空襲警報 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2014年2月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784150119447

作品紹介・あらすじ

「最後のウィネベーゴ」「ナイルに死す」他、ウィリスのシリアス系代表短篇全5篇を収録

みんなの感想まとめ

多様なテーマとユーモアが織り交ぜられた短篇集は、コニー・ウィリスの独特の視点を楽しむことができます。特に「最後のウィネベーゴ」や「クリアリー家からの手紙」といった作品は、ミステリや人間関係の深さを描き...

感想・レビュー・書評

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  • わたしはどうも、「しかけがある」っていう小説が苦手で。あと、「現状がどういう状態なのか説明がなされない」っていう小説も。絶対気づかない自信があるし、しかけがあるときいたら理解したと思っていてもいや気づいてないのかもって不安になるし。そういう意味で、「クリアリー家からの手紙」とか「最後のウィネベーゴ」とか「ナイルに死す」はけっこう苦手だった。よく理解できてないと思う……。
    「空襲警報」は、もともと「史学部シリーズ」のファンなのでおもしろく読めた。文章にユーモアがあって、「クリアリー家」や「ナイル」みたいにこわくないし。ただ、「オールクリア」につながる「しかけ」があるのかなあと気になって気づいてないんだろうなと不安で、「オールクリア」の1940年セントポール大聖堂の場面を読み返したりしたけど、新たな発見とかはなく……。

    いちばん好きなのは「マーブル・アーチの風」かな。ぜんぜんSFとしては読んでなくて、いやもう、あとがきで大森さんも書いているとおり、ただただ中年には身につまされる、という。ほんとに、もうこれからは「衰退と死」しかない、ってかなり苦しい気持ちになった。ラストになんとなく希望が見えて、さわやかで、それはよかったけれども。
    あと、コニー・ウィリスはロマコメ成分が多くて大好きだとつねづね思っていたけれど、若者の恋愛だけじゃなくて、こういう、夫婦とか渋い大人の恋愛成分もあるんだなー、とか思った。「ナイルに死す」もそういう話だと思って読むとけっこういいかも。

    それから、付録のコニー・ウィリスのスピーチがすごくよかった。本があったことへの感謝の気持ちとか、すごく共感する。コニー・ウィリスが挙げている本を読みたくなる。あと、ドラマとかにハマってるらしき姿とか、ほんとにキュートだし、友人が多くて明るい性格だってのがわかる。素敵ー。

  • つまらなさすぎ

  • ベスト・オブ・コニー・ウィリスのシリアス篇。、ドタバタものより、こういう作風のほうがストーリーテリングや技巧の見事さが感じられる気がする。お気に入りは「クリアリー家からの手紙」、「最後のウィネベーゴ」かな。

  • 最高。読んだものが多いが、再読に値する。特に史学部シリーズ第1作は「オールクリア」後の今読むと感慨深い。付録として収録されてる各スピーチ原稿も涙ものや。

  • 目次
    ・クリアリー家からの手紙
    ・空襲警報
    ・マーブル・アーチの風
    ・ナイルに死す
    ・最後のウィネベーゴ
    ・二〇〇六年世界SF大会ゲスト・オブ・オナー・スピーチ
    ・グランド・マスター賞受賞スピーチ予備原稿
    ・グランド・マスター賞受賞スピーチ

    正直に言いましょう。
    『混沌ホテル』の方が好みでした。
    多分コニー・ウィリスの作品のシリアス系は長編が、ユーモア系は中編が好きなのだと思います。

    今回オックスフォード大学史学部シリーズの第1作である『空襲警報』が収録されていますが、主人公であるジョン・バーソロミューのルームメイトのキヴリンが主人公の『ドゥームズデイ・ブック』の方が断然面白いですし、『空襲警報』や『マーブル・アーチの風』で重要な出来事となるロンドン大空襲を描くなら『ブラックアウト』『オール・クリア』の方が読みごたえがある。

    逆に、すべての登場人物がめいめい勝手にしゃべり続けるコニー・ウィリスのユーモア小説のスタイルが、長編ではうるさくて、周辺くらいがちょうどいいような気がします。

    とか書きながら、やっぱり史学部シリーズである『空襲警報』は面白いのです。
    いくら本を読んで勉強しても、実際に行ってみなければわからないことが、この作品にはちゃんと書かれています。
    当時の常識過ぎて逆に本には書かれていないことも、たくさんあります。
    だから想定外のことばかりが起こってしまうので、歴史という決められた枠組みの中でそれにどう対処するのかが、このシリーズの醍醐味なのですよ。

    あとはシリアスというか、そこはかとなくホラーっぽい、ぞわぞわと不穏な空気を感じてしまうような作品でした。
    特に『クリアリー家からの手紙』は、徐々に明かされる真相によって、どんどん怖さが増してくるの。
    でもってなんか悲しくなりました。

  • 1作目と表題作と「ナイルに死す」まででいったん休憩。「ナイルに死す」はこれ悪夢だなあって焦りながら見ている夢みたい。二度寝したくないやつ。表題作は雰囲気は好きだけどよくわからなかった。

  • 混沌ホテルとあわせて新しい短篇集です。コニーウィルスの長篇は長すぎて辛いという人に、おすすめします。長編の要素や雰囲気がだいたい詰まってますね。?

  • 「クリアリー家からの手紙」ティーンエイジャーのありがちな日常、と見せかけたディストピア。騙し絵風の短編。
    「空襲警報」史学部シリーズの開幕編。このシリーズ、プロットは面白いと思うのだが、ロンドンの地名や事物に馴染みがないためかいつも十分満喫できていない感じがする。
    「マーブル・アーチの風」好奇心と元気に満ちた友人の老いを発見する場面に、ぐっと来たのは自分の年齢ゆえか。
    「ナイルに死す」異国を旅する不安と、覚めない悪夢がないまぜになったホラー。
    「最後のウィネベーゴ」これもディストピアになるのか。伝染病、犬を殺すことがタブーの世界、強大な力を持つ組織。
    2006年世界SF大会でのスピーチ、グランド・マスター賞受賞スピーチの原稿を収録。

  • 《目次》
    ・「クリアリー家からの手紙」
    ・「空襲警報」
    ・「マーブル・アーチの風」
    ・「ナイルに死す」
    ・「最後のウィネベーゴ」

  • 2020.11

  • 肩透かし喰らった。完全に期待外れ。

  • コニー・ウィリスって作家の気になる作品があったので、お試しに先ず傑作選を古書で買ってみた。
    読了後にアマゾンでポチリました(^^♪

  • どの話も面白く、有無を言わせない確固たる世界に連れて行かれる。
    「ナイルに死す」の心理戦が怖かった。

  • 表題作の史学部シリーズの始まりである「空襲警報」を読むのが目的だった。他の作品は期待してなかったが、それは裏切られることとなった。全体を通して読むと、とてもコニー・ウィルスらしい短編集なのだと分かる。怒濤の文字の洪水が読者を襲い、脳みそをかき回される感覚に陥るが、それが楽しいのだ。面白い作品を挙げるのは野暮だが、あえて挙げると、「空襲警報」「ナイルに死す」といったところ。

  • 読書会のために初コニー・ウィリス。ロンドンの地下鉄を舞台にした堂々巡りの悪夢みたいな展開と身につまされる滑稽さが魅力の『マーブル・アーチの風』、ひたすら背筋が寒くなる『ナイルに死す』がよかった。理屈よりも感覚に訴えるほうが好きなのかも。
    表題作の『空襲警報』はタイム・トラベルのシステムがよくのみこめず、一読だけでは主人公のエモい語りに「どうしたの、ボク?」といった感じだったが、再読して「歴史上の大事件よりも市井のひとびとのささやかな人生を慈しむ、みたいな話?」かと必死に解釈。読書会であながちズレてなさそうなことを確認、ほっとした。
    次は長篇『航路』に挑戦してみたい。

  • 全作品閉塞感つきまとって楽しくはなかった。でもスピーチ原稿は、喜びに満ちていて楽しい。あと勝手にウィリスさんとは好みが合うなぁとにやにやした。今はウィリスさんのせいでプライミーバル見返したい衝動に駆られている。
    これまで読んだ作品すべてにロンドン大空襲とセントポール大聖堂が出てくるので、よっぽど好きなんだろうなぁと思ってたらご本人による解説に「ロンドン大空襲に恋をした」って書いてあって、なんかすごい表現だなと…

  • 『混沌ホテル』とはガラッと雰囲気が変わり、シリアスで重い短編集。これもコニー・ウィリスの味か。
    表題作、戦火の中へのタイムスリップに僅かな救いが残されたのがよかった。「最後のウィネベーゴ」人類が衰退している中でも変な奴が生きているのが面白い。

  • 「ナイルに死す」以外は再読だったが、改めて胸打たれる作品ばかりだ。正直「ナイル~」にはぴんとこなかった。「クリアリー家からの手紙」にはじわじわとくる恐さがあり、「最後のウィネベーゴ」の切なさ、「空襲警報」の普通の人々が困難に立ち向かう様に涙がにじむ。

  • 本書はヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞の作品のみを収録した全5篇の短編集です。なんとも贅沢な一冊ですね。
    全5篇はどれもシリアスな作品でした。コニー・ウィリスは初めてだったもので、読み終えてから、シリアスな作風を得意とする作家なのだなぁと嘆じていたら、あとがきで言及されてました。どうやら主要な作品群はシリアスとはまた違う作風なのですね。それはそれで楽しみです。

    さて、全5篇のうち、とりわけ気に入ったのは、「マーブル・アーチの風」と「最後のウィネベーゴ」。
    前者のテーマは、訳者あとがきによると「忍び寄る老いと死にどう立ち向かうか」らしい。読んでいて「老い」ではなく、「変化」というキーワードが頭に浮かんだのは、著者や訳者の半分ぐらいしか歳をとっていないからでしょうか。と考えていたら、あとがきでその点にも触れられていました。「若い読者にはぴんと来ないかもしれませんが、ぜひ二十年後に再読していただきたい」とのこと。なんだか見透かされた気分でした。
    後者の「ウィネベーゴ」とは、キャンピングカーのこと。「新型パルボ」なる犬の伝染病により、ありとあらゆる犬が絶滅した世界が舞台。この作品に心を揺さぶられるひとは多いのではないでしょうか。「滅びゆくもの」への描かれ方にはなんともいえない哀愁をそそりますが、一風変わった話の進み方とドラマティックな展開が相まって、終盤は疾走感があり、興奮隠せぬ作品となっています。著者を一気に好きになった作品です。

  • 『最後のウィネベーゴ』(河出文庫)との重複は
    "The Last of the Winnebagos"のみ。
    何度読んでもよい"愛するものを失う痛みと、
    滅び行くものへの哀惜"(河出文庫版訳者あとがきより)。
    「クリアリー家からの手紙」「マーブル・アーチの風」も同じく
    マクロ・ミクロの終末、喪失(の予感)の痛みが感じられる。
    「ナイルに死す」はジワジワ来る終末。
    「空襲警報」はシリーズものの開幕篇ということで、
    2014年の夏は史学部シリーズを読もうかな。
    ロンドンに行ってみたくなった。

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