紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)

  • 早川書房
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本棚登録 : 2055
感想 : 184
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150121211

作品紹介・あらすじ

第一短篇集である単行本『紙の動物園』から、母と息子の絆を描いて史上初のSF賞3冠に輝いた表題作など、7篇を収録した短篇集

感想・レビュー・書評

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  • 中国で生まれ少年期にアメリカに移住し育った著者。その生い立ちと経験が深く濃く反映されている気がした。それぞれの短篇、設定は面白かったが、なぜかいま一歩作品の世界に入り込めず…。

  • 表題作の印象的なタイトルから気になっていた作品だったが、期待以上だった。とても短いページ数の作品ばかりなのに、長編小説を読んだような心持ちになり、素晴らしい短編小説というのはこういうものなのだと再確認することができた。

    「紙の動物園」では、切ない読後感とともに、紙でできた動物たちを通した親の子供への限りない愛情を感じた。取り返しがつかなくなってから後悔しても時間は戻らないのだから、今のうちに親孝行したいと強く思わされた。

    SFとして読んだときにいちばんいいと思ったのが「結縄」で、タイトルに関わるSF的なネタにとどまることなくもう一ひねり加えてあって、物語にさらに深みを持たせているところに作者の高い技量を見て取ることができた。

    いずれも短編傑作集の名前に恥じない素晴らしい作品群だったと思う。作者の他の作品や中国SFと言われたとき名前を聞かないことのない「三体」にも手を出したくなった。

  • SFかと思い購入したが中国の歴史と結びつく辛い話が多くて読み進めるのが大変だった。『文字占い師』は悲しく虚しい結末に一番心を揺さぶられた。

  •  実によくできている作品ばかりなのに、飽きちゃうのはなぜなんでしょうね。マア、ぼくだけなのかもしれませんが、どうも、そのあたりがこの作家の「秘密」かもしれませんね(笑)。

  • SFっぽくない表紙の雰囲気に惹かれてのジャケ買いだったのですが、予想以上に自分好みの短編集でした。

    7編の短編はいずれも、中国で生まれ少年時代にアメリカに移住した著者の文化的背景が感じられる作品です。
    SFというよりはファンタジー要素が強い感じでした。
    強い印象を残す表題作や「文字占い師」もよかったですが、個人的には「結縄」がとても印象的でした。
    アジアの奥地の村に伝わる結縄文字と最先端の医療研究がつながる過程に静かな興奮を覚えます。
    その一方で、村長と若き白人研究者とのあいだに育つのではないか、いや育ってほしいと期待していた友情がしおれていく結末の、怒りにも似た寂しさ。
    やり場のない切なさに、しゅんとしてしまいます。

    また、「心智五行」は短い中に映画のようなエンターテイメント性がつまっていてわくわくしました。
    主人公の最後の一言が心にくい。

    本書は単行本を2冊に分冊刊行したうちの1冊とのこと。
    もう1冊もぜひ読まねば。

  • 理系理系していてるネタ料理SFで、こういうの読みたいよねうんうん、と好感。ニューディール政策でアメリカ国内を振興するのではなく、太平洋トンネルを建設していたらという話が、まるっきりフィクションなのにおもしろかった。

  • 折り紙で創られた動物たちが生命を吹き込まれたかのように動きだす。母と子の物語に添えられたその幻想性と奇想に目を瞠るが、読み終えたとき「言語とはなんだろう?」と考えた。言語が単なる伝達の手段だけでなく、個々人の記憶と歴史を帯びたものであることに気づかされる。物悲しくもしっとりとした静謐な短篇集。

  • どの短編もお気に入りだが「紙の動物園」「文字占い師」が特に良くできている。表題作はファンタジーであると思った。日本ではSFとファンタジーは明確に分けるのだろうがアメリカではファジーな様である。曖昧さがとても気楽なのである。非常に読みやすくウェットな作風で読みやすい。泣けてしまった。

  • バラエティに富んだ短編集。読んでいてまったく飽きがこなかった。テーマは重たいものが多いので、心が元気なときに読むのをおすすめしたい。資本主義社会が生み出した社会の歪み、特許や著作権といった知的財産権が踏みにじるもの、遺伝子組み換え作物が破壊するもの、近代化のために犠牲になった大勢の命、支配する者と支配される者、腸内細菌やAIやロボット、そして台湾の歴史的事件...。中国系アメリカ人の天才ケン・リュウだからこそ書ける、唯一無二の作品を集めた短編集。

  • タイトルの小説とあと1つくらいしかピンと来なかったです。合わなかったのかなぁ…という感じでした。

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