世界を変える日に (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2013年7月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784150119096

作品紹介・あらすじ

バイオテロのため、人類が滅亡してしまうと知った少女ジェシーは、ある決断をくだす。

みんなの感想まとめ

テーマは、絶望的な未来における選択とその影響です。主人公ジェシーは、バイオテロによって人類の存続が脅かされる中、自らの決断を迫られます。読者は、彼女の勇気や使命感に触れつつ、同時にその選択がもたらす悲...

感想・レビュー・書評

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  • 個人的に大好きな「終わる世界」が舞台の小説。
    人間の生殖が成立しなくなることにより、人類滅亡が運命づけられる、というのはフィクションの中でよくある話だとしても、そこの理屈がちょっと変わっている。
    また、ミソジニーとミサンドリーの対立があったり、グレタ・トゥーンベリとしか思えないような環境保護主義が登場したり、とても現代的な内容が扱われているのは興味深い。
    この舞台装置の中で、主人公の心理を追っていくという筋立てであり、そこは良いです。ですが、あまりに舞台装置に対する世界の人々の対応がひょうひょうとし過ぎていて違和感がありました。乗り切れませんでした。

  • 読了後の満足感と、しばらくは読み返したくない哀しみがせめぎ合うという、初めての体験をした小説。
    自立した勇敢?それとも使命?それで幸せは誰に訪れるの?と、考えることが多い作品でした。

  • 近未来、あるウィルスによって人類の存亡が脅かされる世界。主人公の少女は、世界が混沌とする中、周囲の人々との関わりの中で成長し、変化していく。この絶望的な状況の中で、彼女は自身の役割を見つめ直し、重要な決断を迫られるのだ。

    私は本書を読んでいる間、何度も考えさせられる瞬間があった。もし、こんな未来が来たら、私はどうするだろう? 答えなど簡単に見つかるはずもなく、ただただ悩み続けていた。特に印象に残ったのは、少女の心の揺れ動きである。彼女は、科学者である両親の影響を受け、理性的で冷静な一面を持ち合わせている。その葛藤が、彼女の行動を複雑なものにしているようにも思う。

    また、この作品は、SFでありながら、どこか普遍的なテーマを扱っていると感じた。それは、生と死、愛と憎しみ、希望と絶望といった問題である。SF作品は、しばしば未来を描くが、この作品が描く未来は、決して遠い未来の話ではない。むしろ、それは、今、直面している問題の延長線上にあるのかもしれない。生と死、愛と憎しみ、希望と絶望といった問題は、私たちが生きる上で避けて通れないものだ。この小説は、多くのことを考えさせ、生きる上で大切なことを教えてくれる。

  • 〈受胎告知〉が死を意味する世界で、「もの知り父さん」は死を覚悟した娘に何を言えばいい?近未来のいつの間にか、全人類が母体・死亡・シンドローム=MDSに感染していて、妊娠すると脳がボロボロになっていって月齢が3ヶ月になる前に死ぬ、もちろん胎児も。〈父さん〉は、受精した胚にワクチンを入れて子宮で育てるという人類を救う研究をしていて、MDS無縁の羊の子宮を使うなど突破口を模索している…早産で生存できる22週目以降まで母体を保護する技術は開発された、胎児生存率は16歳が最高/彼は職を辞し、娘を監禁して翻心を待つが

  • 再読。未来への決断。
    親の気持ちになり複雑。

  • 延々と遺書が続き読むのが苦痛であった
    表紙   6点牧野 千穂   
    展開   2点2011年著作
    文章   4点
    内容 310点
    合計 322点

  • SF

  • 世界を変える日に (ハヤカワ文庫 SF ロ)

  • 思春期特有の、視野の狭さと思い込みのおはなし。
    自分で選んだ決断だから、見守ってあげたいとも思うけど、
    両親の立場になってみればそうはいかないよなあ。
    広い視野、情報の選択スキルは生きていく上で身に付いていくものだと
    この年になってつくづく思う。
    そりゃあ若いうちはわからないよな~。

  • 正直に言おう、表紙のイラストに自転車が映り込んでいたのも、この本を買った理由の一つだ。ストーリーに自転車は関係ないが、316ページに自転車に乗る主人公が気持ち良く描写されている。

    物語の背景は近未来にある。
    バイオテロのため妊娠すると妊婦は狂牛病にかかり、早々に死に至るため、新たな子供は生まれなくなっている。わずかな光明として、受精胚にワクチンを接種し、生命誕生の汀で抗ウイルスの人類を生み出していく方法が考えられた。しかし、母体の脳はウイルスに蝕まれるため、生命維持装置で胎内環境のみ生かされ、出産と同時に死に至る。主人公は16歳にして、死に至ることを覚悟の上で母胎になる決意を固めるが、家族は反対する。
    舞台はSFの設定だが、物語は70年代以降に普遍的に見られる若者特有の反発心、自己犠牲心など、自我を獲得していく過程が書かれている。

    劇的なラストがあるわけでも、派手などんでん返しがあるわけでも無い。若気の至りを振り返る機会もなく、主人公は帰らないのだろうか。

  • あらすじを読んで面白そうだなぁと思い、読み始めました。16歳らしい感性を持った主人公に対し、共感できたり、逆に批判的になったり、物語内部での個人同士の考え方のすれ違いは勿論のこと自分自身と主人公のすれ違いを感じることもできました。

    その後、が気になるお話です。

    惜しむらくは、訳ですかねぇ……。私の訳法と異なる点が多々あったので、非常に、気になる点が幾つかありました。修飾部の扱いが英語の並びと同じように、文外での追加だったので……。日本語の文として、書いていただきたかったところです。

  • 表紙絵と設定に惹かれて読んでみたのですが……。

    まず、この本はハヤカワ SF から出るべきではなかったですね。あと、タイトルはオリジナルの直訳で出すべきだったでしょう。そうしたら、少なくとも私は読まなかったはずです。

    ストーリーは、粗筋に書いてあるとおりで、バイオテロにより女性が妊娠すると確実に死んでしまう世界で、唯一の希望と思われるウィルスに感染しておらず、またワクチンが接種された受精卵を主人公が妊娠するまでの決心するまでの描いた物語。

    未知のウィルスによって人類が滅亡するかもしれないという状況ながら殆ど恐怖も感じられず、かといって、ウィルスに対してなんとかして対抗していこうというようなサイエンスな話もなく、ただただ、主人公の女性(少女)の視線から、ごく狭い世界が描かれます。

    話の前半は、はっきりいってしまえば、中二病の世界。その後は、主人公が、色々と身のまわりで起きる出来事をきっかけに、自分が世界を変えなくてはと決心するまでの様が描かれているのですが、主人公も、その周りの人々にも殆ど共感できず、かといって SF 的な面白さがあるわけでもなく。

    そもそもテロリストが全人類に感染するウィルス(女性が妊娠すると、エイズを発症させかつ脳内でプリオン蛋白をつくる)を作成したとういう設定自体が何と言うか、という状況に加えて、この設定がこれ以上深堀されないということが残念でしかたがないです。あと、受精卵にワクチンを接種させるって技術的にできるのでしょうか。ワクチンって免疫細胞がないと意味がないような気がするのですが。

    一応、少数の少女達が犠牲になることで、世界を救うという最小不幸社会に向かおうとしている社会を描いた物語とも取れるのかもしれませんし、主人公の少女の思いと決断の強さを感じられる物語なのかもしれません。――ですが、残念ながら、個人的には、特に共感できるような内容もなく、 SF 的に面白い部分も感じられませんでした。パンデミックを扱った SF は好きなので、残念で仕方ありません。

  • 最後まで読みと通せなかったので評価もなし。
    ただ言えることは「帯の惹句にだまされた」

    思春期(反抗期)のハイティーンの独白を延々読ませれる苦痛。ムダに長い。
    世界が見えてこないのが致命的。

  • ”「たったひとつの冴えたやりかた」の純粋さと
    「わたしを離さないで」の衝撃“という帯のコピー。
    そして「世界を変える日に」というタイトル。
    期待があまりにも大き過ぎたのか、残念でしかない。
    読んでいる間も、まさかこのまま終わりじゃないよね?
    と何度も念を押しながら読んでいたのだけど、
    それが覆されることはなかった。

    確かに主人公ジェシーの選択という点だけでみれば
    「たったひとつの冴えたやりかた」のコーティーを
    思い浮かべるし、映画でしか観ていないけれど
    「わたしを離さないで」の空気感とも近い気はする。
    でも主人公が辿り着いた選択に説得力というか、
    そこに辿り着くまでの過程が受け容れられない。
    反対する両親をきちんと納得させられていないわけだし。
    誰もが幸せになれる選択や結論というのはないとは思うのだが、
    それでもコーティーは他に選びようがなかった。
    この作品のジェシーにはまだまだあったと思えてしまう。

    父親の今までの仕事と、ジェシーの決断後の矛盾は
    人間なんだなって感じでそこはよかった。

  • あとがきから子供が親に反抗し個人となる、
    勇敢、英雄的行為が周囲に与える影響とあるが、
    過去の世代をを槍玉にあげ、歩み寄りや相互の理解をしようとしない
    現在(未来)の世代の思い上がり、独善、
    他者との関係や自分の信じたもの以外を信じられない独りよがり、
    若者(未熟なもの)の夢見がちな陶酔を強く感じた。

    原題の多少ネガティブなイメージとは異なる邦題がついている
    ということは、作品全体を肯定的に捉える方も多いのかもしれないが
    帯の「たったひとつの冴えたやりかた」と「わたしを離さないで」
    どちらも好きな作品だし、後味も余韻もまったく違うので
    使って欲しくなかったかな。

    背表紙のあらすじを読むと、もっと違う描き方やストーリーの展開が
    あったのでは?と思わずにはいられない。

  • 政治かぶれした女の子のお話。
    SF的設定もないし、どんでん返しもないし。

    途中からは意地で読みました。。。

  • 駄作。完璧に時間の無駄だった。
    腰帯の「『たったひとつの冴えたやり方』の純粋さで、『わたしを離さないで』の衝撃を描き出した近未来フィクション」に騙されて買った自分の浅はかさを恨む。
    登場人物は全員正常な思考ができていないため、読んでいてイライラする。加えて設定も「これがSF?」と笑いたくなっちゃうようなお粗末なもの。
    辛い読書だった。

  • 全編が16歳の少女のモノローグで構成され、確かに作者が参考にしたという「アンネの日記」を連想させる。
    SFでありながらSF的な装置はほとんど出てこない、極めて叙情的な作品だ。

    読み進める中で、違和感を感じていた。
    人類の未来のために16歳の少女が自らの命を犠牲にするというテーマが、前大戦時の「特攻」を想起させるからだ。

    女性の妊娠と同時に発動してその女性の脳を破壊してしまうウィルス。
    バイオテロにより、いまや全人類がこのウィルスに感染しており、あらたな子供は生まれてこない。
    このままでは数十年後に人類は死に絶える。
    その危機的状況を救うために考え出された「眠り姫」計画。
    バイオテロ以前に冷凍保存された胚にワクチンを接種し、代理母の子宮に移植して育てる。
    代理母の脳は破壊されるが、生命維持装置によって命をつなぎとめ、子供が十分に育った段階で帝王切開により取り出す。
    同時に生命維持装置は取り外される。代理母は、まさしく子供を生むための使い捨ての装置だ。

    計画の参加者は確実に死ぬ。
    移植された胚が確実に成長して出産までこぎつける保証は無い。
    それでも、人類の救済という崇高な目的のために少なからぬ数の少女が志願する。
    本編の主人公もそうした少女たちの一人だ。

    いまひとつ素直に感動できないのは、こうした「特攻」的精神の描かれかたと右傾化する今日の空気に危ういものを感じるからであろうか。

    「眠り姫」計画に関与する科学者の一人であり、少女たちの自己犠牲を賛美していたにもかかわらず、最愛の娘が志願したと知るや何とか翻意させようと様々な説得を試み、あげくに娘を軟禁してしまう父親の方にこそ、人としての真実と健全さを感じさせる。

  • イシグロの「わたしを離さないで」といい、最近のイギリスの小説家はSFのフリして一般小説を書くのが流行りなんですかね。そういう小説の例に漏れずあまりおもしろくない。一般小説ほどキャラが書き込まれておらず、SFほど異世界感を出せてない感じ。未曾有の奇病に全人類が感染して(笑うとこかな、ここは)人類が数十年のうちに滅亡するかもしれない世界の話だけど、登場人物はみな頭が悪くて自分勝手で感心する。登場人物すべてがある種の陰謀論を信じてるという点では画期的な小説かもしれない。以前だったらイギリス人はバカだから、で済ませていたのだが2011年以降日本人も同じくらいバカだということが身にしみてわかったので痛切といえば言える。あの時期熱に浮かされたように陰謀論を説いてた人が静かになったのは良いことといえば良いことだけど、基本的なバカは直ってないわけで大事故があれば元の木阿弥となることである。

  • 「たったひとつの冴えたやりかた」+「わたしを離さないで」って、凄過ぎるかも!

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    「【アーサー・C・クラーク賞受賞】人類は滅亡する。 でも、わたしの決断で、運命を変えられる…… 『たったひとつの冴えたやりかた』の純粋さで、 『わたしを離さないで』の衝撃を描きだした近未来フィクション
    バイオテロのため、子どもがもはや生まれなくなる疫病に世界じゅうが感染してしまった。このままではいずれ人類は絶滅する。科学の横暴を訴えて暴動にはしる者、宗教にすがる者。十六歳のジェシーは慣れ親しんだ世界の崩壊を目撃する。彼女の父親ら研究者は治療薬開発に取り組むが、かろうじて見出されたワクチンには大きな問題があった。それを知った彼女がくだした決断とは……。少女の愛と勇気を鮮烈に描き出した作品」

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