伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房
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本棚登録 : 178
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150121020

作品紹介・あらすじ

不可思議なおもちゃを手にした兄妹の成長を描く表題作他、7篇を収録するアンソロジー

感想・レビュー・書評

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  • 【今週はこれを読め! SF編】伊藤典夫ブランドが存分に堪能できる一冊 - 牧眞司|WEB本の雑誌
    https://www.webdoku.jp/newshz/maki/2016/11/22/121232.html

    伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ | 種類,ハヤカワ文庫SF | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013386/pc_detail/

  • やっと読み終わった。全てがお勧めできる短編ではないが、個人的には子どもの部屋が好み。

  • SF者なら知らぬ者はない伊藤氏の訳した短篇を集めた傑作選。さすがに読み応えのある作品ばかりで、ゆっくりじっくり味わう様に読ませてもらった。お気に入りは「子どもの部屋」「旅人の憩い」この二作品が強烈に印象に残った。ところでデイヴィッドIマッスンて誰?旅人の憩いがとても面白かったので、ほかの作品も読んでみたい。

  • SFマガジンのために若き日のSF翻訳家伊藤典夫が選りすぐって訳した傑作中短編から、時間・次元テーマを中心に精選したアンソロジー。ボロゴーヴはミムジイ、子どもの部屋、虚影の街、ハッピーエンド、若くならない男、旅人の憩い、思考のこだま。

    かつての時代のSF、未知の夢があって、時代のエネルギーがあって。もちろん、今でもすごいんだけれども。

  • 『2001年宇宙の旅』も翻訳したSF界の翻訳者伊藤典夫氏の傑作選。
    網中いづるさんの表紙がいい感じでした。

  • フレデリック・ポール、フリッツ・ライバー、ジョン・ブラナーは積毒で、今回初めて短編で読んだけど面白かった。編者あとがきと巻末の伊藤典夫インタビューを読むと、この企画の続編が待ち遠しくなった。

  • 目次
    ・ボロゴーヴはミムジイ ルイス・パジェット
    ・子どもの部屋 レイモンド・F・ジョーンズ
    ・虚栄の街 フレデリック・ポール
    ・ハッピー・エンド ヘンリー・カットナー
    ・若くならない男 フリッツ・ライバー
    ・旅人の憩い デイヴィッド・I・マッスン
    ・思考の谺(こだま) ジョン・ブラナー

    学生の頃、長編よりもひねりのきいた短編小説が好きでした。
    ことにSFの。
    設定が奇抜で、なおかつオチが意表をついたもの。
    当りまえの日常が、少しずつ意外な結末へとスライドしていくもの。

    この作品集は、ちょうど私がそんなSFを好んで読んでいたころに「名作」の評価が高かった作品を集めたもの。
    科学の進歩は当たり前として、その先は明らかなバラ色ではなく、かといって全くのディストピアでもない、今とつながっているような別世界。
    ああ、こういうのが好きだったんだよなあ、と夢中で読む。

    『ボロゴーヴはミムジイ』と『子どもの部屋』は、大人と違って柔軟に変化を受け入れる子どもと、取り残され、見送るしかない大人の対比が、この年になって読むと身につまされるものがある。
    多分高校生の時に読んでいたら、今のようには感じなかったと思う。

    『虚栄の街』は、すごく好きな設定。
    多分小学生の頃に読んで、タイトルも作者も忘れてしまったのに内容だけは覚えている小説に雰囲気が似ているから。
    町に、町の人たちに感じる違和。不穏。
    何かが起こっているのに、それが何かわからない不安。
    そして、ようやくたどり着いた真相が!
    設定は好きだったけど、やっぱり子どもの頃に受けた衝撃には及ばなかった。残念。

    『思考の谺』は、一番長い作品で、一番ハラハラドキドキの展開だった。
    SFであり、ミステリでもある作品。
    主人公の女性は、社会の底辺で、不安にさいなまれながら、人目を避けながら暮らしている。
    なぜ?わからない。記憶がない。
    いや、記憶があるのだけれど、そんな記憶はありえない。
    アパートの大家夫婦がとてもうさんくさくて、いったい彼女に何が起きたのか、今何が起こっているのかがすごく気になって。
    途中、彼女を救うことになった青年がピンチに陥った時などは、こちらの心臓も止まるかと思い、最後の奇想天外な結末に古き良きSFを感じた。

    最近はなかなかSFらしいSFを読むことが少なくなったけど、やっぱり好きだなあSF。
    頭も心も揉みほぐされて柔らかくなったような気がする。

  • 個人的に良かったと思う作品
    ルイス・パジェット『ボロゴーヴはミムジイ』
    レイモンド・F・ジョーンズ『子どもの部屋』
    デイヴィッド・I・マッスン『旅人の憩い』

  • 昔は翻訳者に着目して本を読んだことはなかったが、最近は翻訳者にも注目している。伊藤典夫氏も、これまで読んできた作品のなかで印象に残る翻訳者であった。そんな翻訳者をフィーチャーした短編集が世に出たのは、自分にとって僥幸である。本書は期待を裏切らない。やはり訳者が良いと作品が読みやすくなる。収録されている作品は、古いものばかりだが、時代を感じさせないだけでなく、すらすらと読める。海外SFを敬遠していた人も、本書をきっかけにチャレンジしてはいかがだろうか。翻訳作品のイメージが変わるかもしれない。

  • 翻訳SFを愛する者には避けて通れない、伊藤典夫氏の翻訳。浅倉久志氏と合わせて、鴨も子供の頃から本当にお世話になった超ベテランのSF翻訳家です。
    鴨的には、伊藤典夫氏の翻訳は端的で引き締まったスマートさが魅力です。とにかく読みやすい。そんな訳文のイメージが強いんですが、このアンソロジーを読んで、海外の未翻訳短編の山の中から良品を発掘する伊藤氏のキュレーション力の高さにも感服いたしました。収録されている全7編、いずれもかなり古い作品ばかりですが、今読んでも十分鑑賞に堪え得る「Sence of wonder」を内包した、傑作とまでは言わないまでもハイレベルな佳作揃い。捨て駒無しです。

    伊藤氏の選択眼のレベルの高さ故か、収録作は当時のSFとしてはなかなかユニークな着眼点を基にしたアイディア・ストーリーが多く、この手のアンソロジーにしては珍しく読み進めるにはある程度のSF的なセンスが必要で、初心者向きとは言えないかもしれません。SFを読み慣れてきた中堅SF者にオススメかもしれません。
    第2作も企画されているらしいので、続編を期待しております!

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