火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

制作 : 小野田和子 
  • 早川書房
4.23
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  • 本棚登録 :734
  • レビュー :53
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150120436

作品紹介・あらすじ

予期せぬ事故で火星に取り残された一人の宇宙飛行士。彼は残る物資と技術を駆使して生き残れるのか!? ベストSF2014第一位、星雲賞受賞の傑作

感想・レビュー・書評

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  • アンディ・ウィアー『火星の人(上)』ハヤカワ文庫。

    映画『オデッセイ』原作の火星サバイバルSF。

    主人公のマーク・ワトニーがとにかく魅力的だ。生死を左右する状況下でも自分を見失わずに自らの道を切り開いていく逞しさと決して悲観的にならない精神力。マークの危機管理能力と問題への対応力に学ぶべき点が多い。

    3度目の火星探査中に嵐に巻き込まれ、たった一人だけ火星に残されてたマーク・ワトニー。空気、水、食糧が限られる中、マークは植物学と科学技術の知識を駆使し、決死のサバイバルを繰り広げる。果たして、マークは地球に帰還できるのか…

  • 文庫1冊1296円に手をこまねいていたら、映画化と同時期に出版された新版は上下巻に分冊されてもっと高くなってしまった(涙)しかし、購入を後悔させない面白さ。火星に残されたワトニーを衛星で発見した直後、互いに意思疎通ができない間は映画トゥルーマン・ショーを彷彿とさせた。ワトニーの明るさが、絶望的とも思える状況を楽しませるSFに仕上がっている。上巻ラストのアクシデントは、明るい火星活動の裏で進むハブの損傷を同時進行で描くことで読者の不安感をあおる小憎らしい演出だ。

  • 上下巻あわせてのレビューです。2016年2月に公開された映画『オデッセイ』。昨年から頻繁に予告編が流れ、一度は『ブリッジ・オブ・スパイ』と混線した予告編を観るという貴重な体験もしました(http://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/4c49e9eaad922298b51704d8929f116a)。IMAX3D版で観た1回目が楽しすぎ、2回目は4DX3Dで。何度でも観たいほど好きでした。

    さてその原作は、そもそもはSFオタクを自称する米国人アンディ・ウィアーが、国立研究所にプログラマーとして勤務する傍ら、自身のウェブサイトにて発表していた連載小説。当初は無料で読めるように公開していましたが、まとめて読みたいという要望に応えてkindle版にて激安価格で売り出したところ、ものすごい数のダウンロードを記録。紙媒体でも発売されることになったという、売れない小説家が聞いたら嫉妬してしまうような話。

    火星に着陸したクルーを猛烈な砂嵐が襲い、ミッション中止を余儀なくされる。撤収作業中にクルーのひとり、マーク・ワトニーが吹き飛ばされて行方不明に。リーダーをはじめとするクルーは、仲間を置き去りにすることに苦しみつつ火星を脱出する。ところが、死んだとばかり思われていたワトニーが生きていた。植物学者のワトニーは生き抜く策に頭を巡らしはじめる。

    ……という物語。いや〜、賢い人の考えることは凄い。映画化に際し、これらの内容は理論的には実際に火星でおこなうことが可能であるとNASAのお墨付きがあったと聞きました。そんなややこしい話に私がついていけるわけはなく、もしも映画を先に観ていなかったら理解不能だったと思われます。しかしリドリー・スコット御大が楽しくわかりやすい映画にしてくれたおかげで、専門的な話はわからずとも、マット・デイモンが演じていた主人公の姿がよみがえり、楽しいのなんのって。こんなふうに超ポジティブでいられたら、何でも乗り越えられそうに思えます。理系の頭でない人は映画をご覧になってからどうぞ。

    ちなみに映画は2回観ました。そのときの感想はこちら→http://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/e3ade5eba1531fa3ba92fc3a9963c800

  • 映画の方は上映時に観たので、ストーリーや面白さは分かっているが、原作を読んでこの作品の面白さを再発見した思いである。

    ひとり火星に取り残されたワトニーは孤独な火星の王。ケガ等で活動不能に陥った場合、それは即、彼の死を意味するのだから過酷な状況である。

    持てる知識と体力を総動員してのサバイバルに臨むわけであるが、ユーモア精神あふれる彼だからこそ、絶望に打ちひしがれることなく、それが可能となったのだろうと思える。

    ワトニー生存の痕跡を地球側で察知したとき、パスファインダーとの通信が回復したとき、ワトニー生存の事実を<アレス3>のクルーたちに伝えたとき等々鳥肌が立つ感動シーンが波状に訪れる物語の構成の上手さに感服した。

  • ご存じリドリー・スコット監督、マット・デイモン主演で映画化された邦題「オデッセイ」の原作。ずっと気になっていたものの先に映画が公開されてしまったので、映画鑑賞後原作を読みました。原作では更にワトニーが淡々としていて楽観的です。そして映画以上に数々の困難に直面し死の危機を乗り越えています。科学的裏付けや説明が多いのも面白い。理科で学んだ?そんなの忘れてるよー!(笑)
    でも宇宙で置き去りにされるということは、もうそれだけで死に直結するので、ワトニーは状況的に本当に運がよく、その恵まれた環境下で殆どパニックにならず(まぁ怒り散らしたりはしてるけど)冷静に淡々と対処していて、更に一人でも楽しむことを忘れていない強靭な精神の持ち主では…と思いました。技術面ではNASAのパイロットって実際でもあんなにオールマイティにどんなことにも対処できるのでしょうか?だとしたらすごい……!ラストは「えっ」っていう感じで終わるのですが、むしろリアリティがあってこちらの方が好きです。そりゃそうだよね、という。
    ちなみに中国が出てくるくだり、時代が時代なら違う国だったかもしれないと思うと、現代らしいなぁと思います。
    なお、科学オタク、映画・アメコミオタクには楽しい小ネタが満載で、これだけ絶望的な状況なのに「クスッ」と笑ってしまいます。

  • タイトルなんとかならんのかと思った一冊。でも買っちゃう☆

    よく言われていた「火星でひとりDASH村」
    その通りの内容でした。
    なによりも主人公が一人っきりでもユーモアを忘れず、前向きに生きている姿が輝いて見える。すごいや。
    こりゃ生き残るな、地球帰るんだろうなって読者を希望へ導いてくれるのがうれしい。

  • 【富岡学生課長】
    火星探査のプロジェクトに参加していた主人公マーク・ワトニーは、猛烈な砂嵐に見舞われ、一人だけ事故に遭遇してしまう。クルーたちは、懸命に彼を捜索したが見つからず、結局、死亡したとみなし、火星を去ってしまう。しかし、マークは生きていた!通信機も壊れ、地球との通信も断絶する一方、地球ではマークが生きているとは考えていないので、救出プロジェクトが立ち上がる可能性はゼロという極限状況の中で、次回の火星探査プロジェクト(四年後!)が来るまで諦めずに生き延びようとする。メカニカル・エンジニアでもあり植物学者でもあるマークは、知力と経験をフルに活用して生きていくため、あらゆる「見積もり」を行うのでした。この「見積もり」の過程が、日記風に綴られます。そして、そこには、悲壮感や絶望感はなく、時にはユーモアを交え、「今生きている状況を目一杯楽しもう」という意思や気概が感じられます。学生のみなさんが将来、エンジニアとして、限られた資源や環境の中で、課題を克服しなければいけない状況に直面した際は、そういえばこんなSFがあったっけと思いだしてもらえれば幸いです。

  • 感想は下巻にて。

  • アルテミスを買ってから、未だ読んでなかったのに気付いた。

  • 『火星の人』上/下

    映画『オデッセイ』は公開された時に映画館で観ていました。その時から原作も読んでみたいなと思っていて、漸く読むことができました。

    細かいところを除き、基本的には映画は原作に忠実に創られていますね。

    予期せぬ事故で、たった一人火星に残された宇宙飛行士が残りの食料と機材で救助されるまで、必死のサバイバルに挑むお話し。

    たった一人で光でも何分も掛かる遠い惑星、しかも水も空気も食料も外にはない、に取り残されて、それで知力と体力の限りを尽くして生き抜く。その様を宇宙飛行士が書いた日々の日誌形式で表現しています。

    あんな状況におかれて、希望を捨てずにあのユーモア溢れる日誌を書けるのか?まあ、自分には無理だろうなと思います。宇宙飛行士って、そんなに精神力が強くないといかんのかという気がします。

    ところで、、、
    映画を観た時から、ちょっと気になるのは通信のところです。

    基地のパラボラアンテナが壊れたなら、通信装置自体が壊れた訳ではないのだから、代わりのアンテナを工夫すれば、地球もしくは火星を回る衛星と通信を回復できるだろうという気がします。
    地球と直接の交信は距離があって難しい?でも火星は地球から見える訳だし、地球には電波望遠鏡みたいな大きなアンテナもあります。それに火星を回る衛星との交信は携帯電話程度の小電力と小さいアンテナでできるはずですよね。

    あと、パスファインダーで初めて通信する時も、カメラ回して意思疎通より、初めからモールスだろうと、アマチュア無線が趣味でモールスやってる私は思いました。

    元がウェブ小説だったとのことですが、この日誌形式での物語はウェブに連載するには非常に有効な方法だなと感じました。

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