中継ステーション〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)

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  • 早川書房 (2015年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784150120450

作品紹介・あらすじ

片田舎にある平凡な農家こそ宇宙をつなぐ中継基地だった……珠玉の長篇、新訳版登場。

みんなの感想まとめ

孤独と交流、変化と守護が交錯する物語が描かれています。主人公イーノック・ウォレスは、宇宙と地球をつなぐ中継ステーションの管理人として、異星の旅人とのひとときを大切にしながら、長い孤独な時間を過ごしてい...

感想・レビュー・書評

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  • この地球でただ1人、銀河と交流ができる男。
    時間もあり、地球の誰も知らないことを学べる。

    だけど、それは自分だけ。
    誰にも共有できないし、誰にも知られない。

    1人で100年も過ごせるだろうか。

    銀河が一つではないと知ってから、宇宙人はいると思ってる人です。

    なら、なぜ私たちに会いに来ないのか?宇宙人たちも会う手段を生み出せていないからなのか、それとも会うほど価値のない生命体だと思われているのか。

    それはたぶん、イーノックしか知らないかも。

  • SF。
    初めてのシマック作品。
    SF的な内容よりも、ウィスコンシン州の牧歌的な雰囲気と、作品全体に溢れる優しさが印象的。
    解説によると、これがシマックの作風らしい。好印象。
    新訳版で購入したが、淡い色味と可愛らしいイラストの表紙も、作風に合っていて好き。

  • アメリカの中西部の空気感と、銀河の中の想像を超えた世界とが、違和感なく共存する。
    100年以上の時を、イーノックのように果たして生きることができるだろうか。
    使命感とか友情とか責任とか。
    そんな言葉が及ばないところに、時間にかければ、彼のように到達できるのか。
    最後の1ページを、温かい気持ちでそっと閉じることができた本だった。

  • 銀河の星々を結ぶ中継ステーションと聞いてイメージするのは、羽田のようなハブ空港。
    行きかう人々。
    雑踏の中で次々に起きるアクシデント。

    などを想像してはいけない。
    アメリカの片田舎のそのまた人里離れた一軒の古ぼけた一軒家。
    そこに何日かに一回の割で訪れる宇宙人たち。
    人型の異星人もいるが、植物型、液体型・・・さまざまな異星人たちと、イーノックはとれる範囲で最善のコミュニケーション、つまりおもてなしをする。
    そんな牧歌的な日々。

    近所づきあいはしない。
    新聞や雑誌を届けてくれる郵便配達人だけが、唯一の友人と言える。
    ライフル銃を小脇に抱えて日に一時間程度の散歩と、自家用のささやかな畑仕事。
    ごくごく狭い世界で日を送るイーノックは、地球で唯一、異星人が日常的に地球を訪れていることを知る存在。
    圧倒的に高次な文明や科学に触れながら、それでもイーノックは地球と縁を切ることはできない。
    それはイーノックが地球人だから。

    100年以上も年を取ることなく住んでいる人間がいるらしい。
    そんな噂を聞きつけ、2年の調査を行ったCIA。
    思わぬところから地球外生命の存在に気づく。

    イーノックの家から少し離れたところに暮らすフィッシャー家。
    当らず触らずの関係を長年続けていたが、生まれつき耳が聴こえず話すこともできない娘、ルーシーに対する家族の暴力を見て、ついルーシーを匿ってしまったことからイーノックへ悪意を募らせることになる。

    銀河の星々の平和と繁栄のために必要な「タリスマン」と、その媒介者がここ数百年現れず、銀河本部も危機を迎えていた。

    100年以上変わらぬ日々を送ってきたイーノックの周辺が一転、俄かに慌ただしくなる。

    誰にも秘密を打ち明けることができず、大いなる孤独のなかに100年を過ごすことは、どれだけ淋しいことだろうか。
    想像の中に造り出した友人を、異星人の進んだ科学が実体化させる。
    しかしそれすらも、最終的にはイーノックの孤独を深めることになる。
    けれどイーノックの心はいつも静謐だ。

    1960年代に書かれたSFは、今の作品に慣れた目で見るとのどかである。
    そして冷戦状態に対する絶望と、ひとりひとりの個人としての人間に対する信頼が、シマックらしい。

    解説が、SF作家・評論家の肩書の付いた森下一仁、森下一仁、森下一仁なんです!(超大事なので三回書きました)
    言われてみればこの作品、解説が森下一仁ってぴったりだ。
    選んだ人、センスあるなあ。

  • アメリカ中西部の片田舎でひっそりと暮らすイーノック・ウォレス。閉鎖的な土地柄に守られて余計な干渉を受けずにただ一人生活するイーノックは、実は齢100歳を超えながらほとんど歳を取らず、銀河の星々を渡る旅人を送り迎える「中継ステーション」の管理人を務めていた。異星の旅人とのひとときの交流を心のよすがに、永遠とも思える孤独の中に生きるイーノックの周辺で、彼の存在を嗅ぎ付けて正体を暴こうとする不穏な動きが見え始める。大切な中継ステーションと自分自身の生活を守るため、イーノックが取った行動とは、そしてその結末とは?

    古き良き、暖かくも寂寥感溢れるSF。
    1963年の作品です。牧歌的で懐古的な舞台設定の中、根っからの悪人はほとんど登場せず、ファンタジーのような優しい物語世界が紡がれていきます。如何にも古いSFらしく、詰めの甘さがところどころに感じられますし、訳文の生硬さもちょっと気になります。が、それでも忘れ難いこの瑞々しさ。

    この物語は、大切なものを守り続けることを建前にして変化することを拒否してきた主人公が、自ら変化することを選び取るまでの物語でもあります。彼が変化を選択したことによって、世界もまた変革し、物事が良い方向へと転がり始めたように見える、その陰で主人公が感じる救いようの無い寂寥感。このハッピーエンドとは言えないラストシーンが、この作品の真骨頂だと鴨は思います。変わりつつあるアメリカの風景を目の前で見てきたシマックの心象風景が、そのまま反映された作品なのかもしれませんね。

  • 孤独からの解放と、心地よい幻想の喪失

  • ウィスコンシンの田舎に住む男は140年前生まれ。宇宙から移動する者たちを受け入れるステーションの管理をしている。CIAがそれに気づき・・・

    面白かった。1963年に書かれたとは思えない現代に通じる、哲学的な内容。宇宙に生命体はいるのか、人類は劣っているのか。

  • 読んで損をしない名作

  • 図書館の新刊コーナーで見かけて読んでみました。50年以上前の作品ですが新訳版ということもあってか古さは感じられませんでした。設定・ストーリーともに違和感なし。一冊にいろんな要素が詰め込まれた感じで読み応えありました。名作に出会えてよかったでです。映像で観てみたいなと思ったらNetflixが映画化するらしいですね。

  • 原書名:WAY STATION

  • 2016.11.30

  • もっと淡々とした物語を想像していたのだけど、結構波乱。地球の歴史から切り離され星々の旅人をも見送るしかない中継ステーションの管理人の、孤独を感じた。アメリカの片田舎が舞台、ということろもより寂寥感を増しているのか。

  • 2016/10/10購入
    2016/11/14読了

  • アメリカの片田舎にある何の変哲もない一軒家が、実は銀河の星々を繋ぐ中継ステーションだった!という飛躍がまず素晴らしい。一見するとワンアイデアものにも思えるが、冷戦という時代設定における核の恐怖であるとか人類の進化といったテーマも内包した奥深い作品。

    様々な生態を持つ宇宙人たちが主人公の中継ステーション管理人・イーノックの元に訪れ、コミュニケーションをして去っていくという図式は藤子・F・不二雄の『21エモン』を彷彿とさせるが、あの作品の持つほのぼの感とは対照的に本作に漂うのは圧倒的な孤独と厭世的な雰囲気だ。ほぼ不老不死となったイーノックは老郵便配達夫の他はほとんど話す人もなく、殆どの人には先立たれている。自らの創りだした幻影すらも彼の元を去っていく。そしてこの孤独の外に「銀河文明における地球の孤独」がある。冷戦下の核に怯える時代を背景にした第二の『幼年期の終わり』のような作品。物語の後半にライフルとメアリを手放すイーノックの姿が強く印象に残る。

    それにしてもシマックは語り口がとても上手い。「アメリカの片田舎に住む不老不死の青年」という都市伝説めいたミステリーからはじまるという出だしもワクワクさせてくれるし、ちょっとした情景描写も細やかでありながら、飽きさせない。後半のアクションシーンを除けば比較的地味な内容にもかかわらず一気呵成に読んでしまえる傑作。

  • で、結局どうなるの?ってのが正直な感想。ニンジンハンターがニジンハンターになってたのは意図的なものなの?←こういうのが気になるのは話に集中してなかった証拠だわ(笑) 戦争を起こさないためにやるべきことは人類の愚鈍化。これ、ゾッとする。愚鈍化によって、戦争の道具も含め機器等が作れない、物があってもそれが何なのかわからない。銃器も弾を撃ち尽くせば、その製造法がわからない。とにかく今あるものが無くなれば、それを作るだけの頭脳と技術がない。現代でそれが起こると、そこまで技術を戻すのにどれだけの時間がかかるのか。ほんと恐ろしい。

  • わたしの中にメアリはもういない。

  • 寛容が肝要。時代を映した優れた寓話。
    これが書かれた頃は冷戦が更に強まっている時期で、米国は外側ではキューバ危機やらベトナム介入でゴチャゴチャし、内側では公民権運動やらケネディ暗殺やらでゴチャゴチャしていた。そんな中でシマックが何を思い、何を願って本作を書いたのか…大事なのは正義でも愛でもなく寛容なのだ。

  • 優しい世界。
    この表紙の絵まんまです。
    中はキッチリSFなんですけど、どこかファンタジック。
    ザンスシリーズの山田さんの手腕なのかしら。

    中盤まではイーノックの静かな生活が中心に
    描かれており、
    (其処で退屈だと切らないで頑張って!)
    後半は急展開。

    映像化されたりしてもおかしく無さそうですが、
    この優しい世界を読んだ人の中だけで
    こっそりひっそりして置いてもいいのかな。

  • 2016/01/12 購入。高校生ぐらいの頃に読んだ大好きだった作品。シマックの作品の中では、「都市」に次いで好きでした。山田順子さんはファンタジー系でお馴染みの訳者さんでどうかなとも思ったけど、結局買ってしまった。

  • 少年期の終わりを象徴的に描いているようにも思える。誤読の可能性もあるが。(書きかけ)

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著者プロフィール

時代考証家。1953年広島県生まれ。専修大学文学部人文学科卒業。CMディレクター、放送作家を経て時代考証家となる。1982年から『クイズ面白ゼミナール』(NHK)の歴史クイズの出題・構成を担当。大人気ドラマ『JIN-仁-』『天皇の料理番』『この世界の片隅に』など、江戸時代から昭和まで、幅広い時代の時代考証や所作指導を担当。また、連載漫画、丸亀製麺などのCM、江戸東京博物館のイベントの時代考証など幅広く活躍。自らも歴史情報番組『尾上松也の謎解き歴史ミステリー』などのテレビやラジオに出演、講演会などでも歴史解説を行う。著書は『江戸グルメ誕生』(講談社)、『お江戸八百八町三百六十五日』『海賊がつくった日本史』(ともに実業之日本社)、『絵解き「江戸名所百人美女」江戸美人の粋なくらし』(淡交社)、『時代考証家のきもの指南』(徳間書店)など多数。時代考証家山田順子オフィシャルサイトhttp://www.spacemy.ecnet.jp/

「2022年 『時代考証家が行く 瀬戸内海の島探訪「せとうち津々浦々」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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