ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房
3.24
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本棚登録 : 394
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150120993

感想・レビュー・書評

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  •  歴史改変SFの下巻。
     アメリカ人のあいだで流行っているゲーム『USA』開発の張本人を追って、帝国陸軍大尉の石村らはサンタカタリナ島へ向かう。
     途中で、敵の一味に捕まり、敗者が残虐な殺され方をされるテレビゲームに無理やり参加させられる。

     作者はだいぶがんばっているが、知りうる限りの日本的ガジェットをこれでもかと盛り込みすぎて、だいぶストーリーがおろそかになっている。表紙に描かれているようなロボットも少ししか登場せず、非常に肩すかしを食らった感じ。

  • 第二次世界大戦で枢軸国側が勝利し、日本が北米の西側を、ナチス・ドイツが東側を支配している世界。「皇国」と自称する日本は、ロサンゼルスを中心に「日本合衆国」を建国し、日系混血人を中心とした圧政を敷いている。
    皇国への叛逆を目論んだ両親を告発して現在の地位を得た軍人・石村紅功は、かつての上司である六浦賀将軍から、自死した娘クレアの死の真相を探って欲しいとの極秘の命令を受ける。ほぼ同時期に石村の前に現れる「特高」の女工作者・槻野昭子もまた六浦賀を追っていた。時は今しも、息詰まる監視社会の中で密かに流行するゲーム「USA」。現実の歴史とは異なり、連合国側が枢軸国側に勝利した世界を舞台にした戦争シミュレーション・ゲームを作ったのは、他ならぬ六浦賀では無いかとの噂が流れていた。異形の日本的社会の中、巨大ロボが治安を守る日本合衆国で謎を追い求める石村と槻野の戦いが、今ここに幕を開けるーー。

    うーーーーーーーむ・・・・・・

    下巻まで読み切って、作者がこの作品で表現したいこと、伝えたいことは、わかった気がします。両親を裏切って生き抜いてきた石村の人生の真相、サディスティックに見えて実は自分への恐怖を克服し切れていない槻野の人間的な弱さが最後に明かされ、暴力的な圧政の元でささやかな信念を胸にサバイバルする個人の魂の遍歴を描きたかったのだろうな、と鴨は読み取りましたし、その視点で読むとこのラストはなかなかの出来映えだと思います。

    ただ、そうした人間模様をテーマにする作品であれば、人間を描く深みが必要です。それがないと、ストーリーが上滑りして、求心力を失います。
    この作品では、主に登場人物の台詞の応酬で人間性や置かれた環境、ものの考え方を表そうとしています。が、この台詞がいちいちカッコ付け過ぎていてリアリティが無く、地に足の着いた会話になっていないため、キャラ造形に深みが無くステレオタイプなキャラ設定しか印象に残らない結果になっています。
    ここで誤解のないように申し上げておくと、キャラ造形に深みなんぞなくても立派に成立するSFはあります。舞台設定の面白さ、SFとしてのアイディアの秀逸さ、それだけでSFは勝負できますし、過去にそうしたベクトルで成功した古典SFはたくさんあります。でも、この作品は、そういたベクトルで勝負しようとした作品ではないよなー、と鴨は感じています。だったら、巨大メカとか相撲レスラーとか人体改造とかゲーム対決とか、そうした派手なガジェットを売りにするのはちょっと違うんじゃないかなー、と。派手なガジェットが面白さを付加しているならまたそれはそれで評価できますけど、残念ながら昔からあるありがちなガジェットの焼き直しばかりで、あまり面白くありませんし。

    というわけで、鴨のこの作品に対する評価は、「ちょっと方向性間違えちゃったかなぁ・・・」との残念な感じ。人物描写も世界観もどちらも中途半端で新鮮味がなく、ストーリー自体の求心力が今ひとつ。ぱっと見の面白さだけで星雲賞取っちゃったか?
    どちらかの針に振り切れれば、面白いSFを書ける作者なのだと思います。今後の精進に期待!ですねー。

  •  メカって。

     WW2で日独が勝利したIF世界での物語。ディックの『高い城の男』の精神的続編だとか。日本が巨大ロボでアメリカを統治してる話。
     ディックの話と同じように、史実をそこそこ知ってる状態で読んだ方がより楽しめると思う。作者が日本文化、日本のエンタメが好きな方みたいで、ディックよりもとっつきやすい日本感。
     なんだろう、なんか、こう、天皇陛下がどうとか、現人神だとか、八百万の神とか、思想についてはIFの世界だしまあいいんだけど、いろいろ置いといて、面白かったんだよ。
     適度なエログロ。エロはそんなになかったかな。グロがちらほら。工匠のとこのシーンとかすげー好きですわ。ああいうグロ好き。
     なんか、いや、うん、めっちゃネタバレしますけど、なんでベン、死んじゃったんだよ……。
     ゲームの中でメカ出してきたシーンとか、すげー滾ったのに。「これこれ! こういうチート待ってました!」って興奮したのに。最後、最後さぁ……。両親を告発した行動の本当の意味とかさぁ。これ、きっつい。きつい。ほんと。もう少し、ベンの心の内側を知りたかったよ。両親を犠牲にして生きのびた彼は、どんな理想を抱いていたんだろうね。それを考えると苦しくなってくる。
     そんなベンに生かされた昭子はこれからどうするんだろうね。
     巨大ロボが「メカ」って呼ばれてるのがちょっとどうだろう、って思ったんだけど、ガンダムとは呼べないし、モビルスーツもガンダム用語? なんか、もちっとかっこいい呼称が良かったな。
     抜粋。いろいろ好きな部分はあったけどね。メカパイロット久地樂のセリフより。


    「名誉なんぞ、気分ようなるための言葉遊びや」

  • 物語に巨大ロボットが登場したのわ上巻の最終局面。そしてそのパイロットわそこまでの物語とは全く関係なく唐突に登場する。そのパイロットわ実に個性豊か。なんとコテコテの関西弁を操る。楽しい。

    この作品、著者が韓国系アメリカ人だという事は先に書いたが、英語で関西弁はどのように書くのだろうか。というよりも、どうして翻訳者はその英語が関西弁だということがわかるのだろうか。

    少なくとも舞台はアメリカ。つまりパイロット(もちろん日本人だろうが)は間違いなく英語をしゃべって居るはずである。 (ぼくわ関西弁を喋るネイティブ米人を個人的に知っている。そいつの母国語はもちろん英語だけど、奴わ普通の英語!?をしゃべるぞ。そうだ今度そいつに訊いてみようw)

    まあ「そりゃあ翻訳前に著者と打ち合わせするんですよ」「へ、まぢ?」 という安易だけれど納得いきそうな顛末が予想される。

    まあ、読んでみいやw

    • ほんやだワンさん
      英語のツイイートが届いたです。
      「サンキュー フォー なんちゃら・・・」と。
      (読んでくれてありがとよ!みたいな?)
      英語は赤点のヒ...
      英語のツイイートが届いたです。
      「サンキュー フォー なんちゃら・・・」と。
      (読んでくれてありがとよ!みたいな?)
      英語は赤点のヒトだったので自信ないが・・・。
      2016/12/15
    • ほんやだワンさん
      お~ぅ、いえ~す。
      ♪あい はぶ あ ぺぇ~ん。
      あい はぶ あん あぽぉ~・・・・・。

      だから~、英語苦手なのアルヨ(泣)。
      お~ぅ、いえ~す。
      ♪あい はぶ あ ぺぇ~ん。
      あい はぶ あん あぽぉ~・・・・・。

      だから~、英語苦手なのアルヨ(泣)。
      2016/12/16
  • 評価は上巻にまとめて書いてあります。

  • 下巻に入ると情報が整理され、物語の方向性が明確になって、かなり読みやすくはなった。でもそれは単調な一本道と同義であり、相変わらず深みはない。外国人の目から見た日本人や日本文化に出会うたび感じる、一種の気恥ずかしさや違和感がずっとあって、居心地の悪い読書だった。完全なエンタメに振ったほうがよかったのではなかろうか?

  • 2020/4/13購入
    2020/11/4読了

  • さあ終わった~石村大尉と特高の槻野は所在不明の六浦賀将軍の足跡を追う。将軍は先の大戦で日独が負ける改変歴史世界を舞台とするゲーム「USA」を開発し、アメリカ人抵抗組織に協力しているのだという。石村は片腕にガンアームを装着した槻野とパイロット久地樂のメカに乗り、行く手を阻む的メカを撃破し、抵抗組織の本拠地へ向かう~下巻はほぼ一気読み・できた。だけど、結局どっちの勝ち? 華々しく終わって欲しかったなぁ

  • "本の帯にもあるように、話の流れはフィリップ・K・ディックさんの「高い城の男」を思い出さずにはいられない。どちらも、第二次世界大戦で枢軸国(日独伊)が勝った世界に住む人の物語だ。どちらも、あまり自由はなく統制された社会を描いている。その世界の中で、高い城の男では、もしも連合国が勝ったであればという内容の発禁本が登場する。
    本作品では、USJという日本がアメリカを統治した国が舞台で、USAというゲームが登場する。もしも、アメリカ合衆国が戦争に勝っていたらというゲームが。
    本書のユニークなところは、USJでは巨大なロボットが戦う道具として存在しており、その戦闘シーンも見せ場のひとつになっている。
    上巻は退屈したが、下巻は楽しめた。"

  • 途中のゲームをやる必要があったのかな
    でも面白かった。

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