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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784150120337
作品紹介・あらすじ
未来の宇宙戦を迫真の筆致で描き、ヒューゴー賞に輝いたミリタリーSFの原点、ここに
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
未来の宇宙戦を舞台に、軍歴を持つ者のみが政治に参加できる社会を描いたこの作品は、戦争や暴力の役割について深く考えさせられる内容です。主人公ジョニーの成長を通じて、戦争を肯定する視点が示され、読者は戦争...
感想・レビュー・書評
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米大統領選挙も近付いていますが、この本は、投票に行かない理由を与えてくれたものですww(半ばこじつけですが)
軍歴を経た者のみに参政権が与えられる世界。その国のために命をかけて行動したものだけが、政治に参加できる権利があるということなのでしょう。
兵役が必要とは思いませんが、国のために行動したこともないし、投票する権利や政治批判する権利はないかなとか思って、ここ何年も選挙には行っていません(*/∀\*)
有名フレーズ
「暴力こそが歴史上、他の何にもましてより多くの問題を解決してきた」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作品全体を通して、終盤の展開が特に印象的な本。
ミリタリーSF特有の軍隊やロボット描写については個人的にあまり得意ではないと感じる部分もあったが、全体として普通に楽しめる作品。
ミリタリーSFが好きな人におすすめの作品。 -
その時代その時代に反動的な、
社会的に主流の考えをフィクションから壊してくれるような作品が好きです。
もともとSFというジャンルは現代の風刺をしやすい土壌だと思っていましたが、ハインラインはその中でも話題になりやすかったようです。
この作品も、戦争反対の流れが主流だった1950年代アメリカにあっては、多くの批判が集まったそうです。しかも、カテゴリーはティーンエージャー向けのラノベ扱いだったとか?野心的な試みです。
フィクションを通してとはいえ、戦争を肯定する発言、戦いを通して成長する主人公ジョニーの前向きな内省は、戦争も意外に悪くない?と思ってしまいそうになりました。
私は、この作中ではマイノリティーな反戦論者の一人です。
ただ、どういうシチュエーションならその考えが改まるのか?思考実験するのにちょうどいいストーリーテリングでした。
ちなみに、パワードスーツ、いわゆるモビルスーツですが、個人的には物語のモチーフくらいの役割でした。
物語の骨子がしっかりしていたからでしょうね。
いやー面白かった。
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映画「スターシップトゥルーパーズ」の原作。しかしあれと本作は別物だ。異星のバグどもとの派手な戦いを求めると肩透かしをくらう。メインは軍隊に入隊した少年の成長を描いた物語となる。が、これが意外に面白い。新人機動歩兵が訓練キャンプでしごかれ、やがて士官候補生となり…。と言った割と分かりやすい内容となっている。反面、60年代当時のアメリカ軍国主義を皮肉ったものでもある、かもしれない。
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宇宙の“バグ”との戦いを描いた物語であるが、その中身は壮大な戦争論だったと思う。しかも、かなり極端な方へ振り切った。
でも、出会って良かった作品なのは間違いない。 -
戦闘系SFの名作。1959年の作品。
主人公、ジュアン・リコ(ジョリー)は、高校卒業後、勢いで地球連邦軍の新兵に志願してしまう。配属は機動歩兵部隊。宇宙艦船からカプセルに入って敵陣地に降下し、パワードスーツを身につけて暴れまわり、敵を殲滅する地上戦のエキスパート部隊だ。敵は、高い知能を持ちアリのようコロニーを形成する節足動物型の宇宙生物のバグ。死と隣り合わせの危険な任務だが(実際、戦闘の度に兵士がバッタバッタと死んでいく)、兵士達の士気は高い。
が、ジョリーには一人前の兵士になるための過酷で理不尽な新兵訓練が待っていた。約二千名でスタートし、修了したのはたったの百八十七名、死者も十四名を数えるまでに。高校の恩師デュボア先生の教え「この世(ライフ)でなによりも貴重なものを得るために必要な対価とは、命(ライフ)そのもの――完璧な価値を得るための究極の犠牲だ」が新兵教育のエッセンシャルを端的に表している。
上官に反発し、挫折し、ドロップアウトしかけるが、何とか訓練を乗り切ったジョリーは、いつしか兵士としての誇りと責任、そして仲間意識や自己犠牲を身につけていた。この辺り、映画「愛と青春の旅立ち 」や「G.I.ジェーン」を彷彿とさせるものがある。
実際の戦闘経験を通じて成長したジョリーは、職業軍人になることを決め、士官候補性学校で士官を目指すことに。そしてふたたび過酷な訓練が…。
本作、いろんなSF作品・SFアニメに多大な影響を与えたんだろうなあ。なかなか読み応えのある作品だった。 -
やっと、読みました。機動戦士ガンダムのモビルスーツの元ネタになったパワードスーツが登場する、SF小説。
哲学、政治、軍隊組織等についての濃厚な授業を受けているがごとく、作者が提示する社会と現代の社会との違いや、理想とするべき哲学はなにか等、深く考えさせられた作品だった。物語として、さらっと読んでも面白いし、随所でカタルシスを感じることができる娯楽作品の側面もあり、名作と言われる所以がよくわかった。
『夏への扉』とともに、時々読み返したい作品だ。 -
本書のキモはパワードスーツ。1977年の文庫化の際に宮武一貴のデザインで加藤直之がイラストを書いたのが『機動戦士ガンダム』を皮切りに日本のアニメに大きな影響を与えた。内田昌之による新訳ではその加藤直之がふたたび表紙絵を描き、さらには解説でそのころの思い出を語っている。
よって、解説でハインライン作品の政治的位置づけなどはさっぱり論じられることはない。軍国主義と批判された本書を、中国の軍事的脅威を前にして安保「戦争」法案の成立に揺れる日本でいまいちど読むことの意味も。
およそ半世紀ぶりの新訳とはいえ、長年流通した訳題は容易には変えられないのだろうが、矢野徹がつけた『宇宙の戦士』という訳題はちょっとカッコつけすぎ。映画化されたときの邦題はそのまま『スターシップ・トゥルーパーズ』。
「戦士」というと、戦いを生業とする武者とか武士とか、ちょっと英雄的なニュアンスが漂う。トゥルーパーは英国陸軍だと兵卒の身分、米軍だと「入隊した兵士」程度の意味らしい。また騎兵の訳もあり、そこから転じて騎馬警官や戦車兵を示したりする。しかしスターシップ・トゥルーパーズという場合には宇宙船に積み込まれて投下される、階級下位の兵卒たちという感じになるんじゃないか。要するに使い捨ての雑兵である。
「ぼく」ジョニー・リコは実業家の裕福な家庭に育つが、親友や同級生のかわいい女の子に影響されて、本気で入隊する気もないまま、父への反発もあって軍に入隊してしまう。軍役を勤めあげると市民権が得られるのだ。特別な技能もない「ぼく」は機動歩兵部隊に配属され、厳しい訓練を受ける。旧訳では「おれ」だったけど、世間知らずのリコには「ぼく」のほうがふさわしい。訓練に耐えられないヤツは除隊すればいい。ただ市民権は永遠に得られないだけだ。訓練に耐え、兵士になるのは5分の1。「ぼく」は何とか兵士になる。
機動歩兵=モービル・インファントリーは、強化防護服(新訳ではもはや訳さずに「パワードスーツ」で通している)を身につけて、最前線で戦う兵士である。宇宙の海兵隊というイメージだったのではないかと思う。最前線で戦う兵士は消耗品であるが、それ故の強い誇りを持つ。その使い捨てぶり、雑兵ぶりを強調するとハリイ・ハリスンの『宇宙兵ブルース』になるし、ジョー・ホールドマン『終わりなき戦い』では兵士が摩耗していく様が描かれた。その後、現在でもミリタリーSFは特にハヤカワ文庫では活況だが、評者はあまり読んだことがないので、どうなっているのかはよく知らない。
しかしハインラインは前向きだ。訓練の描写だけでおよそ半分にまで達するが、彼が描きたかったのは「一人前の男になる」話だったからだろう。
「ぼく」が訓練を受けている間に宇宙戦争は本格化する。敵はバグ。蟻や蜂のような社会を形成する巨大な蜘蛛状の異星生物である。「ぼく」の初めての出陣で軍は敵の母星に攻撃を仕掛け、壊滅的な敗北を喫する。
バグの社会について「全体的な共産主義が、進化によってそれに適応した連中によって活用された場合、どれほど効果的になりうるか」と描写されている。米ソ冷戦期に書かれた小説であり、露骨にバグは共産主義者のことだなどともいわれた。ショスタコーヴィチのCDジャケットに明るく健康的な絵画が使われているものがあった。ははあ、社会主義リアリズムの絵画だなと思って見ると、実はアメリカの画家の絵画だった、ということがあった。社会主義リアリズムと保守的なアメリカ文化というのは実はすごく近いのではないか。
バグとの戦闘に明け暮れる「ぼく」は職業軍人の道へ進み、士官学校に入る。そこでの教育、とりわけ「歴史・道徳哲学」の授業ではハインラインの「社会かくあるべし」論が展開される。軍務を勤めあげたものだけが市民権を得て、投票権を手にする。『宇宙の戦士』における人類の社会は「すべての投票者と公職者が、自発的に困難な職務に当たることで個人の利益よりも集団の繁栄を尊重することを実践してきた」のだという。「自発的」なんてものが本当にあるのかとちょっと疑問符をつけてやれば、これは蟻や蜂の社会とどう違うというのだろうか。「ぼく」が戦う理由は「機動歩兵だからだ」というのはカッコいいのだが、思考停止状態に陥っているだけでしかない。それだからこそヴァーホーヴェン監督は映画『スターシップ・トゥルーパーズ』においてハインラインの理念を素直になぞるだけでこれをカリカチュアにしてしまうことができたのだ。
翻って考えると、他の作品ではリベラルだったり共産主義的だったりするハインラインがこの世界の倫理を本気でよいものとして描いたのか、ディストピアとして描いたのか、だんだんわからなくなってきたりもする。
とはいえ、考えさせられるところは多々ある。敵が攻めてきたら反撃するしかないというのは、平和主義への変わらぬ反論である。これを書いている最中、パリで連続テロ事件が起こった。背後にある貧困や格差に対策をというのは正論だが、いま銃を乱射しているテロリストに対しては、射殺をもって対峙するしかない。しかし、最近読んだある政治学者の指摘、「中国に対峙する国は中国と似てくる」というテーゼがリアルに迫ってくる。
ハインラインはバグに対峙する国家を示してみせたのだとすると、けだし慧眼であったといえる。 -
ハインラインの有名作のひとつ、本作はミリタリーsfの枠に収まらないぐらい人間の道徳についても書かれていた。そのなかでも暴力と人々の間にある世界のあり方についてデュポン先生が言及されていたのが印象的で、デュポン先生の論理も一理あるなと納得させられた。こういった娯楽小説の中で人々に考えさせるのがハインラインの上手いところだなとつくづく思う。
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―「お嬢さん、きみがまちがって”道徳的本能“と呼んだものは、年長者たちによってきみの中に植え付けられてきた、きみ個人の生存よりも大きな強制力をもつ生存があるという真理なのだ。」
―「わたしはようやく自分の調子が悪い理由に気づいたのだ」「わたしは信念にもとづいて行動しなければならなかった。自分は男であると証明しなければならなかった。ただ生産して消費するエコノミックアニマルではなく……男であると」
―その名は輝く、その名は輝く、ロジャー・ヤング! -
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戦闘表記や戦術が細かく記述されており、躍動感が凄い物語であった
それが故に、取っつきにくいのかなと思うところもある
中学生の時に読んでいたら間違えなく布陣や戦術を実証しようとしていただろう
それだけ中二心を刺激する内容だった
しばらくはバグとの戦争の結末がどうなったか夢想する日々が続きそうだ -
カテゴリはSF小説だが、軍国主義的な国家と法、階層化されている地球人の生き方などが、かなりページを割いて論理的に説明され、さながら仮想歴史小説とでもいうべき内容。この世界観をベースにして、一陸軍歩兵の成長物語が語られる。目玉は異星での戦闘を可能にするパワードスーツ。形状は違うとはいえ、兵士の能力を拡張するスーツの研究が実際に進む現在、冷戦当時に執筆されたこの設定は常に新しさを保っている。話としてはまるで長編小説のような進み具合で、後半に至っても結末が来るように思えない。この為構成が行き当たりばったりな感も受けるが、この作品の真骨頂は、軍隊や道徳また戦闘場面や兵器の技術等、細部を徹底的にこだわって語る(ややオタク的な)部分にあり、それが好きな人は著者にハマるかもしれない。
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パワードスーツに近未来兵器を使った戦争といったアイディアと軍隊組織の関係性の筆致力、凄い!
金持ちの一人息子で何となく軍人になった主人公が運よく生き延び軍人として成長していく物語でもある。
虐殺器官とかエヴァンゲリオン、ガンダムとか、あらゆる作品を彷彿とさせられました。
読みやすくて描いていることが意外とシンプルで面白い! -
兵士であり、市民であり、科学者でもある、アーサー・ジョージ・スミス軍曹に。そして、あらゆる時代において、少年たちを真の男に鍛え上げたすべての軍曹たちに。
映画やアニメを知ってから見るとデジャビュなのですが、その逆であることを知ると、すごい。 -
最初にやるべきことを、最初にやれるようにならなければ、何一つやり遂げられないぞ。
これだけではなく、色々と示唆に富んだ言葉がある。
軍隊はなるほど効果を最大限にすることを専らとする組織なのだと思わされる。
入隊から士官となるまでの成長の物語。 -
地球外生命体との戦いを描いたSF小説。
映画のフルメタルジャケットのような、新米ヒヨッコ兵士が一人前の戦士となる物語。
厳しい訓練の扱き、仲間との絆、そして学生特有の社会を知らない夢みがちだった少年が一人前の戦士となっていく描写が印象的。
昨今のミリタリーSFの原点と言われる本作。
ミリタリーSFが好きな方は是非一度読んでみてほしい。
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早川文庫で読んだSF第一号(のはず)。まだ小学生だったよな。機動歩兵(パワードスーツ)に興味があって読んだら、あとがきで右翼の話が出てきてびっくりしたっけ。けどそういうテーマがこういう完璧なエンターテインメントになっちゃうんだから、やっぱハインラインは最高のストーリーテラーだなあ。ハインラインの最高傑作はやっぱりこれでしょう。エースとのからみやデュボア中佐のとこなんていい話だ。”ハート・ブレイク・リッジ”とかもそうだけど、自分でやるのはやなくせに、こういう話に弱いんだよな俺。
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「夏への扉」のハインラインがヒューゴー賞を受賞した作品ということで読んでみた。
未来社会で、軽い気持ちで兵士になろうとして、現実の厳しさを知り、もがきながら強くなっていく青年の成長記といった感じの話。SFというより若い男性の青春物という印象。私には今一歩だったかも。映画「愛と青春の旅立ち」を思い出した。
未来社会では兵士にならないと投票権がもらえないらしい。本気で国のことを考えない人には国の在り方を決める権利はないとか。納得できる気もする。
内田昌之の作品
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