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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784150120702
作品紹介・あらすじ
目的も知らず辺境惑星に派遣された13人の男女は、一人また一人と奇怪な死を遂げ始めた
みんなの感想まとめ
目的も知らず辺境惑星に派遣された男女14人が、次々と奇怪な死を遂げるサスペンス・ミステリーが展開されます。外部との通信が断たれ、脱出の手段もない中で繰り広げられる緊迫感は、読者を引き込む魅力となってい...
感想・レビュー・書評
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クローズドサークル・ミステリというと、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を思い出しますが、それをディックがSFでやっているのが面白かったです。
あらすじ:
目的を告げられずに、未開の辺境惑星デルマク・Oに集められた14名の男女(男8女5+遅れて男1が参加)。その使命を伝えるはずのテープを再生すると、テープは勝手に消去されてしまいます。そして、誰もが着陸後は二度と飛び立てないノーザーという乗り物できていたことが判明。通信手段も持ち合わせていないことがわかるにいたり、機械とも生物とも分からない生物がいるこの奇妙な惑星に、完全に孤立してしまったことに気付きます。
そんな状況の中、集められたメンバーが一人また一人と謎の死を遂げていきます……。
とにかく一人目は「えっ?」て感じの突然の死に方でビックリ!「神はいる」という前提の世界観で、犯人は全てを破壊する形相破壊神か、本の裏表紙に14人と書かれていたから、まだ来ていない14人目の人物か、それとも謎の生命体の仕業なのか……と最初はいろいろ考えましたが、読み進めてみると、最後はSFらしいまとめ方。人類が宇宙に出て行くと、こういうこともあり得るだろうなと考えさせられました。また、目次にあたる、全く本文と無関係な長ったらしい章立てや、「神はいる」という前提の小説で、スピノザやヴォルテールの名前がでてくるなど、遊び心もあって面白かったです。
それにしても、3Dホログラムや3Dプリンタ、ソードアート・オンラインのナーヴギアのようなVRマシンや生成AIなど、よく1970年に考えついていたなと感心しました。個人的には,適当に開いたページが、その時の指針を啓示する、作中の「スペクトフスキーの書」がアナログちっくで好きですね。
正誤(初版)
P26の5-6行目
配送係はは疑わしそうににらんだ。
↓
配送係は疑わしそうににらんだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サンリオSF文庫で読了。サンリオではタイトルが『死の迷宮』。最後のオチがすごい。やりやがったなって感じ。ハインラインのルナゲートくらい。笑
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SF界の巨匠・フィリップ・K・ディックによるSFサスペンス・ミステリー。未開の辺境惑星"デルマク・O"に集った14人の男女に降りかかる"死"、その真相とは――――。
外部との通信が断たれ、脱出することも出来ず、惑星に閉じ込められた男女が次々と"死"に誘われるという、なかなかのサスペンス・ミステリーが味わえる。惑星に存在する謎の構築物の正体は何か、「神が実在する」という設定がどう絡んでくるのか、ワクワクしながら読み進めることが出来た。
ディックの作品は、『ヴァリス』3部作を除けば比較的読み易いものが多いが、本作は特に読み易くまとまっている印象。ただ、その分尖った要素が少な目なので、少々物足りなく感じるかもしれない。 -
未開の辺境惑星に目的不明のまま送り込まれた男女14人が繰り広げる脱出劇。外部との通信は絶たれ、移動手段もない中、一人また一人と謎の死を遂げていく。どこかで見たようなサスペンス・ミステリーだが、ディックらしい独特の世界観とヒネリがきいていて、SFとしてもよく出来ている。あの「驚き」をもう少し引っ張ってほしかったという、ギミックを使い切れていない感もいつものことで、もはやご愛嬌。ラストで全部持っていったので、素直に楽しめた逸品。
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まさかのオチ。空想が現実を侵食し出したかのようなラストはユービックを思い出す。
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あらすじだけ見たら、なかなかにド直球なクローズド・サークル。だけどP・K・ディックだし、SFだし…という期待とためらいそのまんまの内容だった。
変な宗教ネタとか、近づくと遠ざかるビルだとか、3Dプリンタみたいな生き物みたいな人工物とか、未開の惑星で「ムシがいる」とさらっと出てきたのが超小型カメラだったりとかの、界隈の方々ならきっと慣れっこなのだろう「SFなお約束」だけ「そういうもの」だと飲み込めば、素敵にイヤミスがかったクローズド・サークルとして読んで差し支えないように思う。殺伐系クローズド・サークルが好きな向きにはおすすめ。
2018/7/29読了 -
作家として、出世作アンドロイドは電気羊の夢を見るか? Do Androids Dream of Electric Sheep? (1968年)、銀河の壺直し Galactic Pot-Healer (1969年)、
ユービック Ubik (1969年)に続く作品だけに読ませます。残念ながら、私の好みではありませんでしたが。 -
目的も告げられぬまま辺境の惑星「デルマク・O」に送り込まれた男女14名。彼らが目の当たりにする光景は、謎めいた構造物に人工蠅、不完全な複製を作り出す生命体などなど…奇妙な惑星を舞台に、ひとりまたひとりと不可解な死を迎えるメンバーたち…緊迫感溢れる展開で魅了する本書は、著者自身の神秘体験も交えたサスペンスSFです。
舞台となる惑星自体が奇妙であることに加え、何らかの欠陥を抱えた登場人物が時折遭遇する奇怪な体験(このうちのひとつが著者の神秘体験のようです)の影響もあってか、物語には常に異様な空気が漂っています。この辺りはディックが得意とする描写なのでしょうが、とにかく不安を抱きつつ読み進めることに。一方、賛否分かれそうな結末は、個人的には嫌いではありません。「現実の世界に戻れたと思った瞬間に、幻覚世界の住人が目の前を横切る」とは「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」でしたが、これに通じるところがあるかと。ただ、あちらのように前途ある作品とは到底思えません。薬物や神秘主義に囚われた人々の悲惨な末路を想起せざるを得ない作品です。 -
2016/08/31
嵐の山荘って煽りはどうだろう。
そし誰風UFOエンドみたいな。 -
東京創元社から刊行されていたものの復刊。
割とパルプSF的な印象を受ける長編で、序盤の緊迫感に溢れる展開からあのオチに繋がった時は思わず笑ってしまった。
巻末の、愛はあるのに褒めていない『訳者あとがき』も妙に面白い。確かに『落伍者』しか出て来ないわ……。
フィリップ・K.ディックの作品
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