第五使者の誕生 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2015年10月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784150120313

作品紹介・あらすじ

悪性セルに体内をおかされたボウルメースターは、危険きわまりない計画を企てていた!

感想・レビュー・書評

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  • ・1011話「第五使者の誕生」ペーター・グリーゼ著
     Angriff der Brutzellen
     Peter Griese
     Dienstag, 6. Januar 1981
    体内に侵入した悪性セルにより、デルタコム研究所の所長マルセル・ボウルメースターが、第五使者なる機械に変わってしまう恐ろしい話。

    研究所に勤め、ボウルメースターから悪性セルを体内に入れられてしまった助手、アデレーア(地球年22歳、銀河系中枢部近傍の惑星ヴォラール出身、ヴォラールはボシックの星Ⅱを一年で公転)が、”宇宙の捨て子”キウープに助けられて、話しの早々第六使者にならず、怖い話が発展せずにほっとした。

    NGZ424年9月12日、ルナのポジトロニクス、ネーサンを感染させたい第五使者だったが、キウープの機転で宇宙ステーションのアウトポスト4271に転送されてしまった。一人で勤めているハンザ・スペシャリストのデイニンジャー(93歳)の機転で、第五使者と捕らわれたキウープを隔離することができた。第五使者は、初めは怖い存在だったが、ボウルメースターの知識を頼りにしているためヌケが多いようだ。身体は完全にロボットになってしまったが、読み進むうちに大した存在ではないと思えた。

    第五使者からルナへの宇宙船を要求されたテラは、ジュリアン・ティフラーの判断で、ツナミ艦(直径200mの球型)《ツナミ80》と《ツナミ81》をアウトポスト4271へ送った。
    ツナミ艦はミニATGを搭載していて、直径220mの球状空間に含まれる物質が、1ないし2秒の相対未来に移行するという。ツナミ艦がペアで、一隻だけを相手にしているように見えるという説明がよく理解できなかった。時間空間を利用して二隻が一隻に見えてしまうことなのか?
    《ツナミ80》と《ツナミ81》のトリックのおかげで(再読しても理解できなかったが)、火星軌道の外側で《ツナミ81》と共に第五使者は爆破された。研究熱心で、プライドのために命がなくなったボウルメースターはあわれだった。
    捕らわれていたキウープが《ツナミ80》に移って助かったトリックは再読しても分からなかった。キウープは人類のために命を捨ててもいいと思っていた。ローダンは”ライレの目”を利用してキウープに状況を聞きに《ツナミ80》に移った。
    今回の第五死者への対処はティフラーが中心で、ローダンに確認を得たにせよ、いざとなったら頼りになると思った。

    話の途中で、第五使者が「ヴィシュなんとかにかけて」と言ったとあるが、504巻「宇宙ハンザ」の1,007話「宇宙ハンザ」で、キウープも「ヴィシュナ」とつぶやいていた。セト=アポフィスの差し金だった第五使者と同様、キウープの疑いは残っているかもしれない。

    金星で出会っていい感じになり、アデレーアを助手に誘ったモーティマ・スカンドは、ボウルメースターに気持ちが移ってしまったアデレーアにやきもきしていたが、最後にほっとしたようだ。
    (2017.6読了、2026.2.9再読)

    ・1012話「プログラミングされた男」H.G.フランシス著
     Der programmierte Mann
     H.G.Francis
     Dienstag, 13. Januar 1981
    大マゼラン星雲中枢部近傍にある惑星ジャルヴィス=ジャルヴは主要通商惑星だった。この惑星を利用するスプリンガー族長オロフ・クシンガルに、ジャルヴォン商館の輸入監理官たちやクルガー・ハルス市長は賄賂で骨抜きにされていた。
    一方、輸入管理官ブルーク・トーセンだけは、誰にでも手厳しい輸入管理を行ってきた。そのトーセンはセト=アポフィスの工作員で、クシンガルからの仕打ちをきっかけに、だんだん破壊工作行動に目覚めていく。目覚めるのではなく時々活性化して無意識に行ってしまうのだが。

    ハンザ・スペシャリストのグルウデ・ヴェルンがジャルヴィスに来て、トーセンを監視し始めた。しかしターゲットにした背景は語られなかった。
    NGZ424年9月29日、ついにトーセンはクシンガルの船《クシンI》を破壊しようとしたが、ヴェルンと、さらにやって来たミュータントのフェルマー・ロイドにあっさり捕らえられたのは盛り上がりに欠けた。《クシンI》を爆発させると、町も壊滅するほどの規模だった。セト=アポフィスの目的は、この程度の爆発で良かったのか、それとも工作員を活性化することだったのかは分からない。

    すっかり非活性化して静かになったトーセンは、ロイドから説明を受けると協力したが、ロイドには心の奥底にあるものをはっきり掴むことができず、テラに連れて帰ることにした。

    トーセンはもともとスプリンガー、クシンガルの妻シンサ―=リーに恋心を抱いていた。一方一途にトーセンを思い、行動する魅力的なアンビー・テルンが登場し不憫である。
    トーセンから愛されていないことを分かっているアンビーは、ロイドから諭されたが、追いかけてテラに行くようだ。
    なおあとがきで、魅力的な女性アンビーが報われないことに対し、前話のアデレーアとスカンドが上手くいきそうなことを対比していたが、私にはピンとこなかった。

    本作には、400年前にジャルヴィスに移住してきたアルコン人の末裔のゴロンが、過去の栄光にすがっているコミカルな様子が描かれていた。
    (2017.6.19読了、2026.2.10再読)

    ※2017.6.19読了
     2026.2.7再読開始、2.10読了

  • 悪性セルによる人間の乗っ取りと、月のネーサンの乗っ取りをしようとするところと人間との戦い。
    良いです。たまにはこんなうまい話があるとわくわくします。
    次に期待。

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