- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150119447
作品紹介・あらすじ
「最後のウィネベーゴ」「ナイルに死す」他、ウィリスのシリアス系代表短篇全5篇を収録
感想・レビュー・書評
-
わたしはどうも、「しかけがある」っていう小説が苦手で。あと、「現状がどういう状態なのか説明がなされない」っていう小説も。絶対気づかない自信があるし、しかけがあるときいたら理解したと思っていてもいや気づいてないのかもって不安になるし。そういう意味で、「クリアリー家からの手紙」とか「最後のウィネベーゴ」とか「ナイルに死す」はけっこう苦手だった。よく理解できてないと思う……。
「空襲警報」は、もともと「史学部シリーズ」のファンなのでおもしろく読めた。文章にユーモアがあって、「クリアリー家」や「ナイル」みたいにこわくないし。ただ、「オールクリア」につながる「しかけ」があるのかなあと気になって気づいてないんだろうなと不安で、「オールクリア」の1940年セントポール大聖堂の場面を読み返したりしたけど、新たな発見とかはなく……。
いちばん好きなのは「マーブル・アーチの風」かな。ぜんぜんSFとしては読んでなくて、いやもう、あとがきで大森さんも書いているとおり、ただただ中年には身につまされる、という。ほんとに、もうこれからは「衰退と死」しかない、ってかなり苦しい気持ちになった。ラストになんとなく希望が見えて、さわやかで、それはよかったけれども。
あと、コニー・ウィリスはロマコメ成分が多くて大好きだとつねづね思っていたけれど、若者の恋愛だけじゃなくて、こういう、夫婦とか渋い大人の恋愛成分もあるんだなー、とか思った。「ナイルに死す」もそういう話だと思って読むとけっこういいかも。
それから、付録のコニー・ウィリスのスピーチがすごくよかった。本があったことへの感謝の気持ちとか、すごく共感する。コニー・ウィリスが挙げている本を読みたくなる。あと、ドラマとかにハマってるらしき姿とか、ほんとにキュートだし、友人が多くて明るい性格だってのがわかる。素敵ー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
つまらなさすぎ
-
コニー・ウィリスは『犬勘定』しか読んでいないんだけど、思いの外SFっぽくなかった(当社比)
一番の好みは「最後のウィネベーゴ」かな。ミステリ読みなので。
でもどれもじわじわくる面白さ。
もっと長編を読んでいたらすとんとハマるのかな? -
ベスト・オブ・コニー・ウィリスのシリアス篇。、ドタバタものより、こういう作風のほうがストーリーテリングや技巧の見事さが感じられる気がする。お気に入りは「クリアリー家からの手紙」、「最後のウィネベーゴ」かな。
-
最高。読んだものが多いが、再読に値する。特に史学部シリーズ第1作は「オールクリア」後の今読むと感慨深い。付録として収録されてる各スピーチ原稿も涙ものや。
-
1作目と表題作と「ナイルに死す」まででいったん休憩。「ナイルに死す」はこれ悪夢だなあって焦りながら見ている夢みたい。二度寝したくないやつ。表題作は雰囲気は好きだけどよくわからなかった。
-
混沌ホテルとあわせて新しい短篇集です。コニーウィルスの長篇は長すぎて辛いという人に、おすすめします。長編の要素や雰囲気がだいたい詰まってますね。?
-
《目次》
・「クリアリー家からの手紙」
・「空襲警報」
・「マーブル・アーチの風」
・「ナイルに死す」
・「最後のウィネベーゴ」