プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2011年9月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784150118266

作品紹介・あらすじ

地球から遙か遠宇宙のブラックホールで行われた壮大な実験とは?──ローカス賞を受賞した表題作他、全7篇を収録する最新短篇集

みんなの感想まとめ

壮大な宇宙を舞台にしたハードSF短編集は、イーガンの独特な世界観と人間ドラマが融合した作品群です。科学的な設定や斬新なアイデアが満載で、予測不可能な展開が読者を惹きつけます。特に、ブラックホールを探求...

感想・レビュー・書評

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  • 面白いものもあるが自分には正直言って少し難しかった

  • 久々に読んだイーガンさん。これまでの作品に輪をかけて容赦ないハードっぷりで苦戦したが、それに見合う面白さだった。
    イーガン作品のいいところは、まず人間ドラマが秀逸なこと。そして、背景設定や小道具といったサイエンスの部分が(いい意味で)馴染みがなく、それ故にドラマがどんな風に展開していくかが予想できないところだ。
    例えば超能力のある世界が物語の設定だった場合、能力の内容からある程度物語の展開やギミックは予想できる(「読心」だったら、能力を生かして事件を解決したり、能力に対する葛藤みたいなものが描かれるのかな。といった予想ができる)。だが、「ブラックホールにダイブすることでプランクスケールの物理学を解き明かそうとする探索活動」や「精神が電子化された世界においてなお、肉親のために生き方を縛られる少女」などの設定・登場人物からどんな展開が予想できるだろうか。一行読む毎に衝撃を受け(ときには理解に苦戦し)、そして決まって最後には、どれだけ時代が進んだ未来の話であっても、人間にとって普遍的なテーマについて深く考えさせられる、鮮やかな結末を迎える。


    SFの強みを最大限生かし、かつ他では味わえない感動を与えてくれるイーガンの作品を、今後もチェックしていきたい。

  • 文字通り世界最高のSF作家グレッグ・イーガン。
    これには誰も口をはさむ余地は無いだろう。

    日本で発売されている短編集「祈りの海」、「しあわせの理由」、「ひとりっ子」では、ハードなSFガジェットや数学理論を駆使しながら、人間の根源的心理を深くえぐるような作品が綺羅星のように並んでいる。

    ハードな設定が多く難解さが読み手のハードルを上げているのだけど、分からないところは適度に読み飛ばすくらいがちょうどいい。

    この短編集でも最初から飛ばしている。

    仮想空間内における進化のシミュレーションに対する神のごとき関与は倫理に反するかという“クリスタルの夜”、自分のクローンを延命処置に利用する“エキストラ”、異星間コミュニケーションを描く“グローリー”などなど。

    でも、一番気に入ったのは“ワンの絨毯”。

    人間が知覚しているからこそ宇宙が存在するという人間宇宙論者が、肉体を捨てて自己をソフトウェア化して旅した宇宙の涯で初めて出会った異生物が、生物的コンピューター内に構築された仮想空間の生物だった、というエスプリの効いた作品。

    自らを仮想化して見つけたのが仮想生物だったなんて、皮肉がたっぷりで笑ってしまった。



    それから、最後の一編“伝播”

    未完成の理由、それが分かればいい。
    もしかしたら、これまでに見つかっている古代文明の謎もそのあたりで解けるのかもしれない。

    未来へ伝えたいメッセージでもある。

  • 正直私には難しすぎてチンプンカンプンでした。理系の素養のない人は手を出さない方が無難かも。

  • いやぁ骨太のSF、お腹いっぱい
    プログラミングの知識があってこそのとか、数学で異世界と熾烈な攻撃しあうのとか、発送が不思議で楽しい
    SFは知的な想像力を刺激されるというのを認識させてくれる

  • ハードSF短編集。このジャンルの第一人者・イーガンの短編集の中でも、極めてハード寄りな作品の多い一冊です。
    ちょっとやそっとじゃ想像もつかない遠未来・遠宇宙や別次元のテクノロジーとそれにまつわる事件だったり葛藤だったりはたまた驚愕の新発見だったり。
    中でも、異なる数学体系を持つ別世界との接触を描く「暗黒整数」、人類の宇宙観を揺るがす特異な生命体の発見を描く「ワンの絨毯」の2編が飛び抜けて印象深く。前者は「ひとりっ子」収録の短編「ルミナス」からの続編で、後者は後に長編「ディアスポラ」の一部として取り込まれるらしいけどどっちも知らずとも存分に楽しめるクオリティです。
    ギミックとしては専門的な知識・理解を要求するものが多いっていうかこれプロの専門家向けだろってツッコミ入れたくなる部分もあるけど、そのへん乗り越えるか適当に流すかしとけばあとはもう未来へ拡散する発想・想像力の爆発が楽しみ放題。名作だね!

  • 何と云っても「ワンの絨毯」が白眉。

  • 『エキストラ』と『グローリー』、それに表題作の『プランク・ダイヴ』が好き。

  • すばらしい
    表題作も良かったが『ワンの絨毯』はそれ以上。SFの普遍的テーマにあきれるほどたくさんの要素を盛り込み、それでなお太い物語のラインがあり、メインのアイディアの驚きも強い。うーんすごい。
    諸作ともコムズカシいとこは多々ありますが、それを読み流し(失礼)ても楽しませるパワーがあります。広くオススメ。

  • ついていくのがやっとの話もいくつかある。

  • なかなかハードなSFです.
    とりあえず難しい.

    ひとつひとつ理解しようとすると
    そこで止まってしまってなかなか進めないf^^;

  • SF好きとは言うものの、
    自分はライトノベルに毛が生えた程度のものしか読んで
    きてなかったな、と痛感。

    本中3本目から一気にハードSFの世界に
    飛び込んで行くのだが、そのあたりから
    ついて行くのがやっとだった。

    読んでいて分からないところが
    いくつか出てくるのだが、その辺りは
    あとがきにもあるように雰囲気だけ感じて
    ドンドン読み飛ばしていくのだが良いんだろうと思う。

    個人的に好きなのは「暗黒関数」か。

    解釈がうまく出来ているかは分からないけど、
    この世界と違う世界があるとしたら、
    そこから受けるのは単純な侵略とかではなく、
    こういった危うい関連性になるのでは、と
    想像力が膨らんだ。

  • この世界がある物理法則を与えられたシミュレーション世界だと言われても、否定できんなあと思った。

  • イーガンはだいたいそうだが、かなり物理学の素養がないと難しい。といっても、発想や設定が面白く、ぐーっと引き込まれるのだが。

  • 7編を納めた短編集。短編「ワンの絨毯」は「ディアスポラ」に取り込まれている。

  • 帯に「SFの最先端の、その先!」とあるが、まさにそのような内容。難解であり、理解でない(かもしれない)ということ自体を楽しむ。自分読みたかったハードSFがここにある。

  • 比較的最近の作品を収録した短編集。短編はアイデアが凝縮されてて面白い。

    「暗黒整数」で相手方にダメージがある(飛行機が墜落するなど)のは、数学の定理を変化させたために、それを基盤としたシステムに異常が生じたからという理解でいいのかな?爆弾というのは、数学理論を破壊するという意味の比喩として読んだ。前作を読むと理解できるんだろうか。

    5ページに渡って機械的なシークエンスだけが展開する部分では、最後までそのままの調子で続くのかと思った。そんな小説も読んでみたい。

  • グレッグ・イーガン短篇集。当カテゴリでは最早間違い無いデス。

    収録作「暗黒整数」は別の短篇集『ひとりっ子』収録の「ルミナス」の続編なのでそっちを先に読むコト。

  • やはり、難しいイーガン。
    基本的には、人間の存在について問いかけてるのだが、科学的事象についての記述が難解なので、
    すんなりと頭に入って来ない…。
    その為、ストーリーがどうしても薄れてしまう印象にあるが、それでもそれぞれの短編は面白い。

    特に、クリスタルの夜、暗黒整数、ワンの絨毯は
    オススメ。

  • やっぱりイーガンは最高だった!現代SFの極北、恐るべき存在であることを再確認。
    「クリスタルの夜」 人工知能を育成する話でSFマガジンで読んだときは「フェッセンデンの宇宙」をアップデートしてるだけだな、と印象が弱かったんだけど、再読したら面白かった。アップデートの部分もしっかりと考えられているのが分かった。人工知性の人権、という視点自体は個人的にはピンとこないんだけど。
    「エキストラ」 臓器移植用のクローンを持った金持ちの話。奇妙な味系といってもいい話で、一番親しみやすい作品。
    「暗黒整数」 「ルミナス」の続編、ていうけどアレ?こういう系統の話だったっけ?(笑)いやそれはともかくどハード数学SFなんだけど隣接する<向こう側の世界>と世界存続をかけた数学理論バトル(だよね?これ)がすごい。ちゃんとエンターテインメントにもなってるし。
    「グローリー」 延々と続くハードな描写に音をあげそうになったが、実はファーストコンタクトもの(途中から読みやすくなる)。しかし手垢にまみれた内容ではなく現代的で読み応えあり。
    「ワンの絨毯」 これもファーストコンタクトもの。再読。アイディアはすごいがこれが一番伝統的なSFらしい感じがする。ラストは非常に作者らしい。
    「プランク・ダイヴ」 情報化されどこでも転送できる人格、といった話(でいいんだよね?)はイーガンの十八番で『順列都市』やこの本でも「グローリー」がそうんなんだけど、神話との相克みたいな内容はになるのはちょっと意外。アイディアも難しくてよく分からないんだけど、これって神話批判なの?
    「伝播」 これまたアイディアは難しいけど、割とストレートなメッセージ性が感じられる作品。

    訳者の山岸真さんの解説にもあるように伝統的なSFの意匠をまとった作品が多い。しかしそこはさすがイーガンで誰も真似のできない最先端の世界を見せてくれる。特に「暗黒整数」がおススメ!

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著者プロフィール

1961年、オーストラリア西海岸パース生まれ。SF作家。西オーストラリア大学で数学理学士号を取得。「祈りの海」でヒューゴー賞受賞。著書に、『宇宙消失』『順列都市』『万物理論』『ディアスポラ』他。「現役最高のSF作家」と評価されている。

「2016年 『TAP』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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