- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150117771
作品紹介・あらすじ
波瀾にみちた幼年時代を送った少女ゾーイは、コロニー防衛軍を退役したジョンとゴースト部隊出身のジェーンの養女となり、植民惑星ハックルベリーで幸せな日々を送っていた。やがて両親とともに新たな植民惑星をめざすが、宇宙船は目的の星に到着しなかった。しかも、ゾーイたちは思いもよらない陰謀にまきこまれていく…『最後の星戦』をゾーイの視点から描き、その知られざる冒険の旅を明らかにするシリーズ第四弾。
感想・レビュー・書評
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「最後の聖戦(老人と宇宙3)」の物語を、ジョンとジェーンの養女ゾーイの視点で描き直した物語。
物語の展開が読む前から分かっているので、ワクワク感はなかった。ただ、前作でエピソードが描かれなかった、狼男(ロアノーク原住民)と人類の軋轢の顛末や、ゾーイがコンクラーベの創設者ガウ将軍に直談判に行き、コンスー族から最新兵器を借り受けて無事戻ってきた冒険譚がしっかり描かれていたので、充分楽しめた。第3作と第4作セットで物語完成という感じだ。
てっきり、第3作では第4作を狙って敢えてエピソードを省略したのかと思ったら、巻末の「感謝のことば」を読んだら、第3作に対する読者からの質問や不平不満が第4作執筆の動機になったとのこと。計算し尽くされたものじゃなかったんだ。それにしては良くできてる。
オービン族の志願兵百人を前にしたゾーイの演説にはちょっと感動した。
同じ手法で書かれた「エンダーズ・シャドウ」も読まなくちゃな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本作品では主人公がゾーイとなり、まさに書名通り“ゾーイの物語”となっている。前作「最後の聖戦」の裏話的なものとなっているそうだが、前作のストーリーを忘れているので、新鮮な気持ちで読んだ。
個人的な読みどころは、登場人物のパワーバランスというか義理人情をベースに前進するゾーイやオービン族の姿かなと思う。ゾーイはオービン族と特別な関係があり、オービン族はゾーイのためなら平気で命を投げ出すといった特殊事情の中、オービン族はコンスー族との過去との関係があり、さらにコンクラーベやコロニー連合との関係など、複雑な人間模様(宇宙人模様?)が描かれる。特に難しいところはないが、シリーズものなので、前三部作は読んでおいたほうがよい。 -
3部作で充分楽しめたので、これはどうかとあまり期待してはいなかったけど、読んで良かった。面白かった。オービン族には不覚にも涙腺が緩んだ。
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最後の星戦の裏話というよりは、少女の成長物語。
見た目は不気味なんでしょうが、名前はかわいい、オービン族のヒッコリーとディッコリーが歌っているところを想像して萌えました。 -
ゾーイの視点で、ロアノーク編の謎の部分を解き明かしてくれる。最初の部分が少々かったるいのがご愛敬だが、そこを我慢して読み進められれば、おいしい果実が待っていることは間違いない。ヒューゴー賞候補となったことも分かる。
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シリーズ前作を別の登場人物の目線で語る構成に期待をしていなかったのですが、このシリーズの世界観をぐっと広げ、楽しませてくれるものでした。
終盤、主人公のセリフが心に響き、感動も感じ得る内容です。 -
『最後の星戦』を娘のゾーイの視点から描いたもの。『最後の星戦』では描かれていない部分があり、ぼやけていた部分が鮮明に見えるようになる感じで、これはこれでおもしろい。
ゾーイは遺伝子的にも生育環境的にもエリートで、パワフルでたくましい。だけどこれだとワンダーウーマンなんだよね。出来過ぎちゃん大活躍の話になっていて、ティーンの女の子視点のおもしろさはあまり感じられませんでした。
本編には関係ないけど表紙イラストも話のイメージと違う。『老人と宇宙』の緑色の皮膚の人間のイラストは説得力があるんだけど、こちらはあまりにも不自然な格好で萎える。象のペンダントをしているとか、ペットの犬を一緒に描くとか、もうちょっと考えて欲しい。 -
スコルジーさんが
頑張って女の子のセリフを
ガンガン考えてるのを想像しながら読めば楽しめる。 -
このシリーズで一番よく、最後は泣かされた
表紙 7点前島 重機 内田 昌之訳
展開 7点2008年著作
文章 7点
内容 780点
合計 801点 -
シリーズ1-3作を一気読みした流れで外伝にも手を出した。。第3作「最後の星戦」の主人公ペリーの養女ゾーイの視点で書かれている。
神宮外苑のスケート場で娘がスケートしている午前中にダウンロードして読み始め、代々木公園の森の中と、品川の映画館でズートピアがはじまるまでの間に読み進み、夕方自宅で読み終わった。 -
「老人と宇宙」シリーズ第4弾は、ジョンとジェーンの養子であり、オービン族に意識を与えた天才科学者ブーティンの実娘ゾーイの物語。同シリーズ第3弾「最後の星戦」で描ききれなかった場面(とりわけ終盤のゾーイがガウ将軍とケリをつけてくるところ)を補完する作品との位置づけです。従って、基本的には前作と同じ時系列で展開していくので、「あぁ、あの場面の背景ではこんな事態が起こっていたのか」と楽しめる作品になっています。こう言うと、ただのサイドストーリー的な扱いになってしまいますが、そこはジョン・スコルジー、侮るなかれ。狼男との和解をガウ将軍に絡ませてくる展開に感心し、終盤に描かれるゾーイとオービン族の対話には思わずホロり。というか、このシーンはまったく反則でしょう。ゾーイの生い立ち、オービン族の実直さ。これらにまつわる種々の思いが結実する展開には、いやはや感動せずにはいられません。
さて、これにて本当の意味で「老人と宇宙」シリーズは一応の終わりを迎えたようですが、どうやら第5弾もある模様。次はどんな楽しみをもたらしてくれるのか、楽しみで仕方がありません。 -
老人と宇宙3を上下巻にしてまとめればよかったのに。3巻読んでから結構間を空けて読むと面白さが半減しそう。結構中途半端。
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オモロイ
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ゾーイの感情中心で書かれており、ハードな部分が省略されて…「圧勝だった」の一行で終わる戦いって…つまらん。
アメリカ的家族愛やストーリーに関係無い恋愛部分を飛ばすと1時間で読み終わる内容。 -
この感動が得られるまでに、3冊読まなければいけないのだけど、まさにあっという間でした。いわゆるミリタリーSFに分類される「老人と宇宙(そら)」シリーズだが、実際の戦争(ベトナム戦争とか)を背景にした他の作品とは異質な感じがした。もちろんドンパチ・流血あり、ミリタリーというだけで敬遠する人は多いと思うけどぜひトライしてほしいです。3作目「最後の星戦」と本作は視点を変えた同じストーリーなので一気に読むことがお勧め。
見事なまでの大団円は、読書の醍醐味。 -
前作のサイドストリーとして書かれた本作。前作の未消化だった部分を補完する作品になっている。「質のいいジュブナイル」というティストはハード系が好きな人には厳しいかも?やはり作者も娘を持つと内なる変化があるのだろうか(笑)ともあれ、本シリーズはやっぱり1作目のキワ物ともいえる作品がやっぱり一番面白い。以降の作品はどれもそれを越えていないと思います。
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『老人と宇宙』は前作で完結したはずなのに(ええ、完璧な完結でしたよ)、『ゾーイの物語』を読み終わってみれば『ゾーイの物語』のない『老人と宇宙』なんて考えられない。SFの良いところをとことん盛り込んで、しかもうまくて、爽快で、そしてちょっと泣かせる(朝の通勤電車のなかで泣けて困った)。また1冊目から読み返したくなっちゃったなあ。
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「老人と宇宙」シリーズの外伝。
第 3 部「最後の星戦」をゾーイの視点から綴ったもの。
10 代の恋と友情の物語に、
途中で読むのを止めようかと思った。
「最後の星戦」でよくわからなかった、
先住知的生命体のことも書いてあるが、
あんなので良いのか??
ゾーイが持ち帰る「誘導フィールド」の件も・・・。
コンスー族との戦いの前、
100 人のオービン族に対するゾーイの語りが唯一救いであった。
この作品は、書く必要があったのであろうか?
この作品を、読む必要があったのであろうか?