マルディグラの工作員 (ハヤカワ文庫SF 宇宙英雄ローダン・シリーズ 505)

  • 早川書房 (2015年9月17日発売)
4.33
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784150120276

作品紹介・あらすじ

ローダンらは、商館マルディグラのコンピュータの不具合の原因を探りだそうとするが!?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • マイクロ工作員によるテラへのポジトロニクスの攻撃が始まった。 それを同対処するか。とうとう人間も機械に浸食され、犯されてしまう。 ローダンは同対処するか。楽しみです。

  • ・1009話「マルディグラの工作員」エルンスト・ヴルチェク著
     Agenten auf Mardi-Gras
     Ernst Vlcek
     Dienstag, 23. Dezember 1980
    コンピュータの悪性セルのために壊滅寸前の、マルディグラ商館。
    ディルト人のベリーブルー(ミミ)が、ちょこちょこ動いて必死に破壊作戦を阻止すべく活躍する様子が愛らしい。日本版表紙にはペンギンの形の後ろ姿ではなく、表からを描いて欲しかった。セト=アポフィスは、ポジトロニクスのアルバートからヒュプノ学習装置でミミに知識を付けさせ、洗脳するつもりだったが何故か失敗してしまった。私は純粋さのためなのかもしれないと思った。

    そしてローダンに役に立つとして連れてこられた、犯罪者ロバート・W・G・エールツ。行動目的が自分の利益なので、セト=アポフィスの工作員3名、商館職員のジョン・ナック、サスーン代行のナロム・ケンサラー(プロフォス人)、
    幼稚園児オラフ・ポランドと交渉し、商館を殲滅させないように暴れるのは読みどころだ。
    しかしローダン達の努力もむなしく、商館は破壊されてしまった。

    工作員3名から仲間だと思われていたエールツが、工作員たちに撃たれてしまい、“死ぬ寸前にセト=アポフィスからのインパルスを受けて工作員だと思い出した”のが興味深かった。エールツの場合は、非純粋さゆえに洗脳されず、死の直前の気が緩んだ際に自覚したのかもしれない。
    1,007話「宇宙ハンザ」のエピローグで、エールツが後天的に犯罪者の思想を持ったという記録を、担当者がもみ消したエピソードが出てきた。悪の思想を持たせたことはセト=アポフィスの洗脳活動なのだろうが、記録をもみ消した担当者がしっかりしていれば、セト=アポフィスの見えない攻撃も防ぐ道はあるのではと思った。

    ミミは活躍していく途中で、ヒュプノ学習効果が薄れて行ってしまった。種族のもとに帰り冒険の話をしたら、長老や恋人たちにあきれられてしまった。しだいに言葉や体験をはっきり思い出せないようになり、渡り鳥を見ると宇宙船だけを思い出せた。そしてミミ・ワタリドリになり、放浪の旅に出た。ミミにまた登場して欲しい。
    (2017.6読了、2026.1.31再読)


    ・1010話「コンピュータ人間」ペーター・グリーゼ著
     Der Computermensch
     Peter Griese
     Dienstag, 30. Dezember 1980
    ローダンがマルディグラ商館から持ち帰ったコンピュータ悪性セルを研究している、デルタコム研究所の所長マルセル・ボウルメースターが、セルに侵されて機械化されていく。あとがきにあるように今まさに起るようでとても怖い話だ。

    研究所で製作した、対策用の第一世代のコンピュータ警察セルを不正に盗み出したり、研究したりする異星人キウープの行動が怪しすぎる。
    その警察セルは自力で研究室に戻ってしまい、活性化してラボ中を破壊した。ローダンが”ライラの目”で封鎖したラボに移動して確認した。ローダンが望むものだけを持って移動するので、出てくるときに警察セルが一緒に付いてくることはないと説明があった。”ライラの目”は便利な機能だ。処分のため、ボウルメースターはラボ内を核火災で焼き尽くした。
    この騒動のきっかけとなったキウープは、この後大胆にも見学に出向いて第二世代のコンピュータ警察セルを2つ盗んでしまう。キウープは味方なのか?監視を潜り抜けて行動されてしまうようでは、保護したローダンもたまらないだろう。

    ローダンと、自由テラナー連盟LFT主席テラナーのジュリアン・ティフラーとの会話の中で、嫌な感じを抱くローダンと、何でもセト=アポフィスのせいにするなと言うティフラーの考えが対照的だ。長年危険をかいくぐってきたティフラーもすっかり落ち着いてしまったのだろうか。
    月のインポトロニクス、ネーサンは、第二世代のコンピュータ警察セルを開発して対処することが必要で、攻撃を受けやすい箇所はコスミック・バザールだと分析した。コスミック・バザールは、かつてコスモクラートにより派遣された“強者の巨大船6隻”が、現在は銀河系と周辺に配置されて、宇宙ハンザの中継ポイントになっていた。

    ボウルメースターは悪性セルの紛失をプライドにより秘密にしてしまい、自らが悪性セルに感染してしまう。まったく自業自得だ。だんだんとコンピュータ人間に変化していく様子が怖い。
    研究所に職を得た、銀河系中枢部近傍のヴォラール出身のアデレーアが巻き込まれて、同じように感染してしまう。アデレーアがボウルメースターからセルを取り出そうとしても、執刀機の先端器具がセルに負けて別の先端に作り変えられてしまうのには驚いた。

    月のポジトロニクスのネーサンのところに行きたいボウルメースター、次の話も怖そうだ。
    (2017.6.7読了、2026.2.6再読)

    ※2017.6.7読了
     2026.1.26再読開始、2.6読了

全2件中 1 - 2件を表示

エルンスト・ヴルチェクの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×