期待

  • 人類とAIが融合した<共同体>の突然の崩壊により荒廃した世界を立てなおしたのは、統制府が創造した二人~五人の集団「ポッド」だった。
    フェロモンで会話し、接触によって記憶や感情の共有化など、なかなかイメージがしにくい。 
    一人よりも複数人のマルチタスクならば頭の回転が良くなるよね?という理屈かな。 
    シングルコアよりもマルチコアの方がCPUの能力が上がるみたいな? 
    主人公(たち)は20代のポッド。 彼らの成長譚です。
    「リング」は完全に脇役です。(リングワールドが懐かしい)
    結局、彼らの覚醒は進化か? AIがあらかじめ書いたシナリオだったのか? うむむ・・・

  • 特異点(シンギュラリティ)を突破したAI
    遺伝子操作による人体改良
    佳作でした

  •  久しぶりに面白いSFを読んだ。
     宇宙船の船長になるべく訓練を受けている、5人でひとつの人格を形成する少年少女たち。力担当や交渉担当という役割を持った彼らひとりひとりのストーリーと、かつて数十億の人類とAIが結合していた地球の再生物語が混ざり合って、粗っぽさはあるけど大変面白かった。
     これは、フェロモンを通じて仲間と感情を共有できる人工的な特殊能力と、他人を気遣う彼らの内面性のギャップが話に奥行きを持たせているんだろうな。テイストは60年代や70年代のSFによくあるような懐かしさなのに、最近の著者のデビュー作と知ってびっくり。

  • 遺伝子工学により肉体を改変され、複数の人間でいながら一個体と活動することが出来る集合体。

    このアイデアで真っ先に思い浮かぶのが、シオドア・スタージョンの「人間以上」に描かれたホモ・ゲシュタルトだろう。(超能力者の集団という意味では、筒井康隆「七瀬ふたたび」も近いものを感じる)

    社会に適応できない超能力者たちが力を合わせることによって、大きな力を持つ一個体になる、というのがホモ・ゲシュタルトであり、日本の合体ロボのイメージが近似している。

    しかし、この小説の中に描かれる集合体は、生まれる前から遺伝子工学により集合体として生きていくように設計された人間のグループであって、それぞれ交渉や計算、腕力などの各分野に特化して身体を作り替えられているため、一人一人では満足に作業をこなすことも出来ない。意志決定に際しては、集合体内で討議が行われ(情報は共有できる)、決定役が最終的に判断する。繋がりが途切れると混乱して行動を止めてしまう。一人一人名前を持ち、個性を有するが、集合体としての名前も持つ。

    なんだかとてもバランスが悪いような気がするのだが、彼ら一人一人の個性が物語を楽しく魅せてくれる。思慮深かったり、臆病だったり、感情的だったり、それら全てが集合体として一人の中に収束していく。

    一人よりも複数で考えて、よりよい答えを選んでいくという彼ら。結局は僕らの社会だって同じものを目指しているのだから、それを単純化しているだけにも思える。


    アイデアは面白い。
    あとは物語の必然性をもっと詰めてくれれば最高だった。

    ・メダ以前に誰もリングに入らなかったのは何故か?
    ・レトは他の誰にもインターフェイスをつけなかったのか?
    ・もっと多くのAIがあらわれない理由は?
    ・5人ポッドの必要性は?

  • 意外と面白い話でした。人類とAIが融合した共同体が崩壊した後、遺伝子操作を受けたポッドとよばれる、2-5人の集団が造られた。彼らは、匂いで会話し、意識を共有する。その中で、特異な5人ポッドが新たなAIとの共生の関係を作り、新たな地球の方向を導こうとする。それまでの、冒険に次ぐ冒険。この世界のバックグラウンドがしっかり描かれており、楽しい一冊になりました。

  • 少し、この小説の舞台での専門用語が多くて最初戸惑いますので、本の背表紙のあらすじは読むの必須ですね。馴れれば面白いです。
    五人で一人のアポロ。それぞれに個人名はあるのだけれど、彼らはいつも五人でようやく一人前。それぞれに専門分野があって、それぞれに役割分担がある。誰が欠けても駄目で、誰かが増えるのも駄目。
    周囲の思惑が、それぞれの足を引っ張り、集団から切り離そうとする。最後がとっても切ないです。

  • 複数人で1人となる、という世界設定が好きだ。
    フェロモンで意思疎通っていう設定も素敵。
    ただ、どうして4人1組がノーマルで5人1組がイレギュラーなのかとかのそこら辺は理解力が残念なため分からなかった。物語の根幹なので残念。ここが分からないと、「5人」の必要性がわからず、少し展開がご都合主義的に見えてしまう。
    しかし、小隊単位で動く物語が好き過ぎる上、個別認識のこういう遊びは中学のころからごろごろ考えていたので、割と幸せな作品だった。つねに5人で一体であるのに、5人が5人とも孤独を抱えているのが一番素敵だ。

  • ローカス賞受賞!と帯にデカデカと書いてあったので。
    ネビュラとヒューゴとローカス賞受賞、とあると読んだことのない作家さんの本も手に取りやすくなります。

    色々と斬新な世界設定でどこから感想を書けばよいのか悩みます。とりあえず個人的には熊が良いですね。熊、熊!
    彼等のやることなすこと色々と一筋縄ではいかなすぎて面白いのですが作中の人物に言われるよう5人も居るのに一人分の知識にも足りない所は時々あるかも。
    他人と個人との違いとはなんだろう?と久々に思いました。

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著者プロフィール

英米文学翻訳家。訳書にケッチャム『隣の家の少女』ほか多数。

「2016年 『塔の中の部屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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