作品紹介・あらすじ

少年は、14歳の誕生日のあと間もなく、農場を出て街をめざす自分を、毎夜夢に見るようになった。だが、彼の行動はある強固な意志によって制御されていた…。現代SFのトップランナー、イーガンによる本邦初訳の表題作。スタージョン記念賞を受賞したマルセクの究極のVRSF「ウェディング・アルバム」ほか、ブリン、マクドナルド、ソウヤー、ストロスら現代SFの中心作家が、変容した人類の姿を描いた全12篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • コロナの時代だとSFが身にしみるってことで「ポストヒューマンSF傑作選」。好きなタイプは時間SFの方で、どちらかというとこのジャンルは小難しくて苦手なのだけど、読んでみるとどの作品もとても示唆的で、SFは現代社会を解くための優れたフレームワークだってことが良くわかる。後書きに本書のテーマが「テクノロジーによって変容した人類の姿、そしてそれにともなって倫理観や価値観、さらには人間性の意味や人間の定義までもが大きく変化した世界の物語」とあるが、実際にいま、世界は大きく変わりつつある。テクノロジーが変えるというより、テクノロジーは変わることを手助けする。例えばVRは去年まで必然性を感じなかったのに、今は突然、必要な技術のように感じる。VR技術が世界を変えるのではなく、世界が変わらざるを得ないときに、VR技術がそれを後押しするのだ。
    以下、印象に残った作品。
    メアリ・スーン・リー「引き潮」ラストシーンの眩さに泣ける。
    デイヴィッド・マルセク「ウェディング・アルバム」意識までは記録にとどめたくないな。
    ロバート・J・ソウヤー「脱ぎ捨てられた男」何と無くオチはそうなのかなと思いつつ、ジレンマに共感。
    ブライアン・W・オールディス「見せかけの生命」ロマンチックなグロテスクのような。
    デイヴィッド・ブリン「有意水準の石」こちらもオチはあ、そうかと思ったけど、設定がかなり魅力的だった。
    そのほかの作品。
    ジェフリー・A・ランディス「死がふたりをわかつまで」
    ロバート・チャールズ・ウィルスン「技術の結晶」
    マイクル・G・コーニイ「グリーンのクリーム」
    イアン・マクドナルド「キャサリン・ホイール(タルシスの聖女)」
    チャールズ・ストロス「ローグ・ファーム」
    キャスリン・アン・グーナン「ひまわり」
    グレッグ・イーガン「スティーヴ・フィーヴァー」

  • スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)

  • これだけ、何故かどのお店でも売ってなくて読むのが遅れた。
    なんでだったんだろうか。

    他の2冊と同様、傑作選の名に相応しい品揃えだった。
    「SF」の世界は本当に奥が深いなあ・・・。

  • 小説

  • 表題作『スティーブ・フィーバー』 スティーブに作られたナノマシン群体が世界中の人々をまるで熱病(フィーバー)のように操り亡くなったスティーブを再現しようと手足として使う世界。より再現性を高めるためスティーブの過去を演じさせる人々。はるか遠い未来人が作ったナノマシン達が過去にすがり人々を操る皮肉。
    ウェディングアルバム、グリーンのクリーム、見せかけの生命。他の話も人間という枠すら超えた技術や姿になる時代においても過去や思い出にすがる話が多かったように思う。
    特に好きだった話は『タルシスの聖女』純粋な精神存在になろうとしついには火星の機械の女神になった女性。それにたすけられた老人(恐らく助けようとしたのは彼が乗っていた列車(機械))その孫の話。轟音をあげて火星を突っ走る列車、乾いた風、嵐。見たこともない景色なのにどこか頭に浮かぶような話。

  • SF。短編集。
    初めての作家さんの作品を気軽に読めるのが、アンソロジーの良いところ。今作では、以前から気になっていたロバート・J・ソウヤー、何作か挑戦するも一度も読み切れなかったグレッグ・イーガンを読めたのが収穫。
    イーガンの表題作は、著者としてはかなり読みやすい作品なのではないか?
    ベストは、ソウヤー「脱ぎ捨てられた男」。
    世界観が気に入ったロバート・チャールズ・ウィルスン「技術の結晶」、ベタに感動するメアリ・スーン・リー「引き潮」も好き。

  • ポストヒューマンという、ジャンルが性になってないみたい。興味が持てない。

  • SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー第3段の収録作は、以下の通り。

    死がふたりをわかつまで (ジェフリー・A.ランディス)
    技術の結晶 (ロバート・チャールズ・ウィルスン)
    グリーンのクリーム (マイクル・G・コーニイ)
    キャサリン・ホイール(タルシスの聖女) (イアン・マクドナルド)
    ローグ・ファーム (チャールズ・ストロス)
    引き潮 (メアリ・スーン・リー)
    脱ぎ捨てられた男 (ロバート・J・ソウヤー)
    ひまわり (キャスリン・アン・グーナン)
    スティーヴ・フィーヴァー (グレッグ・イーガン)
    ウェディング・アルバム (デイヴィッド・マルセク)
    有意水準の石 (デイヴィッド・ブリン)
    見せかけの生命 (ブライアン・W・オールディス)

    本書の副題にあるポストヒューマン。
    「ポストヒューマンとは何ぞや」と脳裏に疑問符が浮かびますが、そこは編者があとがきにて説明してくれてます。
    あとがき曰く、副題すなわち本書のテーマは「テクノロジーによって変容した人類の姿、そしてそれにともなって倫理観や価値観、さらには人間性の意味や人間の定義までもが大きく変化した世界の物語」とのこと。

    割と興味のあるジャンルなんですが、正直いくつかの作品は難しかったです。というのも、意味の解らない単語が頻出するからなんですよね。まぁ意味を調べろよって話ですが、あまりにも多くて途中で辟易してしまいました。

    そんななか、群を抜いて面白かったのが「ウェディング・アルバム」と「引き潮」。
    「ウェディング・アルバム」:人間の意識や記憶をデジタル化し、仮想空間のなかで”アルバム化”する未来社会が舞台。生身の人間は、アルバムの閲覧とともに複製したその時の自分と向き合うことができる。技術の発展とともに、複製の機能は向上し、同時にこれらを取り巻く状況も変化していき…

    「引き潮」:不治の病を患った人間に施される究極のテクノロジー。それは人間をサイボーク化することであった。倫理に反するこのテクノロジーが認められつつある社会で、主人公は、病に侵された娘と対面する。
    人間のエゴイズムが、非倫理を超えた悲劇を生むという点でとても興味深い物語です。

    その他面白かったのは、「脱ぎ捨てられた男」、「有意水準の石」、「見せかけの生命」。

  • SFマガジン50周年記念アンソロジー、第3作。ポストヒューマンSFという何やら馴染み薄いジャンルである。(単に私の守備範囲じゃないだけ)意味不明なものも数作、いいと思ったのは立方体に手足が生えた人格がバカンスを満喫する「グリーンのクリーム」、デジタルコピーした人格対生身の人間という映像化したら面白そうな「脱ぎ捨てられた男」、出だしからノンストップで未来を見せる、落ちも含めて一番面白かった「ウェディングアルバム」、古典的味わいを感じる「見せかけの生命」ぐらい?表題作の「スティーブ・フィーバー」も勉強不足
    で良く判りませんでした。「ウェディングアルバム」を含む数作にAIもしくはクローンもしくはコピーに人格を与えるという発想があり、精神をコピー出来るのなら人格とは?人間とは?生殖とは?と中々考えさせるとは思いましたが・・・。ちょっと不完全燃焼でした。

  • テクノロジー(SF作家の想像力)によって変容した人類の物語。
    その中で、何が本質か?失くしてはいけない大切なものとは?
    という普遍的なテーマを提示し、訴えかけてくる短編集です。

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著者プロフィール

1961年、オーストラリア西海岸パース生まれ。SF作家。西オーストラリア大学で数学理学士号を取得。「祈りの海」でヒューゴー賞受賞。著書に、『宇宙消失』『順列都市』『万物理論』『ディアスポラ』他。「現役最高のSF作家」と評価されている。

「2016年 『TAP』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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