- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150121556
作品紹介・あらすじ
21世紀なかば、ヨーロッパ・アメリカ合衆国の実権を握る大統領夫人ニコラは、時間移送機を使いゲーリング元帥を呼び寄せるが……
感想・レビュー・書評
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タイムトラベルとパラレルワールドをはじめとして、模造人間(シミュラクラ)、小型宇宙船、火星移住、架空歴史、管理社会、ミュータント、超能力、未来戦争、などなど、SFガジェットてんこ盛りの長編。数十人の登場人物に、主人公級の人物が何人もいて、それぞれに絡み合いながらプロットが駆動していく。要素が多すぎて目が回る上に、物語がどこに向かっているのか戸惑ってしまうが、その中でもディック作品共通のテーマ性は感じられ、キャラクターに魅力もありテンポも良いので、面白く一気に読み進めることができた。終盤のたたみかけるような展開にもワクワクしたものの、まとまらずに突き放されるので読後感はややモヤモヤ。ここから想像力を広げられる余地が大きいのをどうとるかで評価が分かれそうだ。そこも含めて、SFの面白さを堪能できる一冊。
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評価4にしたけど、これ傑作じゃないかな?念動力、時間移動、ガジェット、火星、異星生物…登場人物が多いのでメモを取ったほうがいいかも。
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【ノート】
・Amazon Primeの「エレクトリック・ドリーム」のできがよい。これはP.K.ディックの短編10編を下敷きにした10話のオムニバスなのだが、
・そんなこともあって、またディックづいてる最近なのだが、 -
ディックにしては珍しい(?)群像劇。登場人物が20人を超える多さで、かつ場面の転換も多いので、途中でどういう展開かよくわからなくなることがしばしば。
世界設定がワルシャワを中心とする共産主義体制とヨーロッパ・アメリカ合衆国(USEA)に二極化された社会であったり、タイムトラベル装置でナチスのゲーリング元帥を呼び出す展開、模造人間(シミュラクラ)や火星生物の登場、…などなど、おもしろそうな要素で溢れているにも関わらず、これらがうまく物語に溶け込んでいない印象(結局、ゲーリングはなんで召喚したのか?笑)。
最後は尻すぼみ、というか投げっぱなしで終わったし、これまで読んできたディックの長篇小説の中でもとりわけ場当たり感の強い作品でした。 -
どうしたらこんな複雑なプロット考えられるんかね。
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simulacraは翻訳本を読む機会を逸したまま、初めて手にしたディックの本だった。母国語で読めるって嬉しいよ。
(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪